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邪馬台国はどこですか? みんなのレビュー

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みんなのレビュー191件

みんなの評価4.1

評価内訳

178 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

愛すべき「酒の席での与太話」

2011/10/08 09:13

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:koo± - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の自伝的私小説「努力しないで作家になる方法」を読んだら無性に手にしたくなった。読書予定の順番をすっとばして積読本よりチョイス。

●空前絶後の連作歴史短編ミステリ
安楽椅子探偵の連作短編歴史ミステリ。場所は小さなバーのカウンター。歴史研究家の三谷教授と勝気な美人助手の早乙女静香を向こうに回し、空前絶後のトンデモ自説を展開する在野の研究家、宮田六郎。歴史に疎い読者視点なバーテン松永も交え、今宵も世界の歴史と学会の諸説を根底から覆す「酒の席での与太話」が繰り広げられる。

まったくの無名新人の処女作としては極めて稀な「文庫書き下ろし」という形での出版。その涙なくして語れない激動の経緯に関しては、あえてここでは触れない。前述の作品を是非とも拝読してほしい。

●世界の歴史を覆すトンデモ自説
・悟りを開いたのはいつですか?
ブッダは悟りなんて開いてなかった。そもそも事の始まりは奥さんの浮気!?

・邪馬台国はどこですか?
九州説? 畿内説? いいえ違います。邪馬台国は実は東北に存在した!

・聖徳太子はだれですか?
聖徳太子はなぜ天皇になれなかったのか? しかしまさかあの推古天皇が・・・。

・謀叛の動機はなんですか?
本能寺の変は織田信長の自作自演だった。しかも彼の精神は・・・。

・維新が起きたのはなぜですか?
明治維新のシナリオを描き、龍馬、西郷らを巧妙に操った影の首謀者は・・・。

・奇蹟はどのようになされたのですか?
キリストは本当に復活した。それはまさに人類史上最大のトリック。

●知的好奇心をくすぐるツボが満載
どの話も実に興味深かった。「逆立ちすれば答えがわかる」と言っていたのはたしか宮沢和史だっただろうか? 表題作がまさにそれ。昔読んだ高木彬光「邪馬台国の秘密」を彷彿とさせる。参考文献にもしっかり名を連ねています。

聖徳太子の話が一番それっぽいかな。偶像説はもはや定説? ブッダを等身大のおっさんとして描いた話も良。私的にはキリストの復活トリックがツボ。明治維新については「普通に考えたらあるわけないんだけど、もしかしたら・・・」と僕がぼんやりと思い描いていた説が展開されていて、思わず目が食い入ってしまった。幕末で私的に一番好きな人物が首謀者として登場します。

●酒の席だし硬いことは言いっこなし
小説として色々と荒っぽい面も多々あるのだが、処女作だし私小説で涙の出版経緯も知ってしまったので、今回は苦言は控えておこう。それに酒の席だしね。硬いことは言いっこなし。そんな気持ちにさせてくれる愛すべきハチャメチャさ。嗚呼なんかハマっちゃったみたい。

●2人の歴史エンターティナー
荒唐無稽だけどやたら説得力がある宮田に拍手喝采。バーテン松永の言葉にもあるが、まさに歴史エンターティナー。井沢元彦の「逆説の日本史」が好きな人には超オススメ。以前「なみだ学習塾をよろしく」のレビューでも書いたが、この二人にはやはり共通する何かがある。

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紙の本

新説、あるいは珍説?

2002/04/24 08:18

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

「邪馬台国はどこにある?」の謎をはじめ、ブッダはホントに悟りを開いたのか、明智光秀が謀反を起こしたのはなぜだったのかなどの「謎」に対して、トンデモナイ新説が繰り広げられるという内容の本。

発表当時、かなり高く評価された(らしい)作品で、歴史が苦手なのでいままで敬遠してたんだけど、いまさら読んでみた。確かに面白い。しかし小説としては稚拙で、文章は読みにくいし、人物たちの存在感も皆無だし、視点変換もうまくいってないしと欠点だらけなのだが、中身が良いからあまり気にならない。

おそらくこの本は、歴史の謎に対する「仮説」こそが主役なんだと思う。この「仮説」のために、舞台を設定したり、登場人物を配置したりしている。

「ちょっとだけ歴史に詳しい人」がこの本を一番楽んで読めるでしょう。


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紙の本

めくるめくミステリーの世界。

2003/07/02 15:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:purple28 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いったい自分は何を読んでいるのか。一瞬、いや常に自分の“位置”が分からなくなる。
 確か、ミステリーを読んでいるはず。
 しかし少し進むと、そこは新しい歴史の解釈に溢れている。
「えっ。ええーっ」
 静香女史ではないが茫然自失、マスター同様感心しきり、そして混乱の世界へ…。

