電子書籍
2000年をコンパクトに
2016/04/22 07:29
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
2000年の歴史をコンパクトにまとめ読みやすい。
しかし本書の冒頭に書いてあった「国民国家、民族、国のために喜んで命を捨てる」という思想との関連を読みとくことは残念ながらできなかった。
むしろ最終章に書いてあった、殺人と破壊を楽しむ現代の傭兵 からISに代表されるテログループを連想した。
紙の本
「サンタ・マリア!」から「スペイン万歳!」へ
2002/07/24 10:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ベリ太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
傭兵のイメージとは。
文字通り生きるために命を懸けて金で雇われるという矛盾。
そんな側面は常にともないながらも、
彼らの一つの頂点となった16、17世紀のランツクネヒトの
暴虐ほしいままの集団でありながら、
強い仲間意識とある種の公正が支配している世界に、
人間の一つの側面を見る思いがして感慨深い。
そんな集団が歴史の主役だった時代とは?
現在残る美術品や建築物のような
光の面では読み取れない時代の様相を感じさせてくれる。
30年戦争後、勝利の勝どきが「サンタ・マリア!」から、
「スペイン万歳!」に変貌をとげるとき、
情け容赦ない暴虐な傭兵がだんだんその主役の役割を終える。
一方で国家という大義名分を持った国民兵が主役に登場するにつれ、
戦争がとめどもない殺戮戦になっていく姿は何とも皮肉である。
著者の文章はとても読みやすく面白い。
気楽に読み進められるが、読者の興味を引くような配慮を感じる。
電子書籍
傭兵の歴史
2021/02/19 09:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
古代オリエントから現代までの傭兵の歴史がまとめられている。傭兵の性質、傭兵が戦場の主役だった時代から国民軍にとって変わられる経緯など面白かった
紙の本
傭兵とは?
2018/08/30 12:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:451 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前世紀の大戦ではなぜ国家のために多くのひとが血をながしたのか?
その理由を、ちがった角度から描く。
本論には関係ないが、ナントの勅令の廃止とスイスの時計産業の関係は面白かった。
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傭兵のことが通して解る本。イタリア人に邪悪な戦争とか呼ばれちゃうほどのスイス人傭兵の戦いっぷりってどれ程だったのかと……!
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「古来、戦争とは忠誠、祖国愛といった観念とは対極に位置していた傭兵たちによって担われていたのである。それがいつしかナショナリズムにより途方もない数の人びとが祖国のために身を捨てる国民戦争に変質したのである。であるならば、これら傭兵たちの歴史を覗けばひょっとしたら近代ナショナリズムの仕組みが逆説的にほの見えてくるかもしれない。本書はこんな淡い期待のもとに書かれた」。というテーマをなんとなく踏まえながらも、『傭兵の二千年史』というタイトルに忠実な、西ヨーロッパの傭兵制度について古代ギリシャからナチスの突撃隊までを概観している本だった。いろいろ知らないことも多かったし、面白かった。
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「え〜傭兵?マジ?」
「傭兵が許されるのはフランス革命までだよね〜」
「キャハハ、ハハ、キャフタ!」
二千年史といいながら、メインは近世ヨーロッパ。
悪名高き傭兵部隊、ランツクネヒトやスイス人傭兵の
活躍を中心に、ヴァレンシュタインをはじめ戦場のプロデューサである
傭兵隊長の生き様が描かれる。
ナショナリズムの誕生を傭兵を道具に逆説的に説いた一冊。
描き方がかっこよすぎて、むしろガリガリ読めなかった。
「戦争」のスタイルを別の視点で知ることが出来た。
兵站ってのは重要だなあ。太平洋戦争よろしく、ああいうことになって困るのは現地民ということか。
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国民軍という概念が未だないフランス革命以前、戦争の主役を担っていたのは王侯でも諸侯でも貴族でもなく、「傭兵」という戦闘の、いや、「戦争商売」のプロ達であった。
彼等にとって戦争とは、生きる為の商売であり、また存在理由でもあった。だからこそ彼等は戦争に柔軟に対応をした。彼等が活躍した時代の戦闘に歯切れの悪さが多いのはそのためである。
