紙の本
しあわせのかたち。
2015/10/26 18:30
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投稿者:ひでり - この投稿者のレビュー一覧を見る
満たされない身体。残された感情。逃れようのない死。命を削ることで成り立つ日常。それでも、現実は全てを奪い去っていくだけではない。得られたものは、小さな幸せ。
紙の本
「死」の別の顔
2001/10/18 23:56
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投稿者:nory - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホームケア・ワーカーの「私」と彼女が世話をするエイズ患者たちの大切な時間を描いたとてもシンプルで美しい物語である。何かをとりたてて大げさに訴えることもなく、ただ彼らの生活がやさしく静かに描かれている。
しかしそれは、近いうちに確実に死を迎える人たちとそれを見守るものの生活だ。患者たちは死を受け入れようと努力し、「私」はプロのケア・ワーカーとして、ときにはひとりの友人としてできる限りのことをしようとする。
この本は「〜の贈り物」という題名がついた11編の短編からなっているのだが、世話をしている方が一方的に贈り物をしていると思うのは傲慢な考えだ。先に死を迎える人たちからの贈り物は、役に立ったり、目に見えたりするものではない。体のどこかでかすかに感じるものだ。そして、当然ながらその贈り物の中身はひとりひとり違っている。
この物語を読むと、「死」というもののまったく別の顔が見えてくる。
幸せだったと死んでいけたなら、できるだけのことはすべてやったと見送れたなら、それはとても幸福な死だ。そんな死もあるのだと気づかせてくれる。
紙の本
今までにない感覚
2001/07/03 11:05
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投稿者:Mihi - この投稿者のレビュー一覧を見る
「とにかく読んでもらわないと魅力がわかってもらえない」「それってちょっとと思われる方々のなかに、実は、この本を読んだら気にいってくれる方が絶対にいるにちがいない」−−訳者あとがきにある通りになってしまった。
こういう話は苦手なはずだった。だが、この本は読めた。しかも心地よく、さわやかに。
「この手の話」にしては熱すぎない。かといって、冷たすぎない。
初めての「感覚」だった。確かに読んでみないと分からない。読んでよかったと思う。
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ケアワーカーと末期のエイズ患者たちとの日々を描いた短編集。逃げ場のない場所で勝ち目のない闘いを強いられている人々。エイズ患者を見守る友人もまた同じエイズに侵されていくという絶望的な状況。その中で一人のケアマネージャーが「もう一度、希望をもってちょうだい。」と主人公に語りかけるシーンは胸に沁みます。ご飯が食べられること、排泄が一人でできること、歩くこと、生きていること全てがありがたいとしみじみ感じました。一人でも多くの人に読んでもらいたいと心から願う作品です。
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淡々とした語り口の中にどうにもならないことと同時に暖かさが感じられます。ただ、これ、読んでみないと実際のところは分からないかと・・・。個人的には1人静かに読むのに良かったです。今は文庫版も出ているので、それも棚に入れておきました。
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ほっこり痛いショートストーリー集。ケアワーカーという仕事をこの本ではじめて知った。死ぬと決まってるエイズ患者が相手なのです。これ読むとひとに優しくしたくなる。あと、コーヒーをメリタで煎れたくなり、シナモンロールを買いに行きたくなる
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エイズ患者を世話するホームケアワーカーと、患者一人一人の交流を描く短編集。友人のように接し、受け入れそして悼む姿をストレートに伝えます。
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ブックオフの100円コーナーで手に入れたんだけど、この本を売るという決断は、私にはできそうにないなぁ。友人に貸して、それがまた誰かに渡り、ゆるやかに流れていくのが理想の本。
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「命」とか「尊厳」とか「仕事」とか「プライド」とかいろいろな読み方ができるし、どうとでも受け止められる。
感動、するけれど、感動なんて言葉で片付けたくない。レビューするのが難しい。それでも紹介したい。そんな本です。
くわしい感想⇒http://melancholidea.seesaa.net/article/14526645.html
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一切の飾りを取り去った文体と 静かすぎるほどの訳から読み取れる世界。
死を取り巻く繊細な贈り物・・・これまで気付く事のなかった類いの贈り物たち。
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AIDS患者のホームケアワーカーをする女性の視点から描かれた連作小説。
淡々とした描写で患者の生活を綴る。
何かが強烈に残っているわけではないのに、なぜか登場人物のひとりひとりが心の中に残っている。
まるでその場面を自分自身が見ていたかのように、映画のワンシーンを振り返るように思い出せる。
静かだけれど、たしかにそこにある。
命ってそういうものなのかもしれない。
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図書館で見つけた本。エイズ患者の身の回りの世話をするボランティアの女性の視点から、彼女が担当する患者たちのエピソードを連作短編集の形で綴っている。と書いてもおそらくあまり食指が動かないと思うのだが、なんといっても文章が素晴らしい。作品中に思わず引きこまれる。
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これは、本当に大切な本。
なるべくたくさんの人に読んでもらいたい。きっと文字を読めることに感謝するはず。
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外国のヘルパーさんのお話。
エイズの人専門なのかな。
病を持つ人の心の痛みとか、それに気づく主人公の心の動きとか、とにかくリアルに表現している。
現役ヘルパーさんでもここまで描写できないと思う。
人として、この本の主人公のようでありたいと思った。
この人、すごい。
訳者も、すごい。
限りなく★5に近い。
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とても好きな本です。
図書館で借りて読んだ後、購入しました。
ゼヒ皆さんにも読んで欲しい本です。