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涙が出るほど素晴らしく壊れた物語。これが遺作なんてなんて絵に描いたような正にブコウスキーの人生。彼かがいなかったらと思うとぞっとする。
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近年読んだ中での最高の作品。
作品の評価は、作品自体(投げ手)と読者(受け手)の両方で決まるのだと思うが、(・・・)パンク作家による探偵物で、探してるのがセリーヌ。亜空間小説の最高傑作だ
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くだらねー(笑)。くだらないことをくだらないままに、正直に書く。その潔さにおいて、この馬鹿馬鹿しいハードボイルド?小説は、妙に爽やかだ。
赤い雀を探せと依頼する謎の男、死んだはずの作家セリーヌを探しだせという「死の貴婦人」、私に憑りついている宇宙人を何とかして、と頼む葬儀屋、そして、これらの依頼を引き受ける自称「L.A.1の名探偵」・・・。
ふざけた連中とふざけた事件。痰のように吐き捨てられた汚い言葉の中に潜むとりあえずの真理。
頭、空っぽにして楽しもう。その方が夢を詰め込めるらしいし(笑)。
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幸運読書航海記。ブコウスキーの入り口はこの「パルプ」であった。古本屋でセリーヌを見かけるくだりがなんとも魅力的であった。それから挿絵の妙とあいまってブコウスキーの幻影を追い強烈な深みに落ちた。一時期一日中ブコウスキーのことばかり考え語っていた。わたしのかんじ方など他者に何の意味もないのは分かっているのだし、私が面白かったので誰だかわからないアナタもどうぞなんて無意味な大味はないものだ。だからこれ以上は語らないけれども、わたしに語りかけてくる人がいたら大変に嬉しいことだろうとは思う。・・・薬篭に老いて死にけり冬の蝿。蕪村。ブコウスキー本体も窯変しやがて終局したのであるがそれを感じる私も毎日変節し続けている。色々な哀切を経過し超光速で忘却していくのだろうケレドモ、幸運なことに出発点がこの「パルプ」であることが分かっているので便利この上ないと思っている。
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表層はめちゃくちゃ、荒唐無稽、ちぐはぐで混乱させられるようなものばかりだ。
SFみたいに起こりそうもないことが起こり、
妙な因果で物事は繋がって、奇妙な事実へと続いていく。
でも本当に描いていることは、きっと、
僕らのよくわからない人生の断片。
虚構でそれを際だたせて、
ブコウスキーはまた、腐った人生の中で光る希望を紡いでくれる。
だから好きなんだ。
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ディテクテヴ・ストーリーの枠組みを借りつつもそんな枠組みをものともせずに打ち破る。格好いいというかお間抜けというかいずれにせよ確信犯で、中原昌也の作品を読んだ時のようなはぐらされ感ずらされ感が素晴らしい。
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この作品こそブコウスキーの最高傑作だ!という方は多いんじゃなかろうか。自分もそうだ。
2016年の不穏で嫌で生きづらい現世にぴったりのフレーズがバンバン飛び出す。そう、セリーヌの「夜の果てへの旅」や「なしくずしの死」のようなフレーズが。
セリーヌの上述作品が好きならぜひ読んでいただきたい。なによりこちらの方がページ数少なくてリーダブルだぞ。
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安っぽさがいい。
孤独なはずなのに、誰も放っておいてくれない。
宇宙人とか、死神とか、の同居の仕方。
村上春樹的。
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ストーリーはハチャメチャで、SFちっくでもある
これが散文小説というものでブコウスキーの持ち味なのかな
ブコウスキーの作品の特徴をいまいち理解していないけど、これはこれで楽しめた
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街でいちばんの美女が好きだったから、これには入りが悪かったけど、とにかくだめ探偵がじたばたするファンタジー小説だったのね。後半はそのノリにやっとついていけて、面白かった。多和田葉子の『かかとを失くして』をなぜか思い出した。あのとんでもないエンディングと、ちょっと道行きが似ていないこともないんじゃない?
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初ブコウスキー。
愛すべきブコウスキー。
彼の生きるスタンスが最高ですね。
ある意味、人生の一端が見事に表されている。
人生ってそういうものなんですよね。
言うほど、楽しいものでもない。
でもそうペシミスティックになるほどでもない。
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1年前に半分まで読んでセリフ回しが下品で挫折
1年後の今読んでみたらビレーンはこういうキャラなんだと
理解した途端、案外クセになり一気に1日で読んでしまいました。
慣れたらおもしろいです
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こいつはいいなあ。
私立探偵が浮気調査を行いつつ、地球の危機を救ったりするストーリー、いや筋立ての説明なんか意味がないから止めよう。この最高にくだらない本を、手に取る運を持っていたことに、感謝したい気分。
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高齢の作家なのにこういうちゃらんぽらんな話を書けるのはすごいと思った。免許証でコイツ本物のセリーヌでやんの! ってのは不意打ちで笑った。でもそうやってちょいちょい辻褄を合わせちゃうのは逆にもったいない気もした。
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圧倒的なまでの最低さ。ハードボイルドに仕立てたはずが殻を割ってみればぐずぐずの中身が毀れ汚しちまったような、セリーヌも宇宙人も出てくるこのカストリ雑誌に連載されていてもおかしくない三文娯楽探偵小説。相も変わらず酒と女と競馬に芯まで浸かり切ったその不愛想さは軽妙かつ噴飯ものだが、遺作であるが故の感傷を拒絶するだけの気高さも不思議と感じてしまう。そう、ブコウスキーはいつだってブコウスキーだった。死をポケットに入れて生きてきた。乾ききった諦観から絞り出される、誰にも奪えやしない生の美しさ。最低なまでに最高だ。