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鶴見俊輔が選んだ十八篇の名文
2022/01/24 15:54
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投稿者:aki - この投稿者のレビュー一覧を見る
鶴見俊輔が66歳のときに,老いていくことへの準備として,老いの生き方のヒントになる十八篇のエッセイを選んだもの。母の認知症について書かれた,真野さよの『黄昏記』などは自分もこうなるのかと身につまされる感じがした。
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、注文したこの本が届き唖然とした。前に買った本だった。18人の名文家による随筆集だったから、内容の記憶は少しあったが編者の記憶が無かった。本の名前は、「老いの生きかた」(ちくま文庫:鶴見俊輔編 1997年第1刷発行)だったので笑った。最近、こんな失敗が増えている。スーパーに行くと、別に理由は無いのに、玉子とか辛子やワサビに手が出てママヨさんに注意される。この「何気なく」というか、考えない行動が少しづつ増えている。反面、考えることが苦手になっている。
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著者66才時の「老いること」への古今東西の文章のエッセンス集。森於菟の「耄碌寸前」が味わい深く、父鴎外が死去した61才から10年を超えた71才時に、「私は死を手なずけながら死に向かって一歩一歩近づいていこうと思う」との意志が鮮明である。そして「若者たちよ、諸君がみているものは人生ではない。それは諸君の生理であり、血であり、増殖する細胞なのだ」と老いた自己を峻別する冷厳な視点が印象に残った。
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「老いの生きかた」鶴見俊輔編、ちくま文庫、1997.09.24
202p ¥588 C0195 (2021.08.02読了)(2021.07.31拝借)(2011.04.15/6刷)
【目次】
未知の領域にむかって(鶴見俊輔)
柳先生(中勘助)
『黄昏記』より(真野さよ)
生命の酒樽(山田稔)
最晩期の斎藤茂吉(鮎川信夫)
幸せな男(高森和子)
ジジババ合戦、最後の逆転(富士正晴)
分別は老熟につきもの(キケロ・吉田正通訳)
若さと老年と(金子光晴)
老齢は強力な病気(モンテーニュ・原二郎訳)
要約すると(モーム・中村能三訳)
七十歳の自画像(サルトル・海老坂武訳)
あととさき(室生犀星)
耄碌寸前(森於菟)
現在高(幸田文)
小さくなる親(串田孫一)
おいしい仔犬(戸井田道三)
巣箱(野上弥生子)
年齢のこと(天野忠)
収録作品覚書
☆関連図書(既読)
「語りつぐ戦後史(上)」鶴見俊輔著、講談社文庫、1975.08.15
「語りつぐ戦後史(下)」鶴見俊輔著、講談社文庫、1975.09.15
「グアダルーペの聖母」鶴見俊輔著、筑摩書房、1976.07.15
「思い出袋」鶴見俊輔著、岩波新書、2010.03.19
「銀の匙」中勘助著、岩波文庫、1935.11.30
「齋藤孝特別授業『銀の匙』」齋藤孝著、NHK出版、2018.03.30
「豪姫」富士正晴著、新潮文庫、1991.04.25
「エセー(一)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1965.05.16
「エセー(二)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1965.11.16
「エセー(三)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1966.01.16
「エセー(四)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1966.10.16
「エセー(五)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1967.09.16
「エセー(六)」モンテーニュ著・原二郎訳、岩波文庫、1967.10.16
「モンテーニュ」原二郎著、岩波新書、1980.05.20
「月と六ペンス」サマセット・モーム著・中野好夫訳、新潮文庫、1959.09.25
「実存主義とは何か」サルトル著・伊吹武彦訳、人文書院、1955.07.30
「水いらず」サルトル著・伊吹武彦訳、新潮文庫、1971.01.25
「悪魔と神」サルトル著・生島遼一訳、新潮文庫、1971.12.25
「革命か反抗か―カミュ=サルトル論争」カミュ・サルトル著・佐藤朔訳、新潮文庫、1969.12.02
「サルトル」海老坂武著、岩波新書、2005.05.20
「サルトル『実存主義とは何か』」海老坂武著、NHK出版、2015.11.01
「幼年時代・あにいもうと」室生犀星著、新潮文庫、1955.03.15
「崩れ」幸田文著、講談社文庫、1994.10.15
「木」幸田文著、新潮文庫、1995.12.01
「ブラック」串田孫一著、新潮美術文庫、1975.10.20
(「BOOK」データベースより)amazon
年のとりかたは人さまざま。でもよりよく老いる道すじを選びたい。限られた時間の中で、いかに充実した人生を過ごすかを探る十八篇の名文。来るべき日にむけて考えるヒントになるエッセイ集。
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老いとの向き合い方は皆違うが、それまでの生き様そのものだと感じた。
高森和子の「幸せな男」がいい。電車の中で危うく嗚咽を漏らしそうになったので注意!