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ふと思い浮かんで再読してみましたが、少々時期が悪かったか、通勤の合間に読む本ではそもそもなかったか、あまり良い印象を持てなかった。
それにやっぱり訳がなぁ、、、原作で読めばと一蹴されるだけだがいまいち。
例えば「茶碗」って訳しちゃだめでしょ、時代がそうさせているのかもしれないがやっぱりこういうところは作家でないから仕方ないのかも。
ただ一旦読み終わった後に幾つかの章を再読したら印象が違う部分がある、世界の古典の底力ってやつです。
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同じ新潮文庫から新訳もでているが,昔読んだ古い訳でもう一度読みたかったのでアマゾンのマーケットプレイスで購入。
かつて一度だけ読んだのは中学校2年生の時で,内容について憶えていることといったら,ヒースの花咲くイングランドの田舎の一軒家が舞台でヒースクリフという悪魔のような男が出てきたってことだけ。ただひたすらヒースクリフが恐ろしく,やたらと人が死に,暗く鬱々とした空気が物語を包み,しかし相対するようにイングランドの自然描写が魅力的だったということが印象に残っていて,その両方をもう一度味わいたいと長年思っていたが,この本に手を伸ばすには何だか覚悟が必要だった。気楽に読むわけにはいかないという感じで。ヒースクリフの毒気に耐えなければならないという気持ちで。
『嵐が丘』は究極の恋愛だなんて言われるが,私には悪魔の生まれ変わりたるキャサリン母とヒースクリフが周囲を不幸にする話にしか見えなかったりする。ヒースクリフの死に方は勿論異常だけれど,キャサリン母だって相当なものだ。「あたしはヒースクリフです!」とか,情熱的を通り越して気が狂っているし。二人の幽霊はきっといるに違いない。酷い育ち方をしたはずのヘアトンが好青年であることが,私にはただ一つの救いのように思われた。
とりあえず一度読み返して満足はしたものの,もう一度くらい別の訳で読んでみたい気がする。
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2014.10.22(水)〜上巻 P.22
「人間嫌い」
人は己の性向と似た他者に親しみを覚える「引力」に導かれる。特に己よりその質がはっきりしている者に対して理解を示したい傾向がある。田舎と人間嫌いはセットで考え得る世の真理なのだろうか。希望を持って都会に向かい、其処で人間関係に傷付いた者が、人間不信に陥り田舎に引っ込んで、失念の元で狂ったように復讐を誓い、新たに暮らしを再開する構図は、自然な定め、生命的法則のように思われる。
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ヨークシャーを旅する前にと読み始めましたが、旅行後に読了。最新の翻訳は評判がイマイチなので、敢えてこちらの版を選択。女流作家の描いた恋愛小説と思いきや、とっても激しい展開で引き込まれました。さわりの部分で出てくる子供の亡霊がキャサリン・アーンショウでなくキャサリン・リントンを名乗ったのが不思議だけれど、20年間も彷徨っていたんだから、お母さんの方だと納得しました。ヒースクリフではなくリントンと結婚したことを、ムーアで迷ったけど家に帰ったから中に入れて、だんなんて言っちゃうのが凄い。女は亡霊も怖い。
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ずっと本棚に置きっぱなしになっていた小説。古いイギリスの小説らしく、主従関係や異民族を見下すのが当然という風習をベースに登場人物間の愛憎が繰り広げられていて、時折その表現の露骨さや登場人物の吐くセリフに生理的嫌悪感を催すこともありますが、読み応えのある小説です。
200年ぐらい前の小説を読むと、多くの場合は単に時系列で話が進んでいって、登場人物も時間軸に応じてどんどん入れ替わることがあるのですが、この作品はかなり人間関係が複雑。そのうえ、一応はこの小説の主な登場人物の一人であるはずのロックウッド氏の生きている時の数十年前の時代が小説の軸であり、その軸の部分を語るのがロックウッド氏の仮住まいに仕える女中、ネリーであるという入れ子構造が、この小説の階層を厚みのあるものにしています。
ネリーは、ストーリーの多くに関わってはいたものの、嵐が丘に住んでいるヒースクリフやヘアトン・アーンショーやキャサリン・リントン、かつてそこに住んでいたヒンドリー・アーンショーやリントン・ヒースクリフ、さらにロックウッド氏が借りているスラシュクロス邸にかつて住んでいたエドガー・リントンやキャサリン・リントン(母)、イザベラ・リントンに比べると、少しだけ人間関係の枠の外にいる立場です。その立場から、第三者の視点で物語を語っているため、「自分で見たこと以外は分からない」という話し方になります。今の小説では普通の手法だと思いますが、昔の小説でこのパターンを取るものはあまり多くない気がします。その分、語り手であるネリーの推測なども恐らく混じっているはずで、そこに人間臭さというか、不完全な語り手の妙が感じられます。
上巻は、アーンショー家にジプシーの子であるヒースクリフが拾われ、ヒースクリフとキャサリンの友情が育まれる一方でヒースクリフとヒンドリー・アーンショー、エドガー・リントン、イザベラ・リントンと諍いが生じていった少年期がまず展開されます。そして、長じたヒースクリフとキャサリン・アーンショウがお互いを愛し、必要としながらも、身分の違いからキャサリンがエドガー・リントンを夫とし、それに絶望したヒースクリフが失踪した時期、さらに数年後にどこかで富を蓄えたヒースクリフが嵐が丘に戻り、ヒンドリーやその息子であるヘアトン、キャサリンを奪ったエドガー、そして自分を裏切った愛憎入り混じるキャサリンへの復讐を始める時代へと展開していきます。上巻の最後にキャサリンは発狂して死に、お腹の中にいた赤子は助かって母親と同じキャサリンという名を与えられたことまでが述べられています。
下巻でヒースクリフの復讐と愛情、憎しみがさらにどのように進んでいくのか。ワクワクする楽しみではなく、暗い楽しみではありますが、下巻のストーリーにも期待しています。
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人間関係が狭すぎるが故の愛憎、思い入れの濃さ、逃げられなさ…。その人しかいない、という気持ちの強さの表現は凄い。
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素晴らしい作品
作品の強さに圧倒され読み終わったのちしばらく放心状態となりました。
3日経った今でも感動の余韻は続いています。
翻訳家によって多少雰囲気が変わる様ですね。
他でも読んでみたいと思います。
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狭い世界で育った故の選民意識や軽蔑や無学を馬鹿にする描写がとても上手いと思った。
読む度に全ての登場人物に感情移入してしまい、疲れてしまうくらいに全ての人々の人生がくっきり詰まっていて面白かった。