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みんなのレビュー12件

みんなの評価3.4

評価内訳

12 件中 1 件~ 12 件を表示

紙の本

不思議な時空間感覚、ユーモアも実に卓抜

2000/07/10 00:15

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投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る

これが処女作とは驚いた。巧いからだ。大雑把に言えば、町田康、川上弘美に連なる「白昼夢派」といってもいいだろう。とにかく達者なのである。何が達者なのか。「物語」の構築、破天荒なイメージがである。著者は劇作家、演出家のためか、小説作法が演劇的でもある。といっても、いわゆる「新劇」風ではなく、唐十郎の「状況劇場」風というか「不条理劇」を見るような、不思議な時空間感覚、ユーモアも実に卓抜なのだ。宮沢章夫は1956年、静岡生まれ。多摩美大を中退、竹中直人、いとうせいこう、シティ・ボーイズらと組んだ「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」で作・演出を担当。93年、『ヒネミ』で岸田國士戯曲賞を受賞。初めて書いた本作が、芥川賞候補になったようだ。ぼくが選考委員なら、この作品に、断固「芥川賞」を授与する。選考委員はなぜ落としたのか。眼力がないからだ。主人公の「僕」(町村)は、新聞で7年ぶりに首藤の名を見る。鉄の棒で女(23歳)を撲殺したらしい。女と彼との関係は不明だった。日本画科を出た首藤とは、20年前の1978年、「虚学」という名のゼミで週に一度、顔を合わせていた。ゼミの講師は畝西(50歳)という名だった。生徒は「僕」を含め11人、ある日畝西は、「生きているのか、死んでいるのかわからない。その曖昧さに耐えられるか」と言い、また別の日には、1920年代、ロシア人レオン・テルミンの発明した最初期の電子楽器「テルミン」を教室に持ち込み、演奏したりした。「僕」はいま、編プロを経営している。首藤とは7年前、風俗店の扉前で会ったことがある。ある日僕は、赤いチョークで壁に線を引き続け、それが駅構内まで続いたため、駅員に取り押さえられた若者を目撃する。男は「作品を冒涜するのか」と怒っていた。「僕」は、外回りの山手線に乗って赤いチョークの線を探しに行く。この赤い線、7年前首藤と出会った風俗店のドアから伸びているのではないかと、奇妙なことを想像したからだ……。152 頁中、ここまででまだ36頁である。かくして小説は、われわれを現代の「迷路」へと誘っていくのだ。今後とも、こうした前衛風タッチで行くのか、毎回作風を変えるのかは不明だが、この新人には大いに期待したい。

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紙の本

なにやらおそろしい感じ(ネタバレしています)

2018/11/02 00:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:色鳥鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ストーリーはない・・・と思うが、紺色から始まって赤にたどり着く装丁が妙に怖かった。

赤いチョークをたどっていくと500円玉が転げだし、配線がどうのピアス男がどうの・・・と、あらすじを書くことはできないのですが、風俗店が関係すること、赤いチョークに赤いドア、血まみれの人間、救急隊員が登場することから、主人公は今から死ぬところなんじゃないかなあ。「ここではありません」の赤いドアを開けたらあの世にいっちゃうのかな、と。

読んでいて、思い出したのが映画『ドニー・ダーコ』。ストーリーはまったく違いますが、どちらもよく分からないなりに、死について考えさせられる物語。

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紙の本

日常にひそむ人間の怖さ

2001/05/22 21:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る

 芥川賞の候補にもなった、劇作家・演出家「宮沢章夫」の初の小説である。
 主人公である町村は大学4年の時の「虚学」のゼミで一緒だった首藤が殺人事件で逮捕されたことを知る。そして知り合いの週刊誌の記者から、首藤が弁護士に語ったという殺害の状況の報告を聞かされる。その語り口が虚学ゼミの教授の畝西にそっくりだったとことから過去を振り返り、一度池袋の風俗店に入ろうとしたときに、出てきた首藤にばったり出くわしたことを思い出す。そして、か細い記憶を頼りにその店「アブノーマル・レッド」を探しに行くことになる。日常にひそむ人間の怖さを描いた非常に不思議な小説である。
 しかしそこはそれ、やはり宮沢章夫である。例えば次のような一節。『「いまは池袋ですよ」よくわからない言葉だ。そもそも「いま」の意味がわからない。現在のことだろうが、「いまは朝の十時半です」と時間を報せてくれるのならいっこうに構わないが、「いま」と「地名」の組み合わせは何を意味しているのだろう。』
 彼ならこれをふくらませてエッセイを1本書けるだろう。

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紙の本

過去と巡り合う

2018/05/09 17:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

学生時代の過ちから、再び巡り合っていく人たちの姿が心に残りました。生きることの不条理さと共に、誰かとつながることの素晴らしさも感じました。

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紙の本

この世は何でも起こりえる

2002/03/27 01:34

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投稿者:椎名  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「生きているのか、死んでいるのかさえわからない。その曖昧さに耐えられるか」
 今更な問い。曖昧さに耐えるか、傷ついてぼろ切れのようになっても曖昧さを壊すか、選べるのはどちらかだ。戦線離脱もできるだろう。この本もそして「ピアニシモ」も、離脱でもなく曖昧さを壊すでもなく叫ぶことを選んだ。叫びたい。でも叫べる人はごくわずかだ。読んだ後、よく分からないと思った。だけどどんどん胸に話が言葉がシミのように広がった。心の中にずっしりと居座った何かを感じた。いつかこの気持ちは変えられるだろうか。
果たしてあなたは「今」、「ここ」にいると確信が持てますか? もう一つの「今」、「ここ」、そして「あなた」はいませんか?
 独特の筆致で気付いたら読み終えていました。笙野頼子の『タイムスリップ・コンビナート』と同様に、時が経ってからまた読み直したくなる本です。

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2005/12/04 02:35

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2006/07/31 16:43

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2007/12/15 20:55

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2009/12/04 21:37

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2010/02/02 19:04

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2013/05/11 16:37

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2015/06/13 01:55

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