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世界をだました男 みんなのレビュー
- フランク・アバネイル (著), スタン・レディング (著), 佐々田 雅子 (訳)
- 税込価格:734円(6pt)
- 出版社:新潮社
- 発行年月:2001.12
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文庫
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紙の本
あいつはあいつは大変身
2002/04/09 14:34
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青月にじむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
あるときはパンナムのスマートなパイロット、あるときはハーバードロースクール卒の法律家、またあるときは悠々自適の生活を送る医師…そんな彼はなんとティーンエイジャー。
嘘のようなホントの話。裕福な家庭に生まれた彼は、金のうまみを知っていてとうとう自由を得るために家出をしてしまいます。しかしまっとうに働いて金を得るなんてまどろっこしいことするわけが無い。いきなり、パンナムのパイロットに化けて、空港、そして世界を闊歩するのです。後ろめたい気持ちよりも、断然周囲の潤んだような憧れの視線にうっとりしてしまう。絶えず聞こえる追っ手の足音を聞きながらも、小切手処理のからくりと盲点を突きながら、とうとう5年間の豪勢な逃亡生活を送ることになります。捕まってもその機転でピンチを切り抜ける。犯罪者の筈なのに読んでいるとどんどんアバネイルに引き込まれていく。その場にいたら、逃亡に荷担してたな、きっと。
しかし早足が過ぎた人生は早々に失速する。スリルたっぷりの日々にうんざりした彼は、母親の故郷であるフランスの片田舎に引っ込み、隠遁生活を送るのだけれど、ここでも「小説家」と名乗るその見栄っ張りぶりは健在。けれど、とうとう正体がばれて捕まってしまう。それにしてもフランスの当時の刑務所には犯罪者には人権を認めないようなところだったんですね。光も入らない穴倉のような牢獄で、恐ろしい拷問を受けます。しかし、悪運の持ち主とは彼のことなのか、別件の逮捕で、身柄はスウェーデンに移送されます。ここでの扱いはフランスとは天と地の差で、ここで穏やかで建設的な刑期を過ごしたあと、第二の人生をやり直すことになるんです。それが、今の詐欺対策のコンサルタント業の始まりだなんて、なんとも贅沢な人生じゃありませんか。
自分では経験したくないけど、このスリルと興奮、本だけでも十分に味わえます。美貌と運と才能を、あらぬ方向に発揮した著者本人の半生記を、とくとお愉しみあれ。
紙の本
20世紀最大の詐欺師
2002/03/18 02:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kenji - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は詐欺師、フランク・アバネイルの話である。このアバネイル氏はすごい。実にすごい(まぁ、犯罪者を誉めるのはいかがなものかもしれないが…)。16歳から21歳までに世界26ヶ国から250万ドルをも詐欺によって騙し取ったのである。本書の中では彼がパイロット、医者、法律家、大学講師と、状況に応じて様々な役を演じていき、敵役とも言えるFBI捜査官のオライリーとの逃亡劇がストーリーのメインになる。また、猛勉強と鋭い観察力で見事に役を演じきってしまうのにはただただ脱帽である。レオナルド・デカプリオ主演で映画化されるそうだが、ぜひ見てみたい。