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みんなのレビュー8件

みんなの評価4.0

評価内訳

8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

英語とどう付き合うべきか?

2016/07/17 10:46

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:マイケル - この投稿者のレビュー一覧を見る

英語ができるべきと長年言われている。他方で英語に重点を置くべきではないと言われる。我々は英語とどのように付き合うべきかについて一石を投じる書。

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紙の本

著者の危惧は十年後(2010年ごろ)の予測になっている

2011/05/06 00:06

5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る

はじめに―――これからの時代,先立つものは英語
第1章 クレージー・イングリッシュ―――英語とグローバリゼーション
第2章 イングリッシュ・ディバイド―――英語と米国支配
第3章 バイリンガル―――英語と二言語主義
第4章 イングリッシュ・プラス―――英語と多言語主義
第5章 英語公用語論 戦略―――日本の何が問われているか
第6章 英語公用語論 提案―――どこから始めるか
若い英語教師たちへの期待―――あとがきに代えて 


藤波辰巳は*,あ失礼,著者は1944年(北京)生まれ。灘中学校・高等学校を経て,東大教養学部卒業(68年,24歳)。法学博士(慶應義塾大学)。「親米保守派の経済記者」,「英語、中国語に堪能」(wiki)。ハーバード大学ニーメンフェロー。『内部』(サントリー学芸賞,83年,39歳),『通貨烈々』(吉野作造賞,88年,44歳),『アジア太平洋フュージョン』(アジア太平洋賞大賞,96年,52歳),『同盟漂流』(新潮学芸賞, 98年,57歳)。本書は56歳のときの作品。


本書は著者が『週刊朝日』や『英語展望』で公表したものを部品として拡充し,一冊化したもの。その刊行から十余年が経った。略史を確認しておくと,著者は「二十一世紀日本の構想」(故小渕首相)懇談会メンバーの一人で,英語を日本における公用語にしたいと構想したものらしい。その主張の集大成が本書。さすが日本の一流実力記者だけあって,その危惧が十年後の2010年ごろの予測になっているといえる。案の定,この十年で日本人は英語を公用語化することはできなかった。公用語化の動きはここのところ報道されていない。日本の大卒者たちは十年前と同じで英語が話せないまま。彼らはゆとり教育の無自覚な犠牲者としてたいした知力もなく,おまけに忍耐力や集中力もなく,ちょっと叱られるとふてくされ,ほめられなければやる気はおきないなどと放言する「下流社会」(三浦展)の体現だ。企業はこうした労働市場の変容に適切に対応した。すなわち,諸企業は日本語と英語の話せる中国人留学生たちや日本語と英語の話せる韓国人留学生たちを大量雇用し始めた。そう,大企業は日本人を雇用することを止めたのだ。大企業は若年層日本人を見捨てているのだ。

政府も「構想」しても実践はできなかった。週にやっと3コマ分の英語の授業は現状維持。やったことが小学校カリキュラムに英語の導入と小学校英語という大学コースの新設。総合的学習の時間に行われているのはお遊戯英語。発音に慣れさせるために英語でゲームをしてるんだとか。英語を話す訓練をしたことのない父兄だけが喜びそうな内容だ。民意を反映した政策として誠に慶賀に堪えない。シンガポールの英語教育だけでもいいから本気で観察すれば,それがいかに日本的体質に馴染まないのかがわかるはずだ。シンガポール人の言語教育の落ちこぼれたちは毎年自殺をしている。他方,日本でゆとり教育を導入した事実が馴染まないことを反面的に物語っている。英語の公用語化をシンガポールと同じように断行すれば,一部の保護者は狂ったような誹謗を投げかけてくるだろう。政治家でこれに対峙できるタマのある奴はいない。日本人は競争を捨てたのだ。「授業だけでオリンピックには出られない」(國弘正雄)とは至言だ。

(後続)(承前)

外交官は日本人最高水準の英語力を誇る人材である。国益に直接的影響を及ぼす点では英文学者などの比ではない。日本の三流大卒の凡夫として私が危惧しているのは彼らの英語力だ。彼らは最高水準の「爆弾処理班」()なのだから,“余計なお世話”などとは言わせない。歴史上有名な話だが,1941年春,野村吉三郎(駐米大使)がコーデル・ハル(国務長官(=米外務大臣))と持った話合いでは,野村の英語力があまりにも酷くて会話が成立しなかったらしい。野村は「陰気にくすくす笑い,オジギをするばかりだった」らしい(193頁)。また,どんな時代のどんな業界でも若手はロートルから未熟と怒鳴られ,ぼやかれ,不審がられる。どうも現代の外交官業界も同じで,その英語力には疑問符がついているらしい(183-4頁)。


