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「え〜傭兵?マジ?」
「傭兵が許されるのはフランス革命までだよね〜」
「キャハハ、ハハ、キャフタ!」
二千年史といいながら、メインは近世ヨーロッパ。
悪名高き傭兵部隊、ランツクネヒトやスイス人傭兵の
活躍を中心に、ヴァレンシュタインをはじめ戦場のプロデューサである
傭兵隊長の生き様が描かれる。
ナショナリズムの誕生を傭兵を道具に逆説的に説いた一冊。
描き方がかっこよすぎて、むしろガリガリ読めなかった。
「戦争」のスタイルを別の視点で知ることが出来た。
兵站ってのは重要だなあ。太平洋戦争よろしく、ああいうことになって困るのは現地民ということか。
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国民軍という概念が未だないフランス革命以前、戦争の主役を担っていたのは王侯でも諸侯でも貴族でもなく、「傭兵」という戦闘の、いや、「戦争商売」のプロ達であった。
彼等にとって戦争とは、生きる為の商売であり、また存在理由でもあった。だからこそ彼等は戦争に柔軟に対応をした。彼等が活躍した時代の戦闘に歯切れの悪さが多いのはそのためである。
時代は少しずつ、動き、傭兵が生きる為のための戦争ではなく、王侯等の覇権のための戦争となる。
傭兵達はどうなっていくのか。各時代の名将達を挙げながら、彼等、傭兵達の路を本書は辿っていく。
(2009/5/5読了)
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世界史は必修で軽くやった程度なので少し面白みが減りました残念です。
傭兵は世界で二番目に古い職業。
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血の輸出――スイス傭兵部隊とは国家管理の傭兵であった。しかも州政庁による強制徴募など必要なかった。働き口のない屈強な若者たちが先を争って傭兵募兵に応じたのである。17世紀、フランスの太陽王ルイ14世のある高官が、スイスの司令官に「スイスの傭兵に支払う賃金は金の延べ板にしてパリからバーゼルまでの道を覆い尽くしてしまう」とスイス人の金の亡者ぶりに不平を言い募った。するとその将軍はすかさず、「フランスのためにスイス人の流した血潮はパリからバーゼルに至るありとあらゆる河川に満ち溢れている」と切り返した。たしかに「金のないところスイス兵なし」と言われるほど貪欲に金と略奪品を求めてヨーロッパ諸勢力の傭兵となったスイス傭兵部隊だが、なんといっても最大のお得意様はフランスであった。フランスのために300年間で50万以上のスイス兵が命を落としたと言われている。そのためか、フランス最古参の連隊「ヒカルディ」の連隊旗はスイス傭兵に敬意を表して白地に赤十字となっている
2003年4月6日読了
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傭兵ピエールを読む前に傭兵について勉強しておこうと思って
読んでみたわけなんですけど、傭兵ってけっこう深かったです。
ナショナリズムって比較的近代の概念なんだなー、みたいな。
2010/3/6読了
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本書のテーマは、古代ヘレニズムから近代に至るまでのヨーロッパ世界における「戦争の担い手」の姿を描き出すことにある。現代において一般的な徴兵や志願兵による国民軍は、必ずしも世界史においてはスタンダードな軍隊ではない。むしろ、中世から近世のヨーロッパにかけて、常に戦争の中心にいたのは、タイトルにもある「傭兵」であった。中でも、スイス人傭兵やランツクネヒトは至る所に出没し、戦争の趨勢を左右している。スペインハプスブルク家の栄光と没落にもこの傭兵戦力が関わっている。マウリッツ・オラニエやグスタフ・アドルフは、徹底した軍制改革よってランツクネヒトを時代遅れなモノとし、それぞれオランダとスウェーデンを歴史の表舞台に引き上げた。時代とともに移り変わる傭兵像を追いかければ、ヨーロッパ史が一層楽しくなる。高校時代にこういう本を読んでいたら、きっと世界史に苦手意識なんて持たなかったんだろうなぁ。
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[ 内容 ]
古代ギリシアの民主制の崩壊に始まり、中世を経て、ナポレオンの時代に至るまで、歴史の転換点で活躍したのは多くの傭兵たちだった。
[ 目次 ]
クセノフォンの遁走劇
パックス・ロマーナの終焉
騎士の時代
イタリア・ルネッサンスの華、傭兵隊長
血の輸出
ランツクネヒトの登場
果てしなく続く邪悪な戦争
ランツクネヒト崩壊の足音
国家権力の走狗となる傭兵
太陽王の傭兵たち
傭兵哀史
生き残る傭兵
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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20101222
やる夫のマリアテレジア?で紹介されてて読んだ本
スイス傭兵とかドイツ傭兵(ランツクネヒト)とかが良く分かる。
関連するので戦術の進化も少しふれられている
(それは別途調べた方がいいが。ファランクスでアララララーイ!とか)
ドイツ農民戦争も触れられていて、中身を初めて知った
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グスタフ・アドルフによる軍制改革の完成、これを読みたくて手に取った本ですが、全体的にも非常に面白かったです。特にスイス傭兵やランツクネヒトがヨーロッパを席巻していたというのは興味深かったですね。
