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紙の本

前作の各論編+解題

2007/07/26 21:34

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者ご本人も「冗長」とおっしゃっているが、それが謙遜と受け取れないほど「狭い話」の細を穿ち、なおかつ長大に論じている。二部構成のうち、前半の第一部を、まるまる道徳哲学者ヘアとロールズ(及び擁護者)との対決に当てている。
この第一部、「道徳理論のパラダイム対決--ロールズとR・M・ヘア」は二つの章に分かれるが、それぞれ冒頭に章全体の見取り図(といっても図解ではない)を記してくれているので、前作と比べて少しは見通しが良くなっているのが救いか。

ヘアがロールズを論難するポイントは二つ。

《1.ロールズの方法論が主観主義、直観主義、そして人類学的道徳理論の域を出ないこと。》
《2.契約すなわち演繹のモメントは、ロールズの道徳的直観に適合するように仕立てられた、単なるお膳立てにすぎないこと。》

第一章は、1番目の論難について。論述の流れは飛ばすが、著者の下すジャッジが面白い。
奥野氏の主張である、《ヘアが表玄関から道徳的直観を追放しつつ、実はこっそりと勝手口からそれを引き込んでいる》を援用して、《これがヘアへの応答として正しい戦略の一つ(手本)であることは間違いない。》と述べる。

《パラダイムを共有しない人々のあいだで、論証・論駁は無駄(いな不可能)である。むしろ、その手のきまじめな応答よりも論敵にとって破壊的なのは、実は君も私の仲間なんだ、といってやることである。ヘアよ、君は僕のことを敵だといっているが、実は僕たちは同じ仲間(直観主義者)なのさ、これから仲良くやっていこうぜ、と呼びかけるほうが、つまらない応答をするよりも相手にダメージを与えるのである。けだしすべての人々にとって、みずからのもっとも軽蔑するものと一緒にされることほど屈辱的なことはあるまい。》

うわー、開き直りのような気もするが(笑)、搦め手から攻めるかのような、学術書としては珍しくも面白い反論術であると思った。

第二章は、2番目の論難について。仕立てではあっても果たして罪かそうではないのかという話にもっていく。説明は省くが、これもひねった結論が出てくる。
それにしても、こんな話だけで220ページあまりを費やしている。しつこいようだが「それってどうなの?(by斎藤美奈子氏)」と文句を言いたい(笑)。

第二部「ロールズ正義論の現在」は、ロールズ晩年の2冊の著書を解題している。第三章は『道徳哲学史講義』を、第四章では『公正としての正義--再説』を扱う。

これを踏まえて、短い終章でロールズへの最終評価を下す。「公正としての正義」については、《功利主義の大海に浮かぶ人工島にしか見えない》とし、ロールズは「単なるヒュームの限界内のカント」に擬されてしまう。
だがこれは、気取った言い回しをしているだけで、要は著者の前作での評価と大筋では変わるところがないのである。つまり、セットでここまで読み切っても、さほど新しく興味深い発見があるわけではないのだ。

自分で自分に、「お疲れさん」と言いたくなった次第(笑)。

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