紙の本
ファストフードレストランを頂点とする産業ピラミッドの構造
2001/09/24 14:25
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投稿者:格 - この投稿者のレビュー一覧を見る
マクドナルドという会社のやりかたの汚さを暴露する本かと期待するとまったく裏切られる。もっと大きく産業構造の基本的な問題の指摘なのかもしれないが,逆に言うと,資本主義社会の構造としては,必然なのかもしれない。
マクドナルドを頂点とした食料産業には,その配下には香料業界,フライドポテト業,そして,ポテトを生産する農家,コカコーラ等の飲物の業者,そして,食肉業者に,そこへ納入する畜産業者といて,ピラミッドを構成しているわけである。そして,これらが,ローコストを要求するマクドナルドに対し,そのシェアを求めるために,大容量効率化を求める産業となっていく。そして,末端の農家や畜産業者,養鶏業者はまったく儲からない業種となっていく。このあたりの描写はまったくもって凄まじく,理解しやすい。
たとえば,鶏肉業界では加工業者は大手8社が,国内市場の約2/3を占めるに至り,そこに供給する養鶏業者は大半は1棟あたり約15万ドルを投じ,2万5千羽程度を飼育しているが,年収は,1万2千ドル程度にしかならない。それでいったい,どうやって暮らして行けるのか。しかも約半数は3年で廃業してしまう。残るのは借金ばかり。もっともそれは,資本主義社会の必然であって,マクドナルドの問題ではないとも思えるが。消費者が求めるなら,ファストフードでないレストランを栄えさせることができるはずだ,というのは楽観主義的すぎるか。
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ファストフードを食べている人には是非読んで欲しい。ファストフードが生まれた国、アメリカの実態。ファストフードが如何にずさんに作られ、如何に政治や行政をねじ曲げ、結果的に如何に市民にマイナスになっているのか。丹念の取材による事実の積み重ねであるだけに衝撃的。
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劇場で『スーパーサイズ・ミー』を観た後売店で衝動的に買った。内容は興味深いんだけど、訳本のせいか途中まで読んで止まってます。
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中学校の頃地理の授業で推薦された本だったなぁ。
米国産牛肉云々から一冊。ハンバーガーと言ったら牛肉、と言うのが一般的ですが、米国流牛の解体法などが書いてあったりします。これを読むと、今回の事件なんかは必然的かなぁ、と言う気もするのですが。
牛肉以外にも、いろんなファーストフードに関するモノが載っていたりします。
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ファーストフードばっかり食べていたときに友達が薦めてくれた><。ありがとう。あんまり食べなくなったよ。
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マクドナルドの隆盛は労働者を搾取してなりたっており、世界中の産業構造や食文化を破壊しかねないという本。でも食べてしまうんだよな……
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とても読みごたえのあるルポ。長い迫真のリポートの後の、ラストの数行の力に打たれた。今のアメリカ牛肉輸入問題についても興味深い視野を与えてくれます。
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2007/10 図書館から。安いものばかり選んで買っていくと、結局は自分にはねかえってくるのは、デフレも同じ 「肉の中身」など、衛生面での糾弾が多いけど、骨子は効率性をつきつめた結果の構造問題 日本ではおりしも、ウォルマートが西友買収にむけて動き出した、というニュースが紙面をにぎわしています(2007/10下旬現在)
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かなり衝撃的ですが、すべて実名をあげているので、かなり取材には自信があるんでしょうな。グローバリズムにも言及し、システムの問題としてとらえているところもよい。
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これを読んでから、しばらくマックは食べられませんでした。もちろんたまに食べるけども、食の安全から、業界が生み出す格差社会の実態まで、まさに日本で起きていることだと実感。当時のアメリカの話なのに、今読み返すと少し怖いです。
