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宇野千代さん著。昭和初期の画家が恋に狂いながらも、人生を繋ぎとめようとする。遊びきれてない方は晩婚がいいのに…なんて概念はこの時代になかったのでしょうか?
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明治~大正の香りがする。一時期この時代の小説にはまっていた事を思い出した。例えば細雪のような。言葉が美しくて心地が良い。
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初・宇野千代
丸谷才一氏のエッセイで紹介されていたので読んでみました、思っていたほど読みにくくはなかった。どろどろした男と女の修羅場や駆け引きを想像していたから。
抑え気味で、内なる情熱の炎を背後に感じさせるようで、こちらはテンポよく読め読後も悪くなかった。違う作品も読んでみよう。
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洋画家の東郷青児をモデルに書いている。宇野千代は一時期彼の愛人であったそうだ。ある女性と自殺を図るが二人とも助かり、妻とは別れ宇野千代とも別れて自殺を図った女性と結局結婚する。東郷は奔放な人生を送っていた。
おはんに比べると現代的で読みやすかった。
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まあ、ふつうなら読まない本だ。いま「源氏物語」を原文で読む勉強会に参加しているが、そこで先生が宇野千代はおもしろいとすすめてくれた。改行がなく小さな文字がぎっしりつまっており、だれも読みたがらないだろうとのことだった。他に借りたい人もいなさそうだったので、「じゃあ」ということで借りて読み始めた。最初から、たいして退屈もせずに読み進めた。はじめは借り物の本だしと思って家の中だけで読んでいた。けれど、嵐の中、女のいる別荘に向かうあたりからおもしろすぎて、通勤途中の電車の中でも読んだ。つまらない本だと、すぐ居眠りをしてしまうのだが、本書は往復1時間半、完全にその中に引き込まれていた。電車を降りてからもしばらくはホームで続きを読んだ。まあ、それくらいおもしろかったというわけです。最後は心中。けれど・・・。東郷青児がモデルのほぼ実話とのこと。事実は小説より奇なりということ。ところで、嵐の中、別荘に向かう件、先生はマンガのようだとおっしゃっていたが、私は思いっきり感情移入して読んだ。理性ではわかっている。でも、どうしようもないことってあるんですよね。源氏が藤壺に会いたくて会いたくて仕方なかったという気持ちも、同じようによく分かるような気がする。