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科学と科学者のはなし 寺田寅彦エッセイ集 みんなのレビュー

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みんなのレビュー34件

みんなの評価3.9

評価内訳

  • 星 5 (8件)
  • 星 4 (13件)
  • 星 3 (6件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

高い評価の役に立ったレビュー

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2008/05/16 11:17

「頭のいい人には恋ができない」?ベスト・オブ・寅彦's科学エッセイ。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 明治から大正、昭和にかけて、活躍した著名な物理学者である寺田寅彦はたくさんのエッセイも残しました。全集も出版されていますが、なにしろその量の多さに圧倒され、読み通す気力も萎えてしまいがち。科学関係のエッセイをまとめて読みたい、と思う者にはありがたい、コンパクトによい作品を集めた一冊です。
 編者は「多くの随筆から、現代でも通用する、彼の鋭い感覚が感じ取れるもの、科学の研究が浮かび上がるものを選びました。p9」と記していますが、その通りのものばかりです。

 例えば、こんな作品が収録されています。
・身近な題材に向かった彼自身の思考の流れをたどることで「科学的なものの考え方」を示してくれる「電車の混雑について」や「線香花火」「藤の実」。
・「蜂」や「蓑虫」「草をのぞく」などには鋭い観察眼と興味津々といった楽しさが感じられ、まるで「ファーブル昆虫記」「ファーブル植物記」を読んでいるような気がします。
・「昔の人は、多くの自然界の不可解な現象を化け物の所業として説明した。やはり一種の作業仮説である。p112」と書く「化け物の進化」。迷信、などといって無闇にしりぞけず、「作業仮説」と科学的な考えで理解しようとする態度は学びたいものです。
・「頭のいい人には恋ができない。・・・」と書き始め、「頭のいい人は批評家に適するが行為の人にはなりにくい。」等々の名言が続く「科学者とあたま」。ちょっとどきりとしたりもしますが、寅彦自身の苦笑いが聞こえるような文章でもあります。
・夏目漱石との交流を描いた「夏目漱石先生の追憶」や「冬の田園詩」といったもの。寅彦が科学と文学の双方に通じた人だったこともわかります。

 少年文庫の一冊としても、とてもよい一冊だと思います。若い人には、編者と同じく「君たちにも、この本が良い出会いになればいいな、と思っています。」

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低い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2000/07/30 09:12

「科学者ってどんなこと考えて生きているのか」という疑問に答える

投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 寺田寅彦といえば『我が輩は猫である』の寒月先生のモデルとして、また、「天災は忘れた頃にやってくる」という言い回しで、有名な人物であるが、本職はれっきとした物理学者で東京大学の教授を長く務めた。しかし、何といっても『寺田寅彦随筆集』でそのほとんどを読むことができる随筆の書き手としてこそもっとも有名だろう。その随筆は科学者の目を持ちながら、夏目漱石に師事したほどの文才を併せ持つ、他では味わいがたい趣を持っている。
 本書は自身も科学者兼随筆家として名高い(bk1でもコラムニストとして寄稿中)池内了がその数ある随筆の中から選んだ随筆集である。題名にもあるように科学者寺田をほうふつとさせる随筆を選択してあり、茶碗一杯のお湯から気候まで論じてしまう有名な「茶碗の湯」など、日常の些細な出来事にも科学的に切り込んでいく寅彦の思考過程を窺い知ることができる。「科学者ってどんなこと考えて生きているのか」という疑問に答えるには最適の一冊だろう。
(田口善弘/中央大学 理工学部 物理学科 助教授 http://www.granular.com/tag/index-j.html))

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33 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

「頭のいい人には恋ができない」?ベスト・オブ・寅彦's科学エッセイ。

2008/05/16 11:17

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 明治から大正、昭和にかけて、活躍した著名な物理学者である寺田寅彦はたくさんのエッセイも残しました。全集も出版されていますが、なにしろその量の多さに圧倒され、読み通す気力も萎えてしまいがち。科学関係のエッセイをまとめて読みたい、と思う者にはありがたい、コンパクトによい作品を集めた一冊です。
 編者は「多くの随筆から、現代でも通用する、彼の鋭い感覚が感じ取れるもの、科学の研究が浮かび上がるものを選びました。p9」と記していますが、その通りのものばかりです。

 例えば、こんな作品が収録されています。
・身近な題材に向かった彼自身の思考の流れをたどることで「科学的なものの考え方」を示してくれる「電車の混雑について」や「線香花火」「藤の実」。
・「蜂」や「蓑虫」「草をのぞく」などには鋭い観察眼と興味津々といった楽しさが感じられ、まるで「ファーブル昆虫記」「ファーブル植物記」を読んでいるような気がします。
・「昔の人は、多くの自然界の不可解な現象を化け物の所業として説明した。やはり一種の作業仮説である。p112」と書く「化け物の進化」。迷信、などといって無闇にしりぞけず、「作業仮説」と科学的な考えで理解しようとする態度は学びたいものです。
・「頭のいい人には恋ができない。・・・」と書き始め、「頭のいい人は批評家に適するが行為の人にはなりにくい。」等々の名言が続く「科学者とあたま」。ちょっとどきりとしたりもしますが、寅彦自身の苦笑いが聞こえるような文章でもあります。
・夏目漱石との交流を描いた「夏目漱石先生の追憶」や「冬の田園詩」といったもの。寅彦が科学と文学の双方に通じた人だったこともわかります。

