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アメリカン・サイコ 上 みんなのレビュー
- ブレット・イーストン・エリス (著), 小川 高義 (訳)
- 税込価格:649円(5pt)
- 出版社:角川書店
- 発行年月:1995.2
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文庫
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紙の本
映画よりダンゼン面白い原作
2001/02/19 09:34
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はクリスチャン・ベールが主演で映画化されたが、映画はブランド品で身を固めるヤッピーが裏では残虐な女殺しをする、というストーリーにまとめられ、「ファイト・クラブ」の二番煎じの印象を与える。でもそれは、この小説の大切なところを見逃している。大切なのは、物質主義の人間がドス黒い内面を抱えているという“テーマ”ではなく、主人公がファッションやオーディオ機器のブランド名をダラダラと羅列するのと全く同じように、女殺しの残虐な手口をダラダラと羅列するという“文体”にある。
この上巻ではレストランやファッションについての主人公の独白がメインとなり、かれの残虐性を示す記述はとても微妙な形でしか現れない。フトした瞬間に洋服についた血に気付いたり、あるいは浮浪者をおちょくったりと、読者にジワリジワリと期待を持たせながら下巻に続く。
紙の本
映画化されて原作が売れるパターンの例外
2001/03/31 09:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:katokt - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画から原作を手にする人の期待を100%裏切る本。多くの人は、そもそも原作を手にしようと思わないか。
ブランドと連続殺人だけに着目して現代の病気を映し出す鏡、みたいな解説は笑止なんだよなぁ。こういう風に、いわば自分自身に対してだけしか、しかも表面だけを饒舌に語らずにはいられない長編を楽しめそうな人だけにお奨め。だらだらと続いていく終わりなき長編にこそ物語の魅力を再確認できるのだが。
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