そして傭兵に代わって常備軍が、まず商業が発達していたオランダで導入され、マウリッツが近代的な軍制改革を行う。その流れを受け継ぎ、完成させたのがグスタフ・アドルフです。彼が作り上げたスウェーデン軍の強さは三十年戦争で実証されます。
傭兵という視点から見る中世~近代のヨーロッパ史もまた、味わい深いものがありますね。
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傭兵は人類最古の職業だとか。近代〜現代に至る常備軍制度が成立する前の戦争の担い手は、期間労働者である傭兵でした。つまり彼らが歴史を動かしてきたのです。本書はこの傭兵の歴史を簡潔にまとめた良書です。
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『傭兵ピエール』を読むついでに参考になるかと思いつつ読んでみた一冊。ヨーロッパにおける「傭兵」の歴史上の影響について論じる。
傭兵は娼婦に続いて世界で2番目に古い職業。ローマ帝国滅亡の要因の1つに、ゲルマン人傭兵の増加があったことは有名である。また、中世の宗教勢力と王侯勢力の対立、ルネサンスと宗教改革の時代、近代国民国家の成立といった歴史の転換期には必ずと言っていいほど傭兵が絡んでいたこと。
興味深かったのは「ランツクネヒト」という主に貧農の次男以降から構成される傭兵部隊について。兵士集会と呼ばれる現在の労働組合に似た民主主義的な傭兵の組織があること、現在のベンチャー起業家のような感覚でランツクネヒトを立ち上げる者が多かったこと、酒保商人という食糧だけでなく、武具や雑貨、女に至るまで提供する御用達商人が存在したというのは知らなかったので驚きである。
他にも興味深い記述はある。また、三十年戦争による中間層(領主、諸侯層)の没落で王権の絶対化が進んだ頃にも傭兵は深く時代に関わりを持っていた。
有名なボヘミアの傭兵隊長・ヴァレンシュタインが神聖ローマ帝国皇帝から徴税権を獲得し、略奪の合法化と効率化を進めた上に、ユダヤ人金融資本家から融資を受けて15万人の傭兵隊を組織する。また、ヴァレンシュタインと戦ったスウェーデン王であるグスタフ・アドルフも自国の人口100万人の内、13万人を徴兵しようしたところ、欠員が出たためにそれを外国人傭兵で補った。三十年戦争は傭兵同士の戦争でもあったのだ。
近代になると国家の一体化という観点から徴兵制を導入する国が増加する。一方で傭兵の出番が減り、20世紀以降、組織や兵器の専門化が進むと志願兵制の国が増えて、活躍する傭兵が再び出てくるなど、軍隊を取り巻く環境も目まぐるしく変化する。今後どうなるやら…
著者は日本史と対比させて語るのが好きなようで、わかりやすく解説してくれている。なかなか勉強になった一冊。
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高校時代が日本史専攻だから人名をすぐ忘れんなー。
現代の世界の動きを判断するのに歴史勉強は必須なのでー。
あとは個人の備忘録。
スイス誓約同盟
クオリフォン
フリードリッヒ一世 バロバロッサ 赤髭王
マクシミリアン一世
ランツクネヒト
ゲオルク・フォン・フルンツベルク
カルヴァン主義(改革長老教会)
ナントの勅令
ユグノー戦争
マウリッツ・オライエ
グスタフ・アドルフ
ヴァレンシュタイン
フリードリッヒ大王
マリア・テレジア
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傭兵史を俯瞰する形でコンパクトにまとまっていてよい。
ファンタジーで傭兵や傭兵団を出す人は、自分の書くものが
どの辺に近いのかを把握するとよいと思う。
私の書いているアレクトー傭兵団は、「血の輸出」と言われたスイスが
モデルですが、うん、傭兵史という流れの中で、どういうものだったのか
位置づけられているのを読むと、なかなか興味深かった。
スイスに時計産業が発達した一つの理由が、傭兵史に見えて来るとは
なかなか事実は小説よりも…。
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20120321-0326
旦那のお勧め。テンポよくまとめられている。世界史で習ったキーワード的な出来事(ドイツ30年戦争や農民戦争、神聖ローマ帝国の解体など)と、傭兵の活躍がうまくリンクしていてとても興味深く読めた。出来れば近現代の傭兵についてももっと詳しく触れてほしかったな。
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古代ギリシャからナポレオンの時代に到るまでの傭兵の歴史の概説。基本的には封建制度の中で、ニッチ産業として発達した傭兵が近代には巨大な勢力となったけれども、国民国家の誕生によって意義を失っていく……ということが書かれている。ただ、傭兵という業種は滅びず、現代のイラク戦争にまで伝統は続いている。
私が思うに、兵隊の活用が制限されると、制限外の活動を金で請け負う「傭兵」が栄えるのかな。現代のアメリカ軍が雇う傭兵的な警備会社や、フランスの外人部隊なんかは、そういうイレギュラーなことを遂行するのが主な目的になっている。士気と規律で雁字搦めになった軍隊とは別の「傭兵」という枠組みから目を逸らしてはいけないと思う。
ヨーロッパの傭兵の歴史がこの一冊でだいたい分かるので、その点ではお得な一冊だとは思うものの、アジア(中国と日本)についての記述がないのはマイナス点。この辺りの研究が立ち後れているからかもしれないけれど。