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紙の本
不思議な世界が、何ともなく現実に結びついてるのが凄いです
2023/06/29 16:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
何て言うんだろうか。 ファンタジーとか、異世界とか、 そういうのとはまた違って、現実感があるんだけど、 どこか現実離れを感じさせる不思議な世界観の詰まった一冊です。
電子書籍
言葉に出来ないもの。 言い表せない空気のようなもの。 誰にも見えないけれど、誰もが共感できる何か。 だから、村上春樹は世界で読まれている。 そして、村上春樹をまた読みたくなる。
2023/01/11 11:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
1980年代終盤から1990年代初頭にかけての作品集。
電話はダイヤル式。
テレビは大きな立方体。
昭和の終わりと平成の始まり。
21世紀へ向けての期待感と空虚感。
「TVピープル」
我が家にやってきた「TVピープル」。勝手にテレビを設置して去ってしまった。だが、妻はそれに気づかない。雑誌の並びが変わるだけでも敏感なはずなのに。
3人組の彼らは、会社にまでやってくる。でも私以外は誰も気づかない。
「飛行機--あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」
20歳の彼は、7歳年上の彼女の家にいる。彼女には夫も子供もいる。
彼女は彼の「ひとりごと」を指摘する。
「人の心というのは、深い井戸みたいなものじゃないかって思うの。何が底にあるかは誰にもわからない。ときどきそこから浮かびあがってくるものの形から想像するしかないのよ」
「我らの時代のフォークロア--高度資本主義前史」
高校時代の同級生と中部イタリアのルッカで再会した。
ミスタークリーンといわれた優等生は、ミスクリーンといわれた美女とつきあっていた。
その時の告白が思わぬ形でされる。
「加納クレタ」
「水の音を聴く仕事」をする姉のマルタの手伝いをしている。
ある理由から、世間と断絶して生活していた彼女に、訪問者がやってくる。
「ゾンビ」
男は女に語る。
彼女のがにまたを。右の耳のすぐ内側のほくろを。わきがを。ブラウスの裾の汚れを。似合わないイヤリングを。
もうやめて! その先にあるものは……。
「眠り」
彼女は全く眠れなくなった。
眠れなくなって17日。
疲れない。
むしろ、頭が冴え渡る。
与えられた時間に、彼女は読書を続ける。
トルストイのアンナ・カレーニナの世界にどっぷりと浸っていく。
言葉に出来ないもの。
言い表せない空気のようなもの。
誰にも見えないけれど、誰もが共感できる何かが描かれている。
だから、村上春樹は世界で読まれている。
そして、村上春樹をまた読みたくなるのだ。
紙の本
言葉に出来ないもの。 言い表せない空気のようなもの。 誰にも見えないけれど、誰もが共感できる何か。 だから、村上春樹は世界で読まれている。 そして、村上春樹をまた読みたくなる。
2021/11/03 07:22
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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
1980年代終盤から1990年代初頭にかけての作品集。
電話はダイヤル式。
テレビは大きな立方体。
昭和の終わりと平成の始まり。
21世紀へ向けての期待感と空虚感。
「TVピープル」
我が家にやってきた「TVピープル」。勝手にテレビを設置して去ってしまった。だが、妻はそれに気づかない。雑誌の並びが変わるだけでも敏感なはずなのに。
3人組の彼らは、会社にまでやってくる。でも私以外は誰も気づかない。
「飛行機--あるいは彼はいかにして詩を読むようにひとりごとを言ったか」
20歳の彼は、7歳年上の彼女の家にいる。彼女には夫も子供もいる。
彼女は彼の「ひとりごと」を指摘する。
「人の心というのは、深い井戸みたいなものじゃないかって思うの。何が底にあるかは誰にもわからない。ときどきそこから浮かびあがってくるものの形から想像するしかないのよ」
「我らの時代のフォークロア--高度資本主義前史」
高校時代の同級生と中部イタリアのルッカで再会した。
ミスタークリーンといわれた優等生は、ミスクリーンといわれた美女とつきあっていた。
その時の告白が思わぬ形でされる。
「加納クレタ」
「水の音を聴く仕事」をする姉のマルタの手伝いをしている。
ある理由から、世間と断絶して生活していた彼女に、訪問者がやってくる。
「ゾンビ」
男は女に語る。
彼女のがにまたを。右の耳のすぐ内側のほくろを。わきがを。ブラウスの裾の汚れを。似合わないイヤリングを。
もうやめて! その先にあるものは……。
「眠り」
彼女は全く眠れなくなった。
眠れなくなって17日。
疲れない。
むしろ、頭が冴え渡る。
与えられた時間に、彼女は読書を続ける。
トルストイのアンナ・カレーニナの世界にどっぷりと浸っていく。
言葉に出来ないもの。
言い表せない空気のようなもの。
誰にも見えないけれど、誰もが共感できる何かが描かれている。
だから、村上春樹は世界で読まれている。
そして、村上春樹をまた読みたくなるのだ。
紙の本
アンナカレーニナの話、まったく同感
2021/06/27 22:38
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「加納クレタ」というタイトルを見て、あれどこかでと思っていたら、そうだ、「ねじまき鳥クロニクル」に登場した占い師・加納マルタの妹だったと思い出した、そういえばあの作品には1Q84の嫌な男、牛河も登場していた。私が村上氏の作品が好きでたまらないのは、彼にしかできない比喩があるからかもしれない、平面的で、抑揚のない声のことを「ホテルで使うカード式のプラスティック・キイのような声」(TVピープル)、客観的に結婚生活を語る元彼女について「交通規則や日付変更線について話すみたいに」(飛行機・・)のような。また、今回、同感したのは「アンナ・カレーニナ」でなかなか主人公が登場しなくて、オブロンスキーなんていうつまらない人物の描写が長々と続くという描写(眠り)、作者も言うとおり、当時の人にはたっぷりと読書をする時間があったのかもしれない