紙の本
日本語オリジナル短編集
2019/10/23 22:35
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んだのは徳間文庫版。それがちくま文庫から再刊される際に1篇を削り4篇を追加した。徳間文庫版を読んだのは随分昔だが今でも持っている。それはブラッドベリ初読というよりも心に焼き付いて手放すことができなかったため。内容はファンタジー、ホラー色が色濃く何といっても感性の瑞々しさが溢れているようだ。決して感傷的なばかりではない。個人的には『青い蝋燭』『草の葉』あたりがかなり気に入っている(結末は苦い)。出来不出来で云々するより、こうしたブラッドベリ初期の短編は、こうしたセレクションから漏れた落ち葉拾いのものも含めて、出来不出来があったとしても素晴らしいと思う。間違いなく唯一無二のもの。蛇足だが、ちくま文庫版で追加された4篇も、こんな作品もあったのかと感心させられた。まだ買えるうちに買うべし。
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初期短編集だそうで、眩しい。
■振子
タイムマシン実験に失敗して振り子に閉じ込められる。まんまです。
■青い蝋燭
ウェルズの「水晶の卵」とか「魔法の店」のノリです。オチはブラック。
■火星の笛吹き
木星人が火星を植民地してます。いつのことだか。
■偽装大作戦
惑星規模での「死んだふり」?むしろ「かくれんぼ」かな。
■死体回収ロケット ■よみがえるラザルス
この二つ、同じような設定。オチは見えたまんま。
■海中の監視者
人魚というより、闘う僧兵の海中バージョンw
■防衛機能
スペースマンは神経強靭が必須では??ヘタレめ~
■宇宙のヒッチハイカー
磁力でロケットにひっついて宇宙旅行。いい時代だなあ!
■ロケット・サマー
大芝居~。こんなんでロケット開発は止められるのか??
■未来を救った男
フィニイの「愛の手紙」の引き出しがタイプライターになりました。タイムマシンで帰ってきたら”裏返ってる”って、どんなんよ^^;常野物語かい。
■苛立った人々
すご~く馬鹿馬鹿しいんだけど、でもとってもおかしい!スラプスティックかな?こんなお茶目な一面があったとは。
■木星行きの予言者 職人の意地?
■地球のはぐれ者 適材適所?
■火星の足跡 男性って、まったく・・・
■草の葉
ロボットだけの世界に、敢えてホイットマンの人間賛歌の詩のタイトルをもってくる辺り。
■天国への短い旅
時代がどんなに変化しても宗教心は不変?
■名前の付いた弾丸 オチが落語みたい^^
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ブラッドベリの初期短編集。ちくま文庫からは『お菓子の髑髏』という、矢張り初期短編の選集が刊行されているが、本書はSF、『お菓子〜』はミステリと、各々テーマが異なっている。
宇宙や地球以外の天体を舞台にしていても、叙情性は変わらず。寧ろ雰囲気の共通する短編を生涯書き続けたというところにブラッドベリの凄味があるのではないだろうか。
『よみがえるラザルス』『海底の監視者』が好みだった。
余談だが、解説は服部まゆみ。最近、角川文庫で代表作が復刊されているが、意外なところで名前を見かけて嬉しくなった。