紙の本
この幅の広さが北村薫
2001/09/07 02:27
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投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る
基本的に北村薫は純正のミステリから、ちょっとミステリ風味の物語を書く人なのだけど、これは全然そういうものとは毛色が違ってものすごく普通の短編が、けれども北村薫の流麗な文章で連ねられている。ああ、なるほどこういうものを書きますかって印象。意外ではなくて、すとんと入って来た。
一番北村薫だなぁと思うのは「はるか」。女子高生の憎めなさというか爛漫さがいいなぁと思う。一時期北村氏は実は女子大生では?? などと言われていたのだけど、さもありなんと頷けてしまう話なのだ。わたし自身は女子高生だったことあるけど、こういうの書けないんだよなぁ……。
「くらげ」はちょっと星新一テイストのブラックなSFもの。個人空調装置。つまり個人用のエアコンが空前の大ヒット、そのうち職場でも学校でもみんなしてエアコン被って歩いちゃうのだ! しかも空気清浄機も付いてるすぐれもの。ラストは寒々しい感じがするんだけど、でも夏が鬼門なわたしには大変嬉しい商品なので、誰か開発してください。これがあったら、ご飯時に隣で煙草ふかしてても文句言わないからさ。
そして一番好きなのは「ものがたり」です。なんかねえ、ああいいなぁって思う。気持ちを遠回しにしか告げられないのが。でもばればれなのが微笑ましいね。
それぞれ短い話なので、毎日一編ずつ立ち読みが出来ますv←こらこら。
紙の本
不思議な空間
2001/08/28 12:28
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投稿者:かずの - この投稿者のレビュー一覧を見る
北村薫という人は、女性の心情をどうしてこうも細やかに描くのだろう。表題作もしかり「植物採集」しかり。収録されている他の短編も不思議な話ばかりなのだけれど、私は特にこの二作品が好きだ。愛や恋、好き嫌いの直接的な単語を使わずに、それでいてこの女性達は相手の男性を好きだったんだなぁ、と思わせる。これが本当にすごい。
作者は男性なのに…不思議だ。
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表題作の「水に眠る」に出てくるウィスキーの水割りが飲みたくなって、自分にも水の上蓋を取り除くことができるんじゃないかと本気で考えてしまう。あ、いや、ただ自分が飲んべえだということじゃなくてね・・。(2003.2.11)
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書評を読んで面白そうだなあと思って購入したもの。北村作品は初めて読みます。この方、ミステリー畑の方らしいのですが、今作の短編集はミステリーというよりも不思議な話が満載な1冊。設定やキーとなるモチーフがヘンテコなものも多く、それがどんなものなのかをイメージしながら読むのが面白くて、結構ぐいぐいと引き込まれていってしまいました。こういう、ちょっと変わった設定というのは、長編だとだらけがちなんですよね(と私は思う)。ので、短編ならではの手法を生かした作品ばかりだなあと感心。特に表題作『水に眠る』『くらげ』『矢が三つ』はものすごーく面白かったです。元々長編を多く書く方らしいので、次回はぜひぜひ長編にチャレンジしてみたい。
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じんわりと心を締め付ける切ない話ばかりの短編集。
どの話も美しく、しんみりとした涙の気配をはらんでいます。
私は「ものがたり」、「植物採集」が好きです。
北村先生の描く情景はどうしていつも、これほどまでにすっきりと美しいのでしょう。
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北村薫さんの短編集を読むのは初めて。ミステリアスで、すっごく魅力的。切ない話や怖くなるような話や、様々・・・。すごく読者側に考える余地を持たせてくれているので、読んだ誰かといろいろ話してみたい、と思いました。
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北村さんの短編集
ミステリーではないけれど、そういう要素がなきにしもあらずで最後ハッとさせられるものも。
お風呂に浸かっていると、いくらじっとしていても自分のまわりをぬくいお湯がたゆたう。
そのリズムに身をあずける、それはとても心地よい時間。
表題作の『水に眠る』はそんな時間を思い出す。
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・珍しく短編集。「水に眠る」の漢字は好きかな。あと「植物採集」。どれも不思議な感じ。ミステリっぽくないのが、意外なのかも。
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不思議なお話が多い。「植物採集」は、切なくて好き。「贅沢な解説」は、本当に贅沢で、趣向もおもしろい。
2006/6/27再読
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可もなく不可もなく。
最近の本ではありません。
なんていうか、どうにも救いようのなく、オチのないどうでもいい話ばっかりです。北村薫は、「スキップ」とか好きだったんだけどなあ。
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同僚への秘めた想い、途切れてしまった父娘の愛、義兄妹の許されぬ感情……
人の数だけ、愛がある。短篇ミステリーの名手が贈る十篇
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運命の糸のはしっこを掴んだ人の幸福や、違和感に気づいてしまったが為に憂鬱の罠にはまってしまったやるせなさが描かれている。
日常に潜むちょっとした出来事で起こる気持ちの浮き沈みは、共感できる。
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なんだか北村さんらしくない感じがすごくする、短編集。不思議な話が多くて、タイトルの付け方も良いなぁと思った。
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読んだ後にせつなくなり、せつなくなりたいがために読む、そんな本です。10の作品の中でも冒頭を飾る「恋愛小説」が一番好き。こんな恋愛をしてみたい。「植物採集」では胸が痛く泣きたくなりました。
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ありえない設定なのに、この人に書かれると「そんなこともあるなかな〜」と思ってしまう。思わずグラスの水をひっかいてみたり。他にもくらげ、かとりせんこうはなび、矢が三つ、このあたりはフィクションなのにそれを感じさせない感じ。なんだかほんとに個人用クーラーが開発されたら、男女比が2:1だったら、ここで書かれていることがふつーって気にさせられる。