 なぜこんなに混乱するのか。
 表題作「邪馬台国はどこですか?」ほか、「悟りを開いたのはいつですか?」(ブッダについて)、「謀叛の動機はなんですか?」(本能寺の変について)など、誰もが知っているような歴史的事実が取り上げられる。
 ここまでは問題ない。しかし、この取り上げ方が問題なのだ。
 例えば、「聖徳太子はだれですか?」 だれって聞かれたって、聖徳太子は聖徳太子だろうとしか言いようがない。なかった。けれど、次々と新しい解釈のもとにさまざまな証拠を見せつけられると、違うのかも…と思ってしまう。しかも、その証拠というものが、これまでの定説を裏付けていた資料なのであるから、これまで築き上げてきた自分の人生すら覆るのではないかと錯覚するほど、まったくもってお見事なのであった。
 そこで。果たして自分は何を読んでいるのだろう。
 確かミステリーを読んでいるはず…、と最初に戻るのだ。

 本書に記された説は、もしかしたら本当かもしれないし、やっぱりフィクションなのかもしれない。もう、それ自体がミステリー(謎)。
 けれど、そんなことは問題ではない。
 ただのミステリー好きを感心させる歴史書。
 “もう、これ、歴史書でいいじゃん”ってなもんである。
 ストーリーは、とあるバーに集まるお客とバーテンとの会話で進む。誰も店を出ないし、他の誰も店に入って来ない。登場人物は4人だけ。
 ミステリーとしては特殊な設定である。しかし、特殊なのはそれだけではないのだから、こんなことは些細なことなのだ。
 なんだかなげやりに書いているような感じになってきてしまったが、それもみな本書のせいである。

 「謀叛の動機はなんですか?」 ここでは“織田信長は本能寺の変で自殺した”という。そこには、今に伝わる六天魔王の姿などなく、とても切ない気持ちにさせられる。
 目の前で繰り広げられていることは、本当に目に見える通りなのだろうか。裏をかく、というのではないが、もう少しいろんな見方をしてもいいのかもしれない。本当にそうなのか、これで合っているのか。何もかもを疑ってみるのも面白いかもしれない。気軽な探偵ごっこだ。
 そうしていくうちに、いつしかめくるめくミステリー(謎)の世界にどっぷり浸かってしまうのだろう。
 そして、嗚呼、気がつけば“鯨フリーク”に…。

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紙の本

歴史って、そんなに大層なものでもないかも

2002/02/11 11:54

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本を読んでわかったことは、史実を自分なりに咀嚼することこそ歴史を楽しむ基本だなということ。研究者や大学教授やらの専門家が歴史を語る中、自分の語りも割り込ませるのがポイント。素人の考えを割り込ませてはいけないと思ってしまうところから「歴史嫌い」が始まるのだとも思った。

 本書は創元推理文庫から出されている短編集である。
 『悟りを開いたのはいつですか?』
 『邪馬台国はどこですか?』
 『聖徳太子はだれですか?』
 『謀叛の動機はなんですか?』
 『維新が起きたのはなぜですか?』
 『奇蹟はどのようになされたのですか?』の6編収録。

 登場人物はわずかに4人。バーテンダーの松永、大学教授の三谷、三谷の助手の静香、ライターをしているという宮田。そして、登場場面はわずかに1場面のみ。三谷、静香、宮田はカウンター席に座り、松永はカウンターの内側で彼らの注文を取っている。4人がバーを出てお出掛けるする場面などない。4人の内の何人かが個人的に会う場面、なし。
 バーでうだうだとしゃべる小説がそんなにおもしろいか?と思われるかもしれないが、これがムチャクチャにおもしろいのだ。
 『邪馬台国はどこですか?』は、第三回創元推理短編賞の応募作である。選考委員は頭をかかえたと言う。あまりに異色だった。著者自身が創造したトリックが存在しない。しかし、壮大なスケールのミステリーがそこに存在するのは事実であったのだから。
 ミステリーの骨組みに当てはめて本書を紹介すると、宮田が名探偵ということになる。「ある事件が起こる」=「(宮田)歴史的事項を取り上げる」。→ 「探偵してアリバイを崩すなどの真相究明」=「(宮田)史実をもとにして歴史的事実とされているものに疑問符を投げる」。→ 「あざやかに事件を解決してみせる」=「(宮田)あざやかに歴史的事実とされているものを否定してみせる」。→ 「(ミステリー読者)なるほどと感心する」=「(本書の読者)開いた口がふさがらない。」と、このような流れになっている。

 今、私が仮に「邪馬台国はどこですか?」と質問されたとしたら、「岩手県です。」と即答するだろう。なにせ、私は名探偵宮田に対して、「おんぶしてくれよぅ。」のおんぶオバケ状態になってしまっている。いかん、いかん。静香ほど怒り狂った反論ができる日がくるのは随分先、あるいは不可能かもしれないが、カウンターに席を取って、バーテンダー松永ぐらいには自分の語りを割り込ませるようにならなくっちゃ。宮田がずっと側にいてくれるとは限らない(鯨統一郎さんの著作に限りがある)から、おんぶオバケのままでは、その内「歴史嫌い」の私に戻ってしまう。

