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みんなのレビュー264件

みんなの評価4.1

評価内訳

261 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

スクランブル人間交差点

2003/02/15 22:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:竹井庭水 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「夜が好きなんだ」と泥棒は今日も盗みに入った。「救われたい」と青年は信者になった。「あの女のせいだ」と女は不倫相手の妻を殺すことにした。「働きたいんです」と無職の中年は肩を落とした。「金で買えないものはない」と画商はふんぞり返った。泥棒が失態をおかし、青年が神の解体を知り、不倫カップルが車で人を轢き、中年が老犬と拳銃を手に入れ、画商が新幹線に乗ったとき、物語は急速に動き始める。

五つの人生が本人の知らぬところで交錯して干渉して邪魔して手助けして陥れて癒してと、大混乱の人生狂想曲。これに「バラバラ死体が元通りにくっついて歩きだす」という都市伝説が現実になったりしてなんかして、もうエンタテイメント満載。ラストでは全体を包む大仕掛けも明かされて、おなかいっぱいでご馳走様です。

中盤にかけては徐々に絡んでくる程度なんだけど、実は伏線がそこかしこに張られているのが凄い。「この人達絡んでますよー」と見せつけるんではなく、そこで絡んでいたのか!と後で気づかせることで全体像を一気に浮かばせる。この辺が同じ多重人生交錯もの恩田陸『ドミノ』とは違う感じ。巧みな言葉回しでそれぞれの人生も深く面白く描かれているし、これはナイス! 十人十色の人生模様を照らすのはたった一つの太陽。日はまた昇り繰り返していく。

【初出:イノミス】

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紙の本

犬がね、なんかいいんですよ。

2005/01/31 02:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ざれこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂氏の本の中でも格別評判がよかったので
楽しみに読みましたが、本当に面白かった。

様々な人々が犯罪に関わっていきます。
泥棒の黒澤は順調に空き巣を繰り返し、
リストラされた男は小汚い柴犬と、そして何故か銃を手に入れてしまい、
カウンセラーの京子は愛人の妻を殺そうと画策し、
新興宗教の信者は、神である教祖を「解体」しようともちかけられ、
画家は恩人の画商を裏切り金のある画商につき二人で電車に乗っている。
そんな彼らのエピソードがばらばらに語られるのだが…

複数のエピソードが一つになっていく小説、最近わりとあると思いますが、
それでもこれは見事と言うほかないですねえ。つながり方が面白すぎる。
表紙のエッシャーの絵のように、ぐるぐるなんですよ。ぐるぐる。

トリッキーな小説で、なおかつかなり陰惨な事件も扱ってるのも関わらず、
人物がちゃんと人間くさく、それぞれの悩みを持って普通に懸命に生きている。
それを描く視線が優しく、策におぼれない温かさが全編に漂っているのがまた、よい。
泥棒の黒澤がかっこいい。仕事に誇りを持ち?プロとしてこなしていく
その感じ。皮肉っぽくてでもいい奴。ステキ。
そして登場人物の会話がすごく洒落てて、またかっこいい。

あと、犬が重要ってのもいいですね。和む和む。
柴犬を見ると首輪が気になるようになった今日この頃…

それにしても神って何だろうねえ。なんて考える。
彼らを俯瞰する読者の私の立場とすると、
それぞれ必死にいろんな思惑を持って生きてる彼らがうごめく様が
まるで私とその周り(今日すれ違った人とか電車でいつも会う人とか)が
生きている様子と重なったりもして、不思議な感覚。
誰かが、私たちが頑張ってるのを眺めていてくれたらいいのにな。なんて。

軽くて洒落てて凝ってて、でもなんだか深い小説でした。
あと微妙なことなんだけど、場面が変わるたびに挿絵がちょこんとついてるのも好き。
犬と男の小さなイラスト、とか。ややこしい話がこれだけで断然わかりやすい。

読み終えてから表紙のエッシャーを眺めると感慨ひとしおです。

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紙の本

神は内臓か蚊

2004/09/15 03:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青木レフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「マグノリア」(←「パルプフィクション」や「スナッチ」ではなく)を思い出す多重進行型。11人(神・犬含む)の主要人物が五つの舞台で、プレイしリンクしステッチしリレーする。
俺の中の無職小説のベストスリーに入れても良いと思った。(他二つは村上春樹「ねじまき鳥クロニカル」とジョージ・オーウェル「パリ・ロンドン放浪記」)
文体は軽いが泣かす。寓話っぽい所もあるので、細かいリアリティは期待しないこと。


