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ねじの回転 February moment みんなのレビュー

  • 恩田 陸 (著)
  • 税込価格:1,76016pt
  • 出版社:集英社
  • 発行年月:2002.12
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー127件

みんなの評価3.9

評価内訳

121 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

ミステリーと歴史シミュレーション

2003/04/14 14:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「2.26事件」というのはタイムトラベルものと相性がよいようだ。歴史にifは無いけれど、恩田陸が「歴史のやり直し」をテーマに、緻密な道具立ての歴史シミュレーションを描くのにこの事件を選んだのは、戦前日本の最後の転換点だったからだろう。本書に先立つこと数年前、同じくこの事件を舞台に「タイムトラベラーの陰」を描いたのは、宮部みゆき『蒲生邸事件』である。両作に共通するのは、フィクションの世界においても、タイムトラベルとはもはや夢の技術などではないという点だ。歴史の流れに棹さそうという個人の営みは、文字通り悪あがきに過ぎない。ただ、登場人物たちの情緒的な思い入れを軸に展開された『蒲生邸事件』に対し、本書では歴史のifの試みを正面から取り上げた。タイムトラベラー自身は「歴史のやり直し」の裏方にし、数人の歴史上の人物に「歴史のやり直し」を自覚的に行わせるシミュレーション仕立てと凝っている。
 後世の歴史を知ってしまった事件の当事者が、どのように「やり直し」を迎え入れるのか? 流れに唯々諾々となるよりも、それが儚い望みであったとしても、「もう一度」「よりマシな未来を」と考えて歴史の流れに挑もうとするのもまた人情のはずだ。本書の緻密な構成は、この思いをかえって際立たせてくれる。『蒲生邸事件』と同じく本書が教えてくれるのは、「歴史に殉じる」ことが必ずしも受け身に生きることではないことである。高く投げ上げられた「懐中時計」がそれを示唆してくれるのだ。

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紙の本

今回は人間の描写ではなく、仕掛けの面白さを楽しむ

2003/01/04 20:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

「これは恩田陸ではない!」と憤るファンが出てくるかもしれない。しかし、作者名が恩田陸となっている限り、これもまた恩田陸なのである。

作品の風合いはともかく、よくもまあ、こんな入り組んだストーリーを考えるなあ、と思わせるところはいつもながらの恩田陸なのである。
歴史ものであり、読んでいる最中も読んだ後も頭がクラクラするあたりは、フィリップ・K・ディックの「高い城の男」を連想させる。「高い城の男」が第2次世界大戦を起点とする一種のパラレル・ワールドであるのに対して、こちらは2.26事件を起点として、時間が重層的に入り乱れている。この仕組みの面白さは恩田陸ならではのものと言える。

ただし、今回は歴史ものである。その分、構成は「人物寄り」ではなく「仕掛け寄り」になっている。歴史的人物には当然のことながら歴史的な制約があって書き込みにくく、かといってオリジナルの登場人物がそれほど入念に設定されるほどの余地もなかったようだ。私のようなファンにはその点が少し食い足りない気はする。

だからと言って、「これは恩田陸ではない!」という主張には作品を批判する力はない。それは単に読者の頭の中で凝固してしまった恩田陸像から外れるということでしかないからだ。一方で「これこそ恩田陸の新境地だ!」と快哉を叫ぶ読者もいるのかもしれない。そして、恩田陸のイメージなどという代物とは無関係に、単にこの作品を読んで「ああ、面白かった」と満足する読者もいるだろう。

個人的には好きな作品ではない。しかし、何を書いても読者を唸らせるのが恩田陸なのである。

by yama-a 賢い言葉のWeb

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紙の本

面白かったです

2022/04/21 18:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る

人類はとうとう時間をさかのぼって、歴史に介入する技術を手に入れた。歴史を自分の都合よく変えているうちにいろいろな不都合が生じ、それを修正するためにさらに歴史に介入する…といった泥沼なお話です。