 少年文庫の一冊としても、とてもよい一冊だと思います。若い人には、編者と同じく「君たちにも、この本が良い出会いになればいいな、と思っています。」

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紙の本

意外なおもしろさ

2016/09/25 15:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:afrk - この投稿者のレビュー一覧を見る

寺田寅彦の名前は知っていたが、読む機会がなかった。先入観で寺田の科学は趣味の世界であり、プロの科学ではないと思っていた。しかし実際に読んでみると、身近な自然現象に対するプロフェッショナルな視点が伝わってくる。最先端の科学研究において、ややもすると忘れられがちな自然現象に対する驚き、素朴な好奇心を思い出させてくれる。私は寺田の科学論文を読んだことはない。しかし所収の「科学者とあたま」を読むと偉大な研究者であったろうと思う。また随所に大正から昭和初期にかけて古き良き時代の日本が感じられる。岩波少年文庫に収録され、長く読み継がれる古典としてふさわしいだろう。

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紙の本

著者も編者も物理学者

2022/02/28 23:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る

熊本の第五高等学校時代の
夏目漱石の教え子である著者による
科学随筆を、これまた一般読者向けの
科学書を数多著している編者が
選り分けて纏めた本です。

少年文庫の一冊とはいえ、なかなかに
読み応えがありますぞ。

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紙の本

科学と文学は、実は相性がよかったんです

2000/09/30 23:03

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:LIN - この投稿者のレビュー一覧を見る

 科学は数字や記号だけで表されるのではなく、わかりやすい「ことば」で説明できると、この本が証明しています。
 物理や数学の授業がこれくらい面白ければ、勉強ももっと楽しかっただろうなあ、と少し残念な気がします。そういう意味で、特に学校の先生にお勧めしたい本です。もちろん、少年文庫といっても大人も十分に楽しめますから。
 この本を読むと、著者の興味が多方面にわたっていることに驚きますが、興味の対象は難しい特別なものではありません。茶碗から立ちのぼる湯気、庭木に下がったみの虫、満員電車が混む理由など、私たちが見知っている日常的なものです。だからこそ科学の苦手な人にも、興味深く読めると思います。
 半世紀以上前に書かれたこれらのエッセイは、社会に対する警告も多く含んでいます。
 それらは現代にも当てはまるもので、科学技術は日進月歩なのに、人間そのものは数十年経っても変わらないことが表れていて、なにか複雑な気持ちを起こさせます。
 この本から寺田寅彦に興味を持った方は、岩波文庫の『寺田寅彦随筆集』『柿の種』にも手をのばしてはいかがでしょうか。『柿の種』は短文集なので、この本の対象者である年若い読者にも無理なく読めると思います。

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紙の本

ありのままに

2002/07/23 23:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「寅彦の随筆の特徴をあげると、見る、聞く、匂う、触る、のような人間の五感を大事にしていることです」これは岩波少年文庫の一冊として、寺田寅彦の随筆を編集した池内了さんの言葉だが、寺田寅彦の文章の魅力を的確にとらえた、いい評価だといえる。

 寅彦の文章には飾りが少ない。俳句でいう写生そのものだ。文章とは本来事実を正しく伝えるという目的がある。それなのに人はまわりくどい書き方をしてしまう。これは自分をよく見せたいという心理が働くのだろうか。そうではなく、ありのままに伝えることが大切なのだ。そのことが、寅彦の文章を読むとわかってくる。

 僕がどんなに言葉を多くついやしたとしても、田舎の八十歳手前の母が書いた手紙の純なものに負けてしまうのは、母の文章に飾りがないからだろう。素朴な母の手紙。そこからすると、僕はあまりにも多くの余計なものを身につけすぎてしまったのかもしれない。

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紙の本

「科学者ってどんなこと考えて生きているのか」という疑問に答える

2000/07/30 09:12

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 寺田寅彦といえば『我が輩は猫である』の寒月先生のモデルとして、また、「天災は忘れた頃にやってくる」という言い回しで、有名な人物であるが、本職はれっきとした物理学者で東京大学の教授を長く務めた。しかし、何といっても『寺田寅彦随筆集』でそのほとんどを読むことができる随筆の書き手としてこそもっとも有名だろう。その随筆は科学者の目を持ちながら、夏目漱石に師事したほどの文才を併せ持つ、他では味わいがたい趣を持っている。
 本書は自身も科学者兼随筆家として名高い(bk1でもコラムニストとして寄稿中)池内了がその数ある随筆の中から選んだ随筆集である。題名にもあるように科学者寺田をほうふつとさせる随筆を選択してあり、茶碗一杯のお湯から気候まで論じてしまう有名な「茶碗の湯」など、日常の些細な出来事にも科学的に切り込んでいく寅彦の思考過程を窺い知ることができる。「科学者ってどんなこと考えて生きているのか」という疑問に答えるには最適の一冊だろう。
(田口善弘/中央大学 理工学部 物理学科 助教授 http://www.granular.com/tag/index-j.html))

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2008/12/17 23:57

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2009/10/10 15:09

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2009/10/04 07:30

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2011/05/21 16:47

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2011/11/10 01:12

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2011/12/24 13:49

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