投稿元:
レビューを見る
孤独なピアニストの響子が、かつての恋人透子に再会する。透子はシングルマザーになっており、桐人という男の子がいた。子供が元から嫌いなうえ、桐人に愛情を持っていかれているような気がしている響子は透子を愛し続けているが、ある日透子を事故で失ってしまう。そんな時、行方不明になっている桐人の父親の友人で、彼の恋人であったゲイで美容師の照ちゃんと出会う。桐人は透子の親戚中をたらい回しにされ、響子は子供は嫌いだが、透子が事故にあった時に桐人のことを頼んできたこともあり、桐人を放っておけない。透子を亡くした喪失感からいっときは抜け殻のようになるが、照ちゃんの優しさや、梅ばあからパワーをもらい、透子の死後に関係をもった花嫁、カノンの助言もあり、照ちゃんと偽装結婚をして、桐人を引き取ることにする。
レズの話だから、ドロドロしていやらしい描写なのかと思ったけど、同性愛者だからこその葛藤や、誰にも負けない愛情、不器用さなど…細やかに描写されていて引き込まれた。大切な人を亡くしても這い上がってくる響子や、強く生きる梅ばあ、小さいからこそ手に負えなくて、まっすぐな桐人、そしてどこまでも愛情の深い照ちゃん。みんながみんな、輝いてみえた。