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ファーストフード業界だけじゃなく、アメリカの経済・歴史・文化・構造を幅広く扱っている。
全て、実名を挙げていて説得力
搾取の根深さを知る
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一緒に読んだ同居人は、コレ読んだらファーストフードに行けなくなりました。私は無性にマックのハンバーガーを食べたくなって、数年ぶりにマック入り&初めての100円マックをセットで食べてきました。
――本に書いてあった牛香料たっぷりのポテチとか、原価コストゼロに近いコーヒーとか、有害で危険度MAXのぺらぺらパテを、身をもって体感したくなったのです。マックの戦略や薄っこいパテを実感しながら食べた久しぶりのハンバーガーは、――ジャンクで嘘っこくてぺらぺらで、でも美味しいと感じてしまった。ああ私の味覚って末期だなぁと。
マックを食べて私は何を確認したかったんだろう。本に書いてあった香料の破壊力か、安いけれどあこぎな値段設定か、ウイルス危険性の高い肉のにくにくしさか……とにかく、何かをかみしめたかったんだと思います。本の内容を胸に、マックを噛みしめるという作業によって。
いかにファーストフードというジャンルが、人道的に間違えたことをして莫大な利益を上げ続け、人道に外れたことをすればするほど支持者が増えていくかという過程を丹念に丹念に記したルポルタージュ本。
取材という形で、事実を書き連ねているだけっぽいのに、見事に一方向に議論を誘導しており、著者の“書きたいこと”が“事実”を通して書かれていることがすごい。サクセスストーリーがサクセスストーリーに見えないよ。いかに人として間違えているか、っていう図にしか見えない。
子どもにマック至上主義を植え付けていく過程とか、学校とファーストフードの癒着ぶりとか、政治をする人がファーストフードでめりけんの人を削り取っていく様子とか――牛の解体光景とか、働く人の姿とか。何から何までショッキングで、かつショッキングだけで終わらない明確なメッセージ性があり、読み応えのある本でした。じゃがいも農家も牛農家も悲惨すぎます……もうアイダホ直視できないよ。
我が家の今年の流行語、『キルフロア』。(使用例:今、台所がキルフロアなので、こっち来ない方がいいですよ)
技術を必要としない職場環境っていいものなのか、よくないのか。長期的に見ればもの凄く悪いことだっていうのが、印象深かった。人が道具になったら、いろんな意味でおしまいなのですね。
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おいしいね、ハンバーガー。
不条理な労働、死
のもとで成り立っているという
現実を受け止めないといけないんですね。
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ファーストフードが生み出す
終わりのない負の連鎖。
大げさに都合のいい情報だけを
並べているだけなのかもしれないけれど
この本はわたしに考えるきっかけを与えてくれたので、星5つ。
食べ物だけじゃなくて、安いものはみんな、
どこかにしわ寄せがあって、そういう値段になっている。
何にも考えずにただ商品を選んじゃいけない。
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2001年に出版された本だが、食に対する安全を考えるうえで、示唆に富んでいる本だと思う。
ビジネスにつきもののの効率主義。いわゆるアグリビジネスにもその方程式は当てはまる。
食肉業者は、数量を維持して利益を出す為には、牛に成長ホルモンを与え、精肉工場ではコストを削減の為に、熟練職人ではなく人件費が安価なメキシコ人などの外国人を雇う。彼らはのほどんどは英語もしっかりできないため、食品衛生や安全管理についても理解できない。
O-157などの新たな食品由来疾患の増加は、産業化・集中化された食品加工システム、つまり巨大肥育場・巨大食肉処理場が病原体を広く撒き散らす構造になっていると。
食品を買ったり口にする時は、どのように生産され加工され届けられてきたかを知ろうと思ったりしますが、昨今の産地偽装問題なんて、消費者が食品を選ぶためのラベル自体が信頼ならないですし、"生産者の顔"とパッケージされた写真も偽装されたし。食品の表示義務なんて有名無実と化してるのではと政府の管理能力を疑いたくなります。
食の安全の為には、自分で作るか、面識のある生産者から手に入れるのかが本当の安全なんでしょうが。
企業の利益主義の為だけに盲従しないようにしたい 。