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紙の本

美しい地獄

2017/12/30 17:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る

雪の夜、止まった時間の中で指示を待つ、静かで美しい地獄の話。
歴史修正により変わってしまった二・二六事件をシナリオ通りにやり直す時間SF。

それは、監督の演出意図を知らされないまま何度も同じシーンをやり直させられる映画のよう。役者は事件の首謀者たちなので、失敗すると分かっている計画を再現させられるのは、何かの刑罰か拷問のようだ。
そして計画は狂い、混沌へと迷い込む。 混乱を治めてシナリオの無い未来を手にするのがあの人物だというのはちょっと動機が弱い気がしたけど、しがらみが無いからこそかな。

「歴史は自己を修復する」という台詞が出てくるが、宇宙全体、いや地球や生物全体というスケールで見ても、人間の歴史なんて些細な事という気がしちゃうんだよね。大腸菌が人間の歴史を気にするかよ、って思っちゃう。 ただこの話で歴史をジャッジするのは「シンデレラの靴」と呼ばれる“機械”であり、その背後に居る人間達なので、歴史を好きに“修復”してしまうのも納得できるようになっている。結局人間の創ることの出来る歴史なんてほんの一部で、好きにできるのは記述することぐらいなのかもしれないが。

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紙の本

ウロボロスの断片。

2016/10/20 17:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ロミオとロミオは永遠に」を初出で読んでいたことを思い出した。
タイムパラドックスをものともしないタイムトラベルものを書かせたら、恩田氏は天下一品だと思う。

あちこちの断章にも揺曳する主人公の影。
ラストまで読み終わって、「してやられた」と思う一冊。

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紙の本

必然と偶然

2003/01/27 03:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:徹志 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 時間遡行技術の発明により,国連が試みたのは歴史への介入だった。だが,人為的な史実の歪曲は,HIDS(歴史性免疫不全症候群)という正体不明の奇病を人々にもたらす。HIDSの蔓延により歴史介入が禁じ手である事を思い知った国連は,歴史上重要な転換点を選び,史実に基づいた再生作業に取り掛かる。そして,転換点のひとつに選ばれたのが二・二六事件だった。修復実行者として選ばれたのは,安藤大尉をはじめとする事件の首謀者たち。史実に基づいた歴史を再生しようとする国連スタッフ。「正しい歴史」の誤差の範囲を利用する事で,昭和維新達成の道に繋げたい二・二六事件の首謀者たち。両者の思惑が絡まり合って,再生作業は難航する……。

 「歴史は自己を修復する」,これは作中で何度も語られるキーワードだ。なぞられるべき「正しい歴史」というものが存在するという考え方である。その際,多少の細かな誤差は許容される。つまり,歴史の表面に現れない出来事は,正確な史実と異なっても大丈夫なのだ。

 だが,作中の登場人物・マツモトは葛藤の結果,“正確な史実通りに再生する”道を選ぶ。史実に沿った世界という,必然の現実を取り戻す為に。史実には記載されていない行動を起こしてさえも。それは,自分の母国を愛する心ゆえにだったのではないか。

 史実に背くマツモトの行動は,論理的に見れば新たな矛盾を起こしかねないものだ。だが,特定の人間にとっての「正しい歴史」に基づく世界ではなく,自分の知っている史実通りの世界を守ろうとする想い,そして強烈な使命感ゆえのものだろう。それがラストで語られる,ふたりの偶然の出会いに繋がっている。

 史実という必然は,人間同士の出会いという偶然によって成り立っている。そんな清々しい読後感を味わえる一冊だ。

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2004/10/11 14:10

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2004/10/15 11:06

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2004/11/27 21:31

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2004/11/25 21:14

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2005/01/08 21:41

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2005/06/26 00:35

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2005/06/04 20:51

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2005/06/20 16:34

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2005/09/17 21:48

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