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この小説の作品たちはほぼ違う雑誌に初出されたものだが、とても関連性のある作品たちだと思う。なぜなら、人―もっと言えば、まぶたや卵巣をはじめとして、体の一部位―が、丹念に描かれているからだ。
相変わらず、作者・小川洋子のどこかひんやりとした文章の世界観がそこかしこに流れている。
決して急がせるわけでもなく、淡々と進んでいくストーリー。
今回の話は外国を訪れる者たちのものであり、「海」のような、あたたかな話とは少し違うように感じられた。
彼女らしい文章が流れてゆく。
眠りについて考える時、わたしはなぜかいつも死を思い浮かべる。このままずっと起きていたら、いつか身体が弱って死んでしまうかもしれないと心配になるからではない。人はそれぞれ自分だけの眠りの召使を雇っている。それは昼間、どこかの遠い森に潜んでいるが、夜になると森を抜け出し主人を訪ねる。そうして鼓膜の奥の骨をノックする。その合図を聞きながら人は眠りに落ちる。召使は忠実に任務を果たす。雪の日も嵐の日も、休むことなく訪問を繰り返す。しかし、いつしか次第に彼は弱ってゆく。針葉樹に囲まれた小屋の中でぐったりしていることが多くなる。それでも訪問だけは忘れない。這ってでも出かけてゆく。ある午後、召使は誰にもみとられず、ひっそりと息を引き取る。もう眠りは訪れない。それが死だ。
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小川洋子さんの作品は文章がきれいで大好きです。
一番目の飛行機で眠るのは難しい。が心に残りました。
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不思議な感じのお話ばっかりの短編集。
表題作の「まぶた」では、果たしてあの二人に肉体関係はあったのだろうか…。
「匂いの収集」は、「薬指の標本」的な感じだったな。
肉体の一部を集めるというところが。
果たして彼は殺されたのだろうか…。
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高校の現代文の教科書に「バックストローク」が載ってて、そこから行き着いて読んだ本
話の中で1番好きなのもバックストローク
最初読んだときは意味分からんと思ったけど
授業で解説を聞いたら案外単純でちょっとがっかりしたという思い出があるので
あまりこの人の本は深く考えずその意味分からん雰囲気を楽しんだ方がいいのかなと思いました
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十五の私が出会ったのは、自分の父よりも年上の男だった。
スイミングスクールがある土曜に男と会うようになり、
食事をし、バイオリンをでたらめに弾き、
ママに怪しまれないように、髪と水着をシャワーを浴びて濡らした。
ひっそりとした島で、船の操縦士だけが、私たちを見ていた。
【まぶた】
なんとも表現しにくく不思議な話。
そんなまさか~と思うような話の方が頭に残る小川洋子短編集)^o^(
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残酷で不気味な八つの短編。
飛行機内で知り合ったおばあさん。
夜になると光る中国野菜。
まぶたを切り取られたハムスター。
毛の生えた卵巣・・・
相変わらずの小川ワールド満載です。
よく分からない部分もあるし、
続きそうで終わってるし、
でもやっぱり文章が静かで引き込まれる。
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表題作は「ホテル・アイリス」の原型?好きじゃない話をここでも読むことになるとはがっかり。個人的に8作の中で、ぞっとして面白かったのは「匂いの収集」。心に響いたのは「リンデンバウム通りの双子」でした。あとはあんまり。
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小川さんらしい不思議な世界観。
繊細で脆くて、だけどその分とても美しい。
匂いの収集は、ラーメンズの採集にテイストが似てるなと思いました。
バックストロークは、高校の教科書に載ってたなぁ。
その頃は小川さんも知らなかったけど、なぜかこの話は好きでした。
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8つの短編。
どれも人と人との奇妙な出会いが書かれている。
その中で、私が一番面白かったのは、「リンデンバウム通りの双子」という題のお話。
離婚した妻の元で暮らし、ロンドンに留学している15歳の娘が事件を起こし、僕はロンドンへ向かう途中で、ウィーンへ寄る。
僕は小説を書いていて、ウィーンには、自分の小説を翻訳してくれている人がいるのだ。
初めて会うハインツという老人は、カールという双子の兄といっしょに住んでいた。
そこで交わされるハインツとの会話。彼らの歴史。戦争で分かれてしまった父親。話はしないが穏やかに二人を見守るカール。
五年もの間、足が悪く、一度も外へ出なかったハインツを僕は背負って、外へ出ることを申し出る。狭い階段を五階から降りていく3人。外はすばらしく晴れている。
作者の文章はとても美しく読みやすい。読んでいて気持ちが良い。こういう小説が自分は好きだ。場面場面の匂いを感じる。
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2012.5図書館本。
短編集。
・飛行機で眠るのは難しい
・中国野菜の育て方
・まぶた
・お料理教室
・匂いの収集
・バックストローク
・詩人の卵巣
・リンデンバウム通りの双子
特に最後の2作は好き。
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2016.01.17. 読了
不思議な話
飛行機で眠るのは難しい
中国野菜の育て方
の二つが好き。
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2.9 こわい話に寄せた不思議な短篇小説。出て来る人に悪意のある人は登場しない。どんな話だっけと読み返してしまう。不思議な読後感。文体を味わう小説。