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いよいよ幕末の大動乱が幕を上げた
2020/10/18 19:09
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投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
いよいよこの6巻になって幕末の大動乱の本編が幕を開ける。もちろん5巻までの面白くて読むのを中断できない筋書きがあってこそのメインイベントであるのは言を待たない。
薩摩の謀りごとによって幕賊となり政界で失脚した長州、その恨みを払拭させ政敵薩摩と手を握らせる工作に成功し成立させた薩長同盟。幕府捕吏に踏み込まれおりょうの機転で九死に一生を得た有名な伏見寺田屋事件。そしてほぼ一人で幕府軍船団を撃破した第二次長州征討など痛快なほどの竜馬の活躍が描かれていく。
西郷吉之助はもちろん、桂小五郎や高杉晋作も個性豊かに描かれる。また幕府方で重要な高級官僚である小栗上野介も登場する。合間をぬって登場するお田鶴さまやおりょう、そして竜馬に好意を寄せる長崎のお元などの女性陣との挿話が花を添える。
大きく変動していく幕末の動きが幕を開けた。藩と幕府という狭い視野から抜け出せなかった将軍や武士たちの偏狭な心ざまを、「世界の日本」という大海原から眺めている竜馬の大きな器が駆逐していく。胸のすくような痛快な物語だった。
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薩長同盟
2002/03/03 03:18
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投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
坂本竜馬とは何者かと言われたら、結局は倒幕の原動力となった薩長同盟締結を成功させた裏の立役者ということと、大政奉還を考えついたことということになるだろう。そのひとつである薩長同盟の締結にまつわる竜馬の苦労がヒシヒシと感じられる一巻。
今の感覚ではちょっと理解できないが、当時の武士達は藩が国家だったのだなという感じを受けてしまう。なんといっても日本人という言葉すら存在しなかったというのだから。
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慶応2年1月
2001/12/24 16:31
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投稿者:sayu - この投稿者のレビュー一覧を見る
「長州がXXXXXじゃないか」。西郷に膝を正させた竜馬のこの一言が、イスラエルとパレスチナのように反目しあっていた薩摩・長州を結び付け、その同盟は維新への大原動力となっていく。
薩摩・長州、この両藩の間にあった激流を堰き止め、自らの屍体をもって橋としたのは、藩に恵まれないながらも、新しい時代の礎となるべく単身で志士活動へ飛び込み、多く倒れていった土佐浪人たちではなかったか。彼等の希望というべきが、坂本竜馬その人ではなかったか。それを思うにつけ、私は泣けて泣けて泣けてしかたないのだ。私達の足元から、遥か歴史を望めば、この国のかたちを作らんとした志士達の姿が必ずそこにあるはずだ。
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ついに時代が動き始めた6巻
2012/08/11 02:14
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投稿者:sleeping lion - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここにきてついに時代の寵児、坂本龍馬が薩長同盟の立役者になる時がくる。
薩摩、長州、大阪、京都を行き来し、ついに薩長同盟を結ばせるも、寺田屋にて襲撃されることとなる。
刀を抜けば無双の豪傑にもかかわらず、寺田屋では一切刀を抜かず。それでも100人の追ってから生き延びる。もはや天が龍馬を生かしているとしか思えない。5巻での若干の中だるみ(苦笑)から、ここにきて怒涛の展開へ!
