紙の本
沢木氏でも間違うことが
2002/07/24 04:30
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投稿者:紗斗実 - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分自身の仕事としての「書く」ことについて、いろいろな体験、考えを述べている。
そんななかで面白かったのが、ノンフィクション作家としては本来してはならない、事実の間違った記述である。沢木氏だって、人間だ。間違いのひとつもあるだろう。だが、その間違いの内容がおかしい。沖縄のお茶の名前を、沖縄の言葉で「女性器」を表わす言葉と間違えて記述したり、実在していない人物を登場させてしまったり。
沢木氏には申し訳ないが、彼が言う「しばらくは思い出すたびに耳を塞いで大声をあげたくなるほどの恥ずかしさ」がわかるので、逆にそんな沢木氏を身近に感じられる、エピソードだった。
紙の本
入社の日、雨だった。だから会社をやめた。
2001/12/28 11:03
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投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
この人の肩に力の入っているような、でも全く入ってないような微妙なバランスがたまらない。人間として当然一本筋が通っているのだろう。でもけっして変な深刻さはない。
とくに印象に残ったのは、この人が会社を退社した日の話だ。入社の日が退社の日。雨のせいだった、という。なんだ、それでいいのか、とすごく気が楽になった。雨だからという理由で会社をやめる人間がこの世に存在するってことを知ることができただけでも、この本を読む価値があった。
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沢木氏の本。2000年。情報に対する考え方に賛成。今のネットの時代だと、無駄な情報が8割、9割くらいだろう。浅い多くの情報も良いが、深い少しの情報を身に着けることが大切。
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080412(n 080418)
080914(n 081102)
090924(a 091129)
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自分のエッセイが大学の試験問題にでることになり試しに解いてみたという内容で、「≪次の分を読んで、あとの問いに答えよ≫というかたちで自分の文章が問題になったものに眼を通してみると、まるで答えがわからない。≪右の文中の傍線Bで、筆者はどのようなことを言おうとしているのか≫と訊かれても選択肢にある五つの文章のどれも違う気がする。…」
という件(くだり)がありました。
つまり答えなんてないんです。 解釈は極めて自由。 なんの束縛もないからこそ生まれるものってすごく大事。
大事なのは自由に解釈することなんだよね。 社会に出て色んなものや人を見て思う。 人生色々、決まった道なんてない。 だからこそ尊重して、寛容にならなきゃいけない。
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ノンフィクション作家のエッセイ。
自分の昔を振り返り、恥をかいたことでも書けることに
真摯さを感じた。
次回はテロルの決算あたりを読んでみようか。
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1982年から10年間の間に書かれたエッセイや書評をまとめた本。『路上の視野』の続編という位置づけです。やはり僕にとって一番興味深く読めるのは、「第1部 夕陽が眼にしみる:歩く」。中でも「異国への視線」で展開されている小田実『何でも見てやろう』論、吉行淳之介『湿った空乾いた空』論は秀逸です。第3部に収録されている「彼の視線:近藤紘一」も、何だか泣けるなあ。
文庫本は、『路上の視野』同様3冊に分けてまとめられています。
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この本を100%楽しむにはインテリジェンスと沢木歴が短すぎる。もっとかしこくなったらもう一度読みたい。
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いい話がたくさん載ってる。タイトルどおり勉強はそれからだ。ある日老婆が死んだ。餓死だった。まもなくたってその床下から800万円が出てきた。このエピソードをどう考える?800万円も残して死ぬのだったらそれを全部使い切って豪快に遊んで死ぬ。という意見。老婆は貯蓄があったけどその800万円があることによって支えられてきた。そう考える意見。双方それぞれの考え方があってもちろん問題はない。だが問題はこの餓死が老婆にとってほんとうに哀れな死だったかをどの視点で考えてるかどうかだ。勉強っていうのは本来そういうもんであってほしい。と。
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ジャーナリスト、ルポルタージュという職業から、どのような人物を想像するだろうか。
「おもしろいこと」「珍しいこと」に顔を突っ込んでいくアクティブな人間をイメージするが、これが沢木耕太郎流に物事を観ていくと、驚くほど「静か」で「素朴」な面が浮かび上がってくる。
その「装飾」を極端に排して見つめて綴る文章には、まるで水や空気のように読者の体にすんなりしみこんでいく。
彼のように人生を歩んでいければ・・・そう思わせる数少ない尊敬する作家のひとりだ。