紙の本
バッドトリップをどうぞ
2001/07/04 19:00
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投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラッグを使わずともトリップすることは可能です。ただしこの短篇集がもたらしてくれるのはバッド・トリップなのですが…。あまり熟読すると学校や会社へ行くのが嫌になるでしょう。
「ユダヤ系青二才」は題名からして島田雅彦チックですが、移民やマイノリティーに共感を持っている彼ならではのストーリーの政治的?展開が楽しめます。『神曲』というゲームは1日2時間かけてもクリアーに半年は要するらしいんですが、ダンテファンならやってみたくなりますよね。
天使が地上に降りてくるという「砂漠のイルカ」は『ベルリン天使の詩』のようなファンタジー。それにしても理屈っぽい天使です。この語り手もブルーノ・ガンツのような顔をしているのでしょうか。
これぞ島田節の「優雅な野良犬」は悪意爆発! 倫理も道徳もぶっ飛ばし、シニカルな笑みをたたえて去ってゆく青二才。人間見た目ではありません。破天荒に見えるロック歌手より、物静かな付き人の方が怖いのです。注:読後感悪し
続き
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短編集。
どの作品も相当クオリティーが高い。
彼の短編集の中では一番のできなのではないでしょうか。
初期中期の長編に見られる作品途中の息切れ感もなく、一番いい状態でテンションが保たれて書かれています。
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実は「アルマジロ王」は読んでいません(笑)
最後に収載されている実話(題名は忘れました)だけ読みました。
私の高校時代の政経担当の先生が島田雅彦氏と友人で、授業中にこの最後の話の一部を聞いて購入しました。
内容は、餓死自殺する人の日記です。
この自殺してしまう人は、最後に一言だけ日記を綴っているのですが、この最後の一言に衝撃を受けました。
なぜこの方が餓死自殺を選んだのかは全くわかりません。
ただ克明に記される事実。
確か1カ月ちょっとくらいの日記だったと思いますが、短いのでさくっと読めます。こういった類が嫌いな人にはオススメできませんが、一読し、自分の人生を省みるにはいいものだと思います。
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まだ読書途中であるが(しかも短編を虫のように食いすすんでいる)、
断食少年・青春
と
ミイラになるまで
は傑作であると手放しに誉めたたえたい。
断食の快楽、それはやったものにしかわからないし、体が清らになり脳が鋭利になるあの感覚をなかなかどうして見事に(75〜90点)書きあらわしている。
そして断食少年・青春での「ペニスを叱ってやりたい気分だった」のこの一文のかわいらしさよ。
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島田雅彦らしい短編集だった。登場人物はみんな変わり者で、世界を独特の視点から見ている。
断食に関する話がふたつも入っている。この短編集は、ラストに断食を行う『自由死刑』にもつながっているみたいだ。
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雑多な短編集にみえて、コンセプトを感じる空気。
作者の当時の思想やチャレンジしたい事が色濃く反映され、表題作は正直ナンセンスだったが、『チェルノディルカ』、『ミイラになるまで』等意欲的で惹かれる作品もあり。
初期と比べクセが取れ文体はシェイプアップされた感がある。
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島田雅彦はなぜか何冊も読んでるけど、おじさんくさくなった最近の本より青臭いわけのわからない、このくらいの年齢の本の方が好きだなぁ
ミイラになるまでは自由死刑の最後と似てる。著者は断食とかミイラに興味があったのかしら?
アルマジロ王はそれでもよく分からなかった