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長次郎は才子ではあるが、組織でもって協同して事をする感覚が欠けているようである。貧家の秀才で無我夢中で世間の表通りに出てきた者のもつ悲哀といっていい。われがわれがとおもう一方で、仲間の感情を思いやるゆとりがないのである。
(しかし、城下の水道町のまんじゅう屋のせがれも、薩長両藩を相手に大仕事ができるまでになったか)
とおもうと、竜馬はあのまんじゅう屋の冷たくとぎすましたような秀才づらが、いとしくてたまらなくなるのである。(p.160)
「私は根が町人のうまれで、戦争はあまり好みませんが」
「ばかだな、お前は。そういうことをいうちょるから、あたらそれほどの才分をもちながら人にばかにされるのだ。男は、喧嘩をするときには断乎喧嘩をするという大勇猛心をもっておらねば、いかに名論卓説を口にしていても、ひとは小才子としか見てくれぬぞ」
「しかし、にが手はにが手です」
「にが手でもやれ、近藤長次郎が軍艦にのってひといくさした、といえば、あとあとお前の名論卓説に千鈞の重味がつくぞ。口さきの才子ではない、と人は思う。人がそう思えば仕事もやりやすくなる。思わぬ大仕事ができるというものだ」
「しかし、いくさに負けて軍艦が沈めばどうなります」
「死ぬまでさ」
と、竜馬はむしろまんじゅう屋の顔をふしぎそうに見、あたりまえだよ、といった。
「しかし死ぬのは、まだ惜しいです」
「惜しいほどの自分かえ、まんじゅう屋」
「まんじゅう屋はよしてください」
「では、長サン。男はどんなくだらぬ事ででも死ねるという自信があってこそ大事をなしとげられるものだ」(p.182)
桂の感情は果然硬化し、席をはらって帰国しようとした。薩摩側も、なお藩の体面と威厳のために黙している。
この段階で竜馬は西郷に、
「長州が可哀そうではないか」
と叫ぶようにいった。当夜の竜馬の発言は、ほとんどこのひとことしかない。
あとは、西郷を射すように見つめたまま、沈黙したからである。
奇妙といっていい。
これで薩長連合は成立した。
歴史は回転し、時勢はこの夜を境に倒幕段階に入った。一介の土佐浪人から出たこのひとことのふしぎさを書こうとして、筆者は、三千枚ちかくの枚数をついやしてきたように思われる。事の成るならぬは、それを言う人間による、ということを、この若者によって筆者は考えようとした。(p.246)
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薩長連合がついに成る。この巻はとにかく竜馬が活躍しており、惹きつけられる。彼の名言も多く掲載されている。「英雄豪傑とは、老獪と純情の使い分けのうまい男をいうのだ」なるほど。しかし、なぜおりょうなのか。そこもまた不思議であり、人間なのだな、と思わせる。
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幕末列伝、坂本竜馬風雲ストーリー第6巻。時代は慶応二年、竜馬暗殺1年前、薩摩の西郷隆盛と長州の桂小五郎へ説得、薩長同盟、伏見寺田屋襲撃事件、竜馬負傷、拳銃分解、おりょうとの新婚旅行、江戸徳川幕府最後の戦争を収録。
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この巻はまあ面白い。
テレビで、竜馬が新婚旅行へ行った温泉を見たことがあったのだけれど、
こういった経緯で行ったのだとは知らなかった。
文章が重複しているのは、長いから忘れているだろう読者のためなのだろうか。
それにしても長い話だ。
燃えよ剣なんて上下巻にしかなっていないのに。
お登勢さんにすごい魅力を感じる。
『新選組!』で戸田さんが演じておられた
イメージが強いというのもあるんだけど。
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今の日本がここにあるのは、幕末の志士が築きあげてきたものがあるから。私の人生に大きく影響を与えました。
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土佐の竜馬を仲介として、長州の桂・薩州の西郷が同盟を結ぶ。幕府の秘密裏に薩長同盟が行われたのである。長州の高杉晋作と竜馬が協力し、下関で幕軍と海戦する場面も面白い。
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倒幕のためには、薩摩と長州が力をあわせることが必要。しかし、互いに憎しみあってる両藩が手を組むとは考えられなかった。竜馬決死の奔走で、薩長軍事同盟はなり、維新への道は大きく開かれた。
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ついに薩長同盟結んだ。
竜馬もよくこのふたつをまとめたもんだ。
義と義のぶつかり合いを。
「生きるも死ぬも、物の一表現にすぎぬ。いちいちかかずらわっておれるものか。人間、事を成すか成さぬかだけ考えていけばよい」
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竜馬の頭の回転には驚くばかり。人をひきつける魅力は、天性のものなんでしょうか。 どのようなアクシデントが起こっても、次の手を打つところ、尊敬します。
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<三好一男副代表オススメ!>
司馬遼太郎の作品にはいろいろ影響を受けていますが、中でもこの1冊は印象的でした。竜馬は千葉道場の免許皆伝でありながら、生涯1度も人を斬ったことがない。強さの中にある優しさが魅力ですね。この作品は高知支部の原点です。
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怜悧な皮肉屋・外交の天才という設定が既に堪らない。不純な目で見すぎだろうと思いつつ陸奥宗光と結婚したくなる