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ファストフードが世界を食いつくす みんなのレビュー
- エリック・シュローサー (著), 楡井 浩一 (訳)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:草思社
- 発行年月:2001.8
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紙の本
ファストフード産業が引き起こす数々の問題
2002/07/22 17:07
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:uwasano - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファストフード産業の問題点を取材したルポルタージュである。
1950年前後から現在までのアメリカのファストフード産業の発展によって、様々な問題が発生してきた。若年層や外国人労働者をパートタイムで働かせて、賃金を低く抑え、労働組合結成をも阻止するという雇用問題。ジャガイモ・鶏肉・牛肉等の原料について、大手加工業界が、第一次産業従事者(牧場主・農業従事者)を搾取している問題。精肉工場の低賃金労働者の労働災害の問題。肉が引き起こす食中毒の問題。ファストフード摂取により引き起こされる肥満や、それに伴う心臓病・糖尿病・癌等の病気の問題。それらの実例の数々が指摘されていく。
一般的な、アメリカ企業は、どういう思想をもち、どういう行動をとっていくのか? ファストフード業界という、アメリカの顔とも言うべき業界の発展の歴史は、そのモデルとして適切である。それは、極限まで効率を重視して、大量生産、大量消費を目指す。市場を次々に開拓していき、成功を収める経営者も出てくる。しかし、その背後にはこの本で紹介されるような数々の歪みがある。
一番の問題は労働問題である。資本主義の黎明期に、児童労働といって、子供を労働に駆り立てていた事実がある。山本茂実(1917-98)の記録文学『あゝ野麦峠』(製糸工場)や、テレビアニメ「ペリーヌ物語」(主人公の少女・ペリーヌは、フランスの工場でトロッコを押す仕事を行う)を思い出すが、現代社会は、児童福祉法・労働法等の制定によりそれらの問題を克服した。しかし、企業は、外国人労働者や、学生のパートタイム労働者等、低賃金で雇える存在を構築し続ける。最近では、労働者のカンバン方式とも言うべき、オン・コール・ワーカー(電話1本で勤務先を告げられ、駆けつけるという雇用形態)というシステムまで作ってしまうほどである。
効率重視は結構なことだと思うが、人権を無視した方法までも許容することは出来ない。ファストフード業界は大広告とイメージ戦略により、好感度の高い業界だと思われるが、この本に書かれているような面もあることを忘れてはならない。変なことをやっている企業ならば、その製品は買わないという「自覚的消費者」になる必要がある。
紙の本
ファーストフード業界の構造的欠陥を問い直す好著
2002/01/19 22:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:上善如水 - この投稿者のレビュー一覧を見る
マクドナルドに代表されるようなファーストフード産業のシステムの落とし穴を徹底的に追及した好著。狂牛病にも触れているが、他にも鶏に与える餌に含まれる抗生物質の危険性やヒトの味覚マヒなどを指摘している。この手の本はわりと多いが、本書はファーストフード憎し、の一念で書かれたものではない。徒に消費者の不安を煽ることをせず、冷静に現状を分析している。牛肉を使用する外食産業が自社の牛肉は安全であることを懸命に主張しているが、狂牛病以外にも警戒すべき点は多いことを消費者は留意すべきだ。症状のインパクトの強さから狂牛病は特に警戒されているが、他にも食肉を媒体とした感染症は他にもある。狂牛病感染が確認された牛が一頭しかおらず、人間への感染がいまのところ確認されていない現在の日本の状況において、ことさら牛肉だけを避けるのは独立した賢明な消費者とは言えないだろう。
紙の本
ファーストフードが世界を食いつくす
2001/12/01 17:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:333 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この題名は多少誇張した表現である。けど、それを差し引いてもなかなか楽しめたし、ためになる本だった。
この本はいわずとしれたマクドナルドを中心にして、ファーストフード業界の構造や欠陥を検証し、どのような実体なのかを暴き出している。
けど、このような実体はどの業界にも少なからずもあるものなのでしかたないとは思うが、それを変えることが出来るのは消費者次第ということだろうか?