時代は少しずつ、動き、傭兵が生きる為のための戦争ではなく、王侯等の覇権のための戦争となる。
傭兵達はどうなっていくのか。各時代の名将達を挙げながら、彼等、傭兵達の路を本書は辿っていく。
(2009/5/5読了)
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世界史は必修で軽くやった程度なので少し面白みが減りました残念です。
傭兵は世界で二番目に古い職業。
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血の輸出――スイス傭兵部隊とは国家管理の傭兵であった。しかも州政庁による強制徴募など必要なかった。働き口のない屈強な若者たちが先を争って傭兵募兵に応じたのである。17世紀、フランスの太陽王ルイ14世のある高官が、スイスの司令官に「スイスの傭兵に支払う賃金は金の延べ板にしてパリからバーゼルまでの道を覆い尽くしてしまう」とスイス人の金の亡者ぶりに不平を言い募った。するとその将軍はすかさず、「フランスのためにスイス人の流した血潮はパリからバーゼルに至るありとあらゆる河川に満ち溢れている」と切り返した。たしかに「金のないところスイス兵なし」と言われるほど貪欲に金と略奪品を求めてヨーロッパ諸勢力の傭兵となったスイス傭兵部隊だが、なんといっても最大のお得意様はフランスであった。フランスのために300年間で50万以上のスイス兵が命を落としたと言われている。そのためか、フランス最古参の連隊「ヒカルディ」の連隊旗はスイス傭兵に敬意を表して白地に赤十字となっている
2003年4月6日読了
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傭兵ピエールを読む前に傭兵について勉強しておこうと思って
読んでみたわけなんですけど、傭兵ってけっこう深かったです。
ナショナリズムって比較的近代の概念なんだなー、みたいな。
2010/3/6読了
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本書のテーマは、古代ヘレニズムから近代に至るまでのヨーロッパ世界における「戦争の担い手」の姿を描き出すことにある。現代において一般的な徴兵や志願兵による国民軍は、必ずしも世界史においてはスタンダードな軍隊ではない。むしろ、中世から近世のヨーロッパにかけて、常に戦争の中心にいたのは、タイトルにもある「傭兵」であった。中でも、スイス人傭兵やランツクネヒトは至る所に出没し、戦争の趨勢を左右している。スペインハプスブルク家の栄光と没落にもこの傭兵戦力が関わっている。マウリッツ・オラニエやグスタフ・アドルフは、徹底した軍制改革よってランツクネヒトを時代遅れなモノとし、それぞれオランダとスウェーデンを歴史の表舞台に引き上げた。時代とともに移り変わる傭兵像を追いかければ、ヨーロッパ史が一層楽しくなる。高校時代にこういう本を読んでいたら、きっと世界史に苦手意識なんて持たなかったんだろうなぁ。
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[ 内容 ]
古代ギリシアの民主制の崩壊に始まり、中世を経て、ナポレオンの時代に至るまで、歴史の転換点で活躍したのは多くの傭兵たちだった。
[ 目次 ]
クセノフォンの遁走劇
パックス・ロマーナの終焉
騎士の時代
イタリア・ルネッサンスの華、傭兵隊長
血の輸出
ランツクネヒトの登場
果てしなく続く邪悪な戦争
ランツクネヒト崩壊の足音
国家権力の走狗となる傭兵
太陽王の傭兵たち
傭兵哀史
生き残る傭兵
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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20101222
やる夫のマリアテレジア?で紹介されてて読んだ本
スイス傭兵とかドイツ傭兵(ランツクネヒト)とかが良く分かる。
関連するので戦術の進化も少しふれられている
(それは別途調べた方がいいが。ファランクスでアララララーイ!とか)
ドイツ農民戦争も触れられていて、中身を初めて知った
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グスタフ・アドルフによる軍制改革の完成、これを読みたくて手に取った本ですが、全体的にも非常に面白かったです。特にスイス傭兵やランツクネヒトがヨーロッパを席巻していたというのは興味深かったですね。
そして傭兵に代わって常備軍が、まず商業が発達していたオランダで導入され、マウリッツが近代的な軍制改革を行う。その流れを受け継ぎ、完成させたのがグスタフ・アドルフです。彼が作り上げたスウェーデン軍の強さは三十年戦争で実証されます。
傭兵という視点から見る中世~近代のヨーロッパ史もまた、味わい深いものがありますね。