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高い評価の役に立ったレビュー
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2007/04/24 16:31
英国人の傲慢さ
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大英博物館を見た心ある日本人なら一度は、こう呟くはずだ。「まるで泥棒市場ですな。。。」英国人がカネと権力に物を言わせてかき集めた戦利品をこれ見よがしに展示する傲慢さ。それをただで見せてやるからと恩に着せるあつかましさ(これを「英国人が文化に取り組む姿勢が違う」などと「評価」してしまう、呆れた外国かぶれの自称インテリも日本にいるので始末に悪いのだが)。なかでも悪趣味の一語に尽きるのが、「ミイラ」の展示だろう。あれは高貴なるエジプト人を埋葬したものだろう。平たく言えば「死体」だ。その墓を暴き、ひとつでは足りず数百も墓を暴き、そこに埋葬された遺体を本国に持ち帰って展示する無神経ぶり。エジプト人がテロリストになって英国に復讐しようと誓ったとしても、私は不思議ではないと考える。イランから、イタリアから、ギリシャから、宮殿のレリーフや御神体、石像を根こそぎ引っぺがして「展示」してしまう「傲慢」。むかしギリシャの文化大臣が大英博物館に対しギリシャの国宝たる神殿(の一部)を返せと迫ったことがある。それに対する英国人の答えがふるっていた。「お前らギリシャ人のような貧乏で民度の低い連中に、人類共通の遺産たる古代ギリシャ神殿(の一部)の管理なぞ、任せておけない。これは我が大英帝国が責任を持って永久にこれを管理する」これを言われたギリシャが、よく英国に対し宣戦布告しなかったものだと、聞いているこちらのほうが感心したくらいだ。ただ英国人に学ぶべき点は多い。こういう唯我独尊振り、こういう他者の気持ちを一切顧みない自己中心的使命感が無ければ、「日の没することのない大英帝国」は建設できなかったのであろう。インドを征服したとき、被制服民たるインドのマハラジャのほうが征服者たる英国人より遙かに豊かで文化程度も高かったという。金襴緞子で着飾り、宝石をちりばめられたマハラジャの大宮殿を訪れた英国人は、しかし全く気圧されず、ひるむことは無かったという。なぜなら「キリスト教文明の恩恵に浴しない、化外の民が、分不相応な財宝を掻き集めても何の意味もない」と見下し、轟然と睨み返していたのだという。「やはり日本は遅れている」と刷り込まれた日本人とは大違いである。私は今夏、家族でロンドンを訪れる。往復ビジネスクラスを使用しての大名旅行だが、大英博物館を訪れる際は、本書を子供たちにも読ませた上で、世界を支配した英国の狡猾さ、ずるさ、傲慢さについても、しっかり子供たちに教えていきたいと思う。海外の経験から学ぶということと、外国のマイナス面に目をつむる(あばたもえくぼ)こととは別物である。リアルに冷静に外国を評価するというスタンスを、私は次世代を担う日本人にも是非身に着けてもらいたいと願っている。
低い評価の役に立ったレビュー
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2002/06/11 22:15
凡百のタレントの旅行記とは、一線を画すビートたけし氏の体当り見聞録
投稿者:牛尾篤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビートたけし氏は、生死の境をさまよったバイク事故の後、大英博物館に行きたくなったそうだ。
「生きてた証」の巣窟である大英博物館に行けば、自分の「生きている意味」がわかるかもしれない、本書は、そんなたけし氏の体あたり、大英博物館見聞録である。
まず、古代エジプトのコーナーに飛び込んだたけし氏は、ラムセスII世像の大きさに驚き、それを丸太の上にのせて船まで運んだイギリス人の執念にあきれかえる。ロゼッタストーンにいたっては、二つに割って一方をエジプトに返してはどうかと、提案する。
王様のペットだったらしい、ウナギのミイラを作らされたミイラ職人を気の毒がり、自分が王様だったら、たくさんのオネエちゃんのミイラと、デカイ棺桶に入るのだそうだ。やっぱり、ビートたけしはこうでなくては。
第二章、アッシリア。エジプトの部屋の隣のこのコーナー。ついでに立ち寄るぐらいの、気軽な気持ちだったというたけし氏は、巨大であるにもかかわらず、繊細な彫刻がほどこされた、「人面有翼雄牛像」を見て考えを改める。
特にたけし氏が、くぎづけになったのが上・中・下の三段に、ライオンをとらえるまでの物語が彫られた「バニパル王のライオン狩り」と題されたレリーフである。このレリーフが作られた時、日本はまだ縄文時代ということにも驚くけれど、矢が体にささり、苦悶の表情をうかべるライオンの姿に、まるで映画の中のワンシーンを見るように、ひき込まれてしまう。
何でもかんでも、興味あるものを世界中からコレクションしてしまったイギリス人をののしりながら、大英博物館に魅せられて、これからも世界中から人はやってくるだろう、というたけし氏。
貧乏になっても、人にほこれるものがあるのか日本人、というたけし氏の言葉に、あなたはどう答えるか。 (bk1ブックナビゲーター:牛尾篤/画家・イラストレーター 2002.06.12)
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紙の本
英国人の傲慢さ
2007/04/24 16:31