(放射byガイガーカウンタンカ)

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紙の本

伏線が鮮やかなモザイク・ミステリ

2004/05/24 19:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:祐樹一依 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ゆらゆらと頼りない浮遊物のように並べられた5つの物語。それらが何らかの関連を抱いた断片であろうことには初期の段階で誰もが気付くはず。そしてそれらに緻密に張られた伏線が、終盤、鮮やかに結びついていく。伊坂幸太郎のミステリは、伏線の張られ方がとても鮮やかだと思うのですが、本作はまさに秀逸。伏線を追う再読も、とても楽しいだろうな。

 謎解き物語がミステリの真髄であるのならば、この物語は推理小説としてのミステリとは趣を異にするのでしょう。厳密に言えば、作中に解かれねばならない謎などというものは存在しないのかもしれない。無論、読者の前には「死体が突如バラバラ死体となり、更にはその死体がくっついて歩き出す」なんていう離れ業が披露されます。けれども、魅力的な読者の抱える謎を解くのは、作中の探偵ではなくて読者自身であるべきであるかのような構成。つまり、ミステリである必要はないんです、この物語は。

 実際、本書の読みどころは、ミステリとしての仕掛けを読み解くことではなくて、多彩な登場人物たちの「生き様」のような、人生観のような…、人生という一つの物語の断片がどう形を見せていくのか、だと思います。

 しかし、この物語を最も読者に印象を与えようとするためには、この形で描かれることが最良であるように思う。この本が「ミステリのための物語」ではなくて、「物語のためのミステリ」であるところに、僕は最大の評価をしたいと思います。

 全編に渡るテーマとなっているエッシャーの騙し絵と「ラッシュライフ」という曲、或いは言葉。それぞれがそれぞれの解釈に導かれ、時には切なく、時には暖かく、観客でしかない読者を、己の抱くことになる何かへと導くのかもしれません。

(初出:CANARYCAGE)

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技法を超えたセンス

2003/12/12 02:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:庵理 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 あらすじ文には「無関係に思えた五つの物語」とありますが、ひとつの小説なのだから無関係なわけはありません。
 変則の錯時法を使用した複数シナリオの同時展開という物語の技法は確かに目を引くのですが、このトリック(筆者の伊坂さんはたぶんこれをトリックとして書いているわけではないでしょうが)には初めから気がつくし、伊坂さんも当然に読者が気づくように書いているので、そこは問題でもないし注目点でもありません。
 みるべき部分はその技法と物語との融合、あるいは人物たちのとの融合です。複数の物語が錯綜し、お互いに干渉しあって個々の人間の運命が選択されていく、自分の人生の分岐路は、赤の他人の人生の過程と結果によって目に見えないところで選択されているのだ、という、よく考えるとすごく怖いことが描かれています。
 神様のきまぐれ的な「偶然」の裏側を見たら、やっぱりそれは「必然」だったのね、という、世界の舞台裏を見たような気分。
 すべてお見通しな神様は、物語内に登場する老犬ではなくって、読者なのでしょうね。で、その神である読者を解体しているのは、筆者の伊坂幸太郎氏。
 うーん、欠点が少ない小説です。手法はバッチリだし、テーマも深い。それに加えて、文章も素敵。この文体がまたみずみずしくて良いのです。艶があるというか、色っぽいというか、とても綺麗な文章のセンスなのです。
 ちょっと褒めすぎたので、無理矢理に欠点を上げてみましょう。物語冒頭、ある人物の回想シーン。土砂降りの雨の夜、橋の上で、川を泳いでいる人間の音が聞こえた、とあります。がしかし、雨が降っていて、なおかつ橋の上なんかにいるのに、水泳の音なんか聞こえるわけがないだろうにっ(笑)。
 と、こんな些細な部分しか、欠点をあげることができません。もしかしたら雨でも水泳の音が聞こえるような場所もあるかもしれないしね。
 うむぅ、伊坂氏すばらしい。とっても期待の作家さんです。

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2004/10/10 22:53

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2004/10/13 00:31

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2004/11/16 21:10

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2004/11/23 00:53

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2004/11/27 13:36

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2004/12/11 20:57

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2005/01/21 09:25

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2006/03/24 18:11

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2005/02/13 18:08

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2005/04/12 07:10

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