 「本に書いてある事を鵜呑みにする危険」は重々承知しているつもりだったが、「歴史嫌い」「歴史に弱い」という頭があるので、のどにつかえて苦しかろうと無理やりにゴックンして、腹がゴロゴロする不快感を味わっていたように思う。これからは、おいしいものだけをおいしく頂こう。お腹を壊して下してしまうより、少しでもしっかり腹におさまり栄養になるとしたら、それが一番だと感じた。

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紙の本

敵にまわしたくない説得力

2001/10/03 18:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:梶原那穂子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 松永がバーテンダーをつとめるバーには3人の固定客がいる。大学教授の三谷、世界史のスペシャリストの静香、素性はよくわからないが、在野の歴史研究家と思しき宮田。松永が楽しみにしているのは、宮田VS静香の歴史バトルだ。何しろこの宮田という男、「邪馬台国は東北にあった」だの「明治維新の黒幕は勝海舟」だの、教科書にない突飛な自説を平気な顔で言い放つものだから、歴史研究で才媛ぶりを発揮している静香は、強気の性格も手伝い、黙っていることができない。ところが、一見デタラメに聞こえる宮田の説はきちんとした根拠に基づいており、彼のディベート能力がそれを強く後押しし、痛快なまでに静香の信じてきた定説を捻じ伏せてしまう。
 私はそもそも歴史ミステリというものにハードルの高さを感じていて、それはつまり、読む以前に求められる予備知識に他ならず、したがってすすんで読もうという気すらなかったし、これからもそうだろう。けれども、この本はこれまで持っていたそういうイメージを覆す歴史ミステリで、この本ほど気軽に、そして惹きつけられながら読める歴史ミステリ(おそらく)は他に存在しないのでは、とさえ思った。
 論法が理路整然とスマートで、しかもユーモアがそこかしこに仕掛けられているのでぐいぐい惹きつけられる。毎回毎回、気が強く自信家でしかも美人の静香が、ぐうの音も出ないほどに説き伏せられるというパターンがこれまた痛快。そして、なんと言ってもその内容。信じる信じないは読者に委ねられてはいるが、これはもしかするともしかするかもしれない。作者の説得力には感心するばかりだ。

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やっぱり、そこにあるのかな?

2000/12/31 15:25

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る

 歴史ミステリ、と呼ぶのがもちろん正解なのだろうが、それでは堅苦しすぎて本作の面白さが伝わらない気がする。ユーモアミステリ、と呼ぶのも正しいのかもしれないが、それでは「真面目な話じゃないんだな」と思われそうで怖い。暗転にスポットライト一つで小劇場の芝居を見ているような、と表現したらいいのだろうか。表題作「邪馬台国はどこですか?」メンバー初の談義となる「悟りを開いたのはいつですか?」を含めて6本、小手先技はなく全て直球勝負、そして切れ味のよい幕引き。
 自身歴史バトルを心待ちにしながら、あくまで商売を忘れないバーテンダー松永のキャラが憎めない。歴史バトルを繰り広げる常連客三人に対し、山川出版社の教科書で予習もすれば、勝ち気なヒロイン?のフォローもし、ときに秘かな策略を練って3人を待ちかまえるまでになる。カクテルが5種類しか作れないわりに、隙を見ては「牛タンの鉄板焼き」や「サイコロステーキ」、つなぎを使わない「つくね」も出してくるので、読んでいるこっちも油断できない。お腹が空いているときには読まない方がよいでしょう。

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楽しめた。

2022/05/30 01:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ゆる言語学ラジオ」で紹介されていて気になり。
バーにたまたま集まった三人の男女とバーテンダーが「ブッダは悟っていなかった」「邪馬台国があったのは東北」「聖徳太子は実は女性」などの奇論を持ち出し、資料を引用しながら徹底的に議論する話。

歴史や事象に詳しくなくても、必要な資料は引用されるし議論の最中に登場人物が解説してくれるのでわかりやすく読みやすい。
確かにそう読めなくもない面白い解釈だな〜、というのを楽しめる。
とはいえ最初のブッダの話はわりと丸め込まれた感じがあるけど、他はこじつけ暴論がすぎるかも。
題材は面白いし読ませるし、陰謀論とかを楽しめるなら間違いなく面白い作品ではある。
しかしデビュー作だからか、議論はほぼ宮田が奇論を持ち出し静香が怒りながら反証しようとしてやり込められるワンパターン。
もう一人の歴史学者三谷と傍観者であるバーテンダー松永はほぼ会話に加わらないか、加わっても暴論に怒る静香の怒りをそらそうと話題を逸らしたり先に進めたりする役回り。
三谷必要だったかな?
まぁバーで歴史議論してるだけだから、誰も傷付かない小説で心安らかに読めるけど(宗教家や歴史学者は怒り狂うかも)

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2004/11/22 06:33

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2004/12/08 17:36

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2005/02/10 01:53

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2005/11/02 01:25

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