11人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大英博物館を見た心ある日本人なら一度は、こう呟くはずだ。「まるで泥棒市場ですな。。。」英国人がカネと権力に物を言わせてかき集めた戦利品をこれ見よがしに展示する傲慢さ。それをただで見せてやるからと恩に着せるあつかましさ(これを「英国人が文化に取り組む姿勢が違う」などと「評価」してしまう、呆れた外国かぶれの自称インテリも日本にいるので始末に悪いのだが)。なかでも悪趣味の一語に尽きるのが、「ミイラ」の展示だろう。あれは高貴なるエジプト人を埋葬したものだろう。平たく言えば「死体」だ。その墓を暴き、ひとつでは足りず数百も墓を暴き、そこに埋葬された遺体を本国に持ち帰って展示する無神経ぶり。エジプト人がテロリストになって英国に復讐しようと誓ったとしても、私は不思議ではないと考える。イランから、イタリアから、ギリシャから、宮殿のレリーフや御神体、石像を根こそぎ引っぺがして「展示」してしまう「傲慢」。むかしギリシャの文化大臣が大英博物館に対しギリシャの国宝たる神殿(の一部)を返せと迫ったことがある。それに対する英国人の答えがふるっていた。「お前らギリシャ人のような貧乏で民度の低い連中に、人類共通の遺産たる古代ギリシャ神殿(の一部)の管理なぞ、任せておけない。これは我が大英帝国が責任を持って永久にこれを管理する」これを言われたギリシャが、よく英国に対し宣戦布告しなかったものだと、聞いているこちらのほうが感心したくらいだ。ただ英国人に学ぶべき点は多い。こういう唯我独尊振り、こういう他者の気持ちを一切顧みない自己中心的使命感が無ければ、「日の没することのない大英帝国」は建設できなかったのであろう。インドを征服したとき、被制服民たるインドのマハラジャのほうが征服者たる英国人より遙かに豊かで文化程度も高かったという。金襴緞子で着飾り、宝石をちりばめられたマハラジャの大宮殿を訪れた英国人は、しかし全く気圧されず、ひるむことは無かったという。なぜなら「キリスト教文明の恩恵に浴しない、化外の民が、分不相応な財宝を掻き集めても何の意味もない」と見下し、轟然と睨み返していたのだという。「やはり日本は遅れている」と刷り込まれた日本人とは大違いである。私は今夏、家族でロンドンを訪れる。往復ビジネスクラスを使用しての大名旅行だが、大英博物館を訪れる際は、本書を子供たちにも読ませた上で、世界を支配した英国の狡猾さ、ずるさ、傲慢さについても、しっかり子供たちに教えていきたいと思う。海外の経験から学ぶということと、外国のマイナス面に目をつむる(あばたもえくぼ)こととは別物である。リアルに冷静に外国を評価するというスタンスを、私は次世代を担う日本人にも是非身に着けてもらいたいと願っている。
紙の本
これたけしさんの自著ですか?どうもおかしいような気がします。
2002/06/13 23:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:c-bk - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘンだなと思うのは、ひとつは、自分を「おいら」と表現して文章が書かれるのですが、たけしさんの口調にしようとしながら、途中で「隔絶」とかへんな熟語が挿入されていることです。しゃべり言葉で書くならそれで徹底すればよいのに、なんか「口調にしよう」とするのが中途半端な感じです。次に夏目漱石の文章の引用があること。これってたけしさんのスタイルじゃないと思うのですが。最後に「まじめに働く日本のおじさん」を罵って、見下したような文章があること。たけしさんは毒舌家ではありますが、苦労人(僭越ですが)だと推測します(売れない芸人の時代が長かったかと思います)。そんな人が表明する意見じゃないと思うのです。どうも「たけしさん風」に書こうとした他人の文章ではないかと。文章はなしで、写真とその説明だけで十分な本です。文章は、いただけません。
紙の本
凡百のタレントの旅行記とは、一線を画すビートたけし氏の体当り見聞録
2002/06/11 22:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:牛尾篤 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ビートたけし氏は、生死の境をさまよったバイク事故の後、大英博物館に行きたくなったそうだ。
「生きてた証」の巣窟である大英博物館に行けば、自分の「生きている意味」がわかるかもしれない、本書は、そんなたけし氏の体あたり、大英博物館見聞録である。
まず、古代エジプトのコーナーに飛び込んだたけし氏は、ラムセスII世像の大きさに驚き、それを丸太の上にのせて船まで運んだイギリス人の執念にあきれかえる。ロゼッタストーンにいたっては、二つに割って一方をエジプトに返してはどうかと、提案する。
王様のペットだったらしい、ウナギのミイラを作らされたミイラ職人を気の毒がり、自分が王様だったら、たくさんのオネエちゃんのミイラと、デカイ棺桶に入るのだそうだ。やっぱり、ビートたけしはこうでなくては。
第二章、アッシリア。エジプトの部屋の隣のこのコーナー。ついでに立ち寄るぐらいの、気軽な気持ちだったというたけし氏は、巨大であるにもかかわらず、繊細な彫刻がほどこされた、「人面有翼雄牛像」を見て考えを改める。
特にたけし氏が、くぎづけになったのが上・中・下の三段に、ライオンをとらえるまでの物語が彫られた「バニパル王のライオン狩り」と題されたレリーフである。このレリーフが作られた時、日本はまだ縄文時代ということにも驚くけれど、矢が体にささり、苦悶の表情をうかべるライオンの姿に、まるで映画の中のワンシーンを見るように、ひき込まれてしまう。
何でもかんでも、興味あるものを世界中からコレクションしてしまったイギリス人をののしりながら、大英博物館に魅せられて、これからも世界中から人はやってくるだろう、というたけし氏。
貧乏になっても、人にほこれるものがあるのか日本人、というたけし氏の言葉に、あなたはどう答えるか。 (bk1ブックナビゲーター:牛尾篤/画家・イラストレーター 2002.06.12)
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