紙の本
物語もそろそろ佳境の第6巻。
2009/02/21 22:43
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投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語もそろそろ佳境の第6巻。
悪戦苦闘していた旅順戦ですが、作戦を変えることで勝利を得ます。
ただ、犠牲が大きすぎです。戦争遂行ということを考えると、局地戦で勝利することだけが大切ではないのです。いかにして、犠牲を最小限にとどめるか、がポイントです。
本書を読んでいて、いつも考えるのはビジネスのこと。
自分より大きな競争相手に勝つためにはどうすればよいのか、ということです。
総力戦になると、物量がものをいうため、戦略が必要になります。
日露戦争では、戦略はあったのか?
本書の記述からでは、かならずしも明確な戦略があったようには思えません。
一部現場の中にいる有能な将校が、戦術面での能力を発揮したことは認めるとしても、「国家」としての統一された意思に基づく戦略は感じられません。
しかし、幸運なことは戦争相手のロシアもさらに戦略がなかったことです。
物量に勝るため、どうしてもそれに頼ってしまうさまは滑稽ですらあります。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
紙の本
諜報活動
2016/05/15 11:42
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投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
地名が出てくると巻末の地図と照らし合わせて読むのが面倒だが、明石元二郎の諜報活動の章は興味深かった。
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旅順が陥落し、ロシア太平洋艦隊が壊滅した。満州の荒野では日本軍とロシア軍が激しい戦闘を繰り広げていた。
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会社の行き帰りに読んでいます、いよいよクライマックスな6巻。といっても、ストーリーは順序だててはいなくて、小説のようでありながら、歴史評論記となっていて、どこから読んでも良いスタイルだったりします。
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言うまでも無い歴史小説です。
読み返す本ってそんなに無いものなのですが、この本はまた読むことになるでしょう。
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内容と評価:続き・・「坂の上の雲」とは、封建の世から目覚めたばかりの幼い日本国家が、そこを登り詰めてさえ行けば、やがては手が届くと思い焦がれた欧米的近代国家というものを、「坂の上にたなびく一筋の雲」に例えた切なさと憧憬をこめた題名である。
本作品は司馬の著作の中でも特に議論が多いことで有名で、明治という時代そのものに対する高評価、日露戦争を一種の自衛戦争であると捉えた司馬の史観、旅順攻撃を担当した乃木希典およびその配下の参謀たちが能力的に劣っていたために多大な犠牲を強いることになったとする筆者の見解などについては、未だに賛否両論がある。また藤岡信勝が所謂自由主義史観を標榜するきっかけとなったのもこの作品であるという。
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前巻の黒溝台の続き。秋山騎兵舞台は前線の最右翼に司令部を置いていた。戦略上の失態を数々犯しながらも、立見尚文ひきいる「臨時立見軍」が、一次的に奪われた黒溝台を奪回させ、辛くも日本の勝利となった。いっぽう、旅順艦隊が撃沈されて邂逅の望みを失ったバルチック艦隊はなすすべもなくマダガスカルに停泊していたが、ようやく出港することにしたようだ。ロジェストウェンスキーがあまりに傍若無人なので爆笑。水兵を無闇に虐待しないでください。ポリトゥスキーは大好きだ!!旅順攻略にホッと一息ついたのもつかの間、乃木軍は大幅に人事異動を加えられた後、次の決戦場──奉天へ。やってくる参謀がことごとく不慮の事故に見舞われるなんて…ヒサンすぎ。乃木さん運悪すぎ。不運の星のもとに生れた乃木さん。
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ロシア国内では血の日曜日事件がおこってしまう。しかし、バルティック艦隊がインド洋にでました。
一方で、乃木軍が北上し、いよいよ奉天会戦が始まろうとしています。
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黒溝台会戦。明石元次郎によるロシヤ諜報活動とその影響。明治38年2月末奉天進行前状況。バルチック艦隊3月16日インド洋へ。戦闘間の中休み巻。
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2007/07/30 mon
やはりロシアは勝手に自滅してる感が強い。
日本軍が勝てる理由は何一つ見つからない。
勝てる気がしない。
なのに、ロシアが勝手に退却してくれる。
自滅してくれる。
粘り強さが日本人にはあるのか、
ロシアの詰めが甘いのか。
バルチック艦隊のロジェストウェンスキーもよくわからない。
様々な将校が出てくる中で思うのは、上に立つものは包容力が無いとダメなのかな…ということ。
過敏すぎると自滅するのかもね。
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旅順陥落。でもあまりにも大きな犠牲を払いすぎました。戦争は悲惨です。でも、ここに出てくる多くの人たちは、日本の未来のために戦ってくれました。我々は、先人の残した大いなる遺産を受け継いでいるのです。それを忘れてはいけません。
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諜報と煽動をうまくやってのけた明石元次郎。
彼のお気に入りの場面を紹介致したい。
お漏らしの場面も推しがたいのだが、
ちょっと変わったところを。
道を歩いていた老紳士にロシア語で、日本の軍人ですか、と聞かれた明石さんは、その老紳士をフィンランド人であると見極め、瞬時に「そうです」とわざとフランス語で答えた。
このときのフィンランドは、ロシア帝国にロシア語を公用語として押し付けられ、ロシアに圧迫されていたので、明石さんはそのロシア語で返答せずに、ヨーロッパで共通語となっていたフランス語を使うことで、その老紳士の表情をぱぁっと明るくした。ぱぁっと。
そうしたちょっとした気遣いに惹きつけられる。
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明石元二郎によるヨーロッパの諜報活動が政治的根回しの大きな割合を占める。日本政府が彼に金銭的余裕を持たせたことに加え、彼の正直な性格がヨーロッパ諸国の地下組織のメンバーに受け入れられたことにもよる。一方で、バルチック艦隊は、マダガスカルで足止めをくっていたが、とうとう東方へ向けて動き出す。
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黒溝台会戦では秋山支援がミシチェンコ騎兵団に苦しめられるがクロパトキンがグリッペンベルグに自分の地位が脅かされることを恐れて作戦を中止する。明石元二郎のスパイ活動とシリヤクス。そして奉天へつながっていくのだな。
第六巻は戦争そのものよりも、日露戦争に関係する当時の世界情勢が肌で感じることができる興味深い作品だった。露西亜と日本が抱える国の性格が如実にこの戦争に影響を与える。クロパトキンも官僚的性格を持っているし、ロジェストウェンスキーも小さな皇帝(ツアーリ)だったり人間の描写の仕方が明確で面白い。
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満州での日本軍は、黒溝台でロシア軍の猛攻撃を受けるが、なんとか死守する。ロシアという専制国家では、軍の総司令官であろうが官僚的保身に走ってしまう。ニコライ2世に気に入られることこそが目標であり、日本軍を壊滅させることは単なるその目標に付随するものでしかない。
2008/01/19