紙の本
ひとあじ違う
2016/04/18 10:52
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投稿者:imikuto - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーやエンタメばかり読んでいると
こういう作品は読みづらくてたまらない。
タイトルに「殺人」という語句があるから
推理小説のつもりで推理しながら読み進めたが
やはりちょっと違うな。
1冊目はひとやま超えるのが大変だったが
この作者の作品は比較的薄い本が多いので、時間をかけて読み続け
慣れていこうかというのが、今の率直な感想。
ノーベル賞作家の思想を少しは理解したいですからね。
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村のほぼ全員が殺人が行われることを知っていて、かつ殺人者も、殺害される者も、その動機も知っていた。
十分に予告された殺人は何故起こってしまったのか。
構成が緻密だし、時系列にそって色々な視線から「何故阻止できなかったか」を描いていく。
因習と、無関心と、悪意と、偶然とが一人の男を殺すまで。
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幻想的な現実 1982年ノーベル賞受賞作家・コロンビア。
結構面白かった。この作品を呼んでいて思い出したのは、『マグノリア』と
『アメリ』の冒頭部分。
これらの映画の冒頭部分が最後まで続く感じ。独自のジャーナリスティックな視点から、
実際の事件をさまざまな人々の検証を交えつつ、不思議に物語っている。
共同体の崩壊…?解説にそう書いてあるが、これについてはまだ深く考えていない。
香港の映画監督・ウォン・カーワイに多大な影響を与えた作品。
村上春樹
ウォン・カーワイ
ガルシア・マルケス
エミール・クステリツァ
の線が好き。
とりあえず、みな何かを喪失してますよね…。
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ガルシア=マルケスの作品としては読み易い。緻密な構成とジャーナリスティックな手法が功を奏している。魔術的、神話的道具立ては無いが、充分にマジック・リアリズムの作品と言える。
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充分すぎるほどの犯行予告にもかかわらず、町をあげての婚礼の翌朝に発見されるサンティアゴ・ナサールの遺体。なぜ彼は殺されなければならなかったのか。
『百年の孤独』の著者による「魔術的リアリズム」を味わえる中篇小説。翻訳もすばらしい。
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冒頭で興味がそそられ、一気に読むタイプの話。タイトルどおりの内容。真実はどうだったのだろう。冒頭に従いラストが凄惨。
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▼面白かった。▼でも、どうして面白いのかわからない。殺人事件が起こらないのに。いや、起こったら終わりというか……。▼サウンドノベル『街』や、宮部みゆき『模倣犯』のようにに、脇役一人一人の視点にザッピングしていく書き方がしてある。どの人も、自分がその殺人事件と関わりがあるとは思っていない。しかし、読者の目線で見ると、ただの記録に過ぎなかったものから、なかなか面白い真相が浮かび上がってくる。▼この表紙の画が象徴的。みんな無関心の仮面を被っていた。だから『予告された殺人』が起こってしまったんでしょうね。
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行間に思いをめぐらすうちに、いつのまにか迷宮を彷徨う。南米の灼熱の太陽に焼かれ、時は止まり、青年の流した鮮やかな赤い血が、目を眩ませる。
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これはおもしろい。一種のノンフィクション・ノヴェルであるらしいが、フォークナー的な共同体の物語としても読めるし、また巧妙に設定されたナレーターに着目して読んでもおもしろいだろう。事件の陰惨さに比べ筆致が軽く、構成や展開も巧みで読みやすい。文庫本の表紙の、仮面に囲まれたアンソールの自画像もまたこの小説に似つかわしくてよい。
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「百年の孤独」とゆーどーしようもなくカッコいい作品で世界に名を知られるマルケスの作品、「予告された殺人の記録:Cronica de una muerte anunciada」。こいつもタイトルからしてカッコ良すぎ。マコンド世界作品は人物名がワケ分からんので実は全部読んでないんだが。
でもこの作品は凄すぎる。さすが新聞記者上がりのマルケス、状況描写がまさに写実的で、たった一日足らずの事件をヒトツの別世界の、でもその辺で起こってるような臨場感を匂わせつつ書き立ててるし。
そのうち原文で読んでみたいけど、やっぱりヤメ。翻訳でも十分面白いから。
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懐かしいようなせつないような気持ちになる。
そのむせかえるような空気や血の臭いが伝わってきそうなくらいリアルなのに、どこか遠くの国のおとぎ話を聞いているみたい。構成はとても緻密な印象をうけました。
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060428
登場人物が自分の意思で自由に動きながらも、
無意識にほかの何か大きな力に導かれるように一つの不幸な結末へと、それぞれの役割を演じていくという、
個人と世界との大きな関係がおぼろげに描かれていて、
いまだに呪術的な世界観が残っている南米らしい世界が不思議と共感できた。
この物語自体はルポタージュらしいのだが、所々に出てくるのマルケス的な呪術的で滑稽さをもったディテールの風景と、
取材されたリアルな物語の取り合わせが不思議なリアリティを与えている気がする。
しかしなんだか、場面の作られ方とかに「ともお」的な匂いが・・・。
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http://d.hatena.ne.jp/hazy-moon/20060601/1149125634
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マルケスはなんでこうもストーリーテリングがうまいのか。どんどん引き込まれていく。複雑な構造なのに、それがまたより読者をひきつける要素となっている。そして全編、魔術的で祝祭的なイメージに彩られている。解説に、「マルケスの作品は、冠婚葬祭である」ってなことが書いてあったが、同感。そして、「冠婚葬祭」こそが、「物語」の原型なのかもしれない。(2002 Oct)
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邦題は「予告された殺人の記録」。1981年発表の中篇。自身の最高傑作と語る作品。この人の作品の面白さを言葉にするのは難しい。劇的に何かが起こるわけではなく、淡々と物事が起きていく。視点がパノラマ。とでも言おうか。そんな感じもある。何なのだろう、この面白さは。不思議だ。(06/10/3)