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吉川英治文学賞受賞作品。大石内蔵助の妻の視点から、家老としての大石、忠臣蔵事件、討ち入り、その後の子供たちのことなどが細かく書かれている。どれも回想という方法で書かれているため、抑えた感情が行間からにじみ出てくるような印象がある。武士の妻というのは辛いというのが第一印象。もっとも、有名な父、兄を持ってしまった出来損ないの息子も辛いですが。【2007年4月20日読了】
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赤穂四十七士の大石内蔵助を知らない人はいないでしょうが、これはその妻の一生をフィーチャーした物語。しかしまあ不幸だよね。私なら浅野の殿様を恨むわ。。。平穏だった日常が、殿様が殿中で起した刀傷事件で切腹、御家取り潰し。。敵討ちは果たしたものの、夫と長男が切腹。その後も周囲の支えに恵まれる面もあるにはあるが、、不幸な女の一生であることは間違いない。おなじ女として重く読ませていただきました。史実も詳しくお調べになったようで、登場人物の人間関係や係累のことなども資料集として使えそうなくらい詳しい。でもなぁ。善悪はっきりとした人物像を描く方だと思ってたけど、この物語に関しては、誰に対しても煮え切らないいやな印象が残る。唯一心から尊敬できるのはりくの父かな。婿のことを最後までたててるもんね。あとは内蔵助だって女癖がやなかんじだし、りくも、良妻賢母の典型とおもいきや、晩年がねぇ。。。大三郎が堕落しはじめたときに自分が至らないだけで息子は悪くないとばかりに庇うでしょ、、、そのあたりから「ええええΣ(゚Д゚;なぜ!!!???」 。何をやっても父の影から出られない大三郎の苦悩は痛いほどわかるんだけどねぇ。息子がバカやりはじめたら、頬を張って泣いて叱るのが母じゃないのか。そして、周囲がなんといおうと、母親だけは、「父のように、父を辱めないように」などと息子にプレッシャーをかけず、「あなたはあなただから大丈夫、ほかの人は放っておきなさい、私だけはわかっている」という目線で味方になってやれなかったのか。そこがおなじ母として全く理解できない。子獅子を突き落とすには遅すぎるよ、自分を信じて生きる芯を奪ったあとなのに。うーん。まあ、忠義の美談として語られがちな赤穂浪士の討ち入りの顛末、こうして、浅野側の家臣の妻子という視点から物語を見ると、ぜんぜん違ってみえるね。結局は浅野の殿様が短慮だったと責めたくなるわ。この方にあともうすこし我慢があれば、多くの人は不幸の底を見ずにすんだのにね。。。でも、この事件があったからこそ、その後浄瑠璃やドラマやらで国民に愛される美談が生み出されたのも皮肉な事実だけどさ。まあこういう視点で考えさせられたこと自体新鮮だったから読み物としては面白かった。
↓これは読んでないんだけど
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主人公「左保子」の一生を花となぞらえて書かれたまたまた女の一生もの。
田舎の旅館で育つが母親が画家と駆け落ち、一緒につれていかれ、画家が死に、母が自殺し地元に帰る。。けど当然なじめずまた東京へ。
陶芸家夫妻によくしてもらい〜エリートな男に求婚されて結婚、セレブ生活を送るけど、死んだ画家の息子宋太郎にも求愛されて。。みたいな。
そんな上手くいくかいな。。と突っ込みたくなるし
平岩さんの「女の」系読んでたらだいたいパターンは読めるので驚きは時にない。でもまあ面白い。というのは一条ゆかりの漫画みたいです。設定やパターンは一緒なのに面白く読めるっていうね(笑)
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日本人ならおそらく誰でも知っている『忠臣蔵・大石内蔵助』の妻の生涯を描いた小説。実歴史はどうだったか分からないけれど、立派すぎる親を持つと子供は大変だなと思った。
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大石内蔵助の妻りくの嫁入り後の半生を描く。遺子大三郎の行状に手を焼きながらも共感する母親に胸に迫るものがある。2018.1.24