興味深かったのは,著者の提案(第6章)である。(1)「日本の日本語,英語のバイリンガル人口を三十年後に,全体の30%,中央政府職員では50%とする目標を設定する」(220頁)とか,(2)「大学入試をTOEFLと日本説明英作文の二本立てとする」(227頁),(3)「英語教師にTOEFL受験を義務付ける」(229頁),(4)「国会議員の英語力の開示」(230頁)。取りあえず,(1)バイリンガル人口を増やすために,旧帝大(の文系)の授業はすべて英語で行うことを強制する(やってない教員はネットで学生にチクらせる)というのはどうだろう。答案はとうぜん英語。それと,中央政府職員の「50%」は低すぎる。国益を追求する専門家集団なのだから,目指すは90%だろう。また,(2)TOEFLは,レベル的にはともかく内容的にはセンター試験に似ている以上,現状でいいと思う。二次試験で英作文配点を35%くらいにすればいいだけだ。船橋がずるいのは,英作文は縦のものを横にすればいいというものではないことに気づいているはずなのに,端折って英文小論文の書き方のことを無視していることだろう。また,(3)教員に英語力更新制度をやるのはいいと思う。ただ悲惨な結果の連中はどうすればいいんだろうか? この制度を拒否する連中はどうすればいいんだろうか? こっちのほうが問題だ。(4)国会議員の英語力もそうだが,そもそも,新聞は同じ記事を英和両語で書いたらどうだろうか? ジャーナリズムに英語の公用語制度化が提言されてないのはずるい。

しかし,もっと簡単な教育改革はある。国語とは別に作文の授業を導入することか,答案作成スタイルを作文中心にすることのだ。そうすれば,あとはそれを英語化すればすむ。こちらのほうが実行可能性が高く,実効性も高いと思う。

*「藤波辰巳は*,あ失礼,・・・」(著者近影は背広を着た藤波辰巳そっくりです)
(2431字)

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紙の本

物議を醸し、未だ結論が出ていない“英語公用語論”の議論を活発にすべく海外事情通の著者が立ち上がった!

2000/09/21 21:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:杉田宏樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 故小渕恵三首相の委嘱による諮問機関「21世紀日本の構想」懇談会の報告書が提起した“英語公用語論”の中に、「国会議員の英語能力を緊急に検定し、その結果によって大臣を任命するべきかどうか決める必要がある」との一文を加えたら、どのような反応が起こっただろうか。国語学者の大野晋氏は、必然的に老人・半老人が追放され、新しい発想を遂行できる人がにほんに必要な改革をどしどし進めるに違いない、と予測する。情報化/グローバル化が急速に進行する現代社会において、国際共通語としての英語の必要性を説くなら、まず政治家が率先するべきだとは、万人が同意する痛快な名案。さっそく実現に向けて、動いてほしいものだ。長期的には英語を第二公用語にすることも視野に入れた本件、今のところある程度の問題提起にはなったが、議論を尽くすまでには至っておらず、世の中の空気は消極的な方向に傾いていると言わざるを得ない。そんな状況で、書名に「あえて」と断りを入れたのが元朝日新聞アメリカ総局長で国際通としても著名な船橋洋一氏となれば、氏ならではの卓見が披露されているはず。本書は市民感覚では現実性の薄いテーマを、世界各国の参考にするべき事例を紹介しながら日本の現状をきっちりと認識し、何をなすべきかを提言する。

 戦後日本人の多くが中学・高校の6年間英語を学ぶ歴史が約50年も続いているのに、学校での英語教育の実用性が疑問視されるのは、何も今に始まったことではない。わかっているのに改善しようとしない。日本が単一民族に近い国家だから、日本が島国だから、あらゆる意味で国民性が生温かいから−どれも当てはまる理由だ。しかし根本的な原因は危機意識の欠如にある。海外事情を知ればなおさら、世の中がもの凄い勢いで変化していることに気づいて、じっとしてはいられないだろう。今の日本が置かれている状況を明治維新に例えるのも、あながちオーバーではあるまい。もはやぼやぼやしている暇などない。実行的な方策を実践するのみ。著者は、“イマージョン”と呼ばれる外国語学習法を紹介する。これは米国の小学校で日本語教育のために、日本の小学校で英語教育のために、取り入れられているもので、外国にいるのと同じ環境につかって算数も理科も学ぶという方法。中学と高校では受験英語を撤廃し、TOFELを導入。コミュニケーション能力を高めるための訓練に重点を置いた教育を進める。著者ははっきりとは表現していないが、報道される大学生の学力低下が象徴するように、日本人、特に若者が馬鹿になっている。日本語の乱れを招いたのは英語のせいではなく、「日本において日本語と日本文化を真剣に学び、教える意志と伝承が弱まっていることに問題がある」からなのだ。このままだと、日本は間違いなく世界から取り残される。随所に共感を呼ぶ著者の見解が満載の本書、ぼくは多いに刺激を受けた。すべての国会議員は必読、ですな。 (bk1ブックナビゲーター:杉田宏樹/音楽評論家 2000.09.22)

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2010/07/11 18:47

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2011/05/05 18:30

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2011/06/19 20:23

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2011/10/04 08:50

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2019/02/12 00:12

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