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hontoレビュー

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ねじの回転 February moment みんなのレビュー

  • 恩田 陸 (著)
  • 税込価格:1,76016pt
  • 出版社:集英社
  • 発行年月:2002.12
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー127件

みんなの評価3.9

評価内訳

127 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

今のところ、順不同で恩田陸の傑作をあげろといわれたら、『ドミノ』『蛇行する川のほとり』そして、この一冊かな、内容は最も重いかも

2005/05/24 21:39

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「未来社会に蔓延する疫病を防ぐため、岐路となった歴史的事象の前に再度たたされた皇軍の兵士たち。捻じ曲げられた歴史の先にあるものは」SF。
単なる未来ものではない。むしろ第二次世界大戦を忘れてしまいそうな日本人に、あの戦争とは何であったのかを再び問いかける歴史SFとでも言った方がいいのかもしれない。
舞台は1936年2月26日と聞いただけで日本人なら条件反射的に思い浮かべる、二−二六事件の当日である。主要な登場人物は、この時代の日本から三人。一人は、鈴木貫太郎侍従長官邸を襲撃し、侍従長を殺害することになる安藤輝三大尉。もう一人が、首相官邸を襲い、首相の影武者を殺す栗原安秀中尉。最後が、いまだに日本人の間に不思議な人気を持つ石原莞爾大佐である。彼らは、懐中連絡機という機械を持つが、そのことを互いに知らない。
彼らに未来から指示を出すのが、国連の職員であるジョン、アリス、マツモト、ニック、アルベルトたちである。彼らがいる世界は、時間航行で過去から帰還した人間によってもたらされた歴史性免疫不全症候群、略してHIDSが猛威を振るっている。羅病すれば一夜のうちに老人の相貌を示しながら死んでいくしかない病気、それは20世紀末に登場した後天性免疫不全症候群、AIDSに匹敵する病気である。
未来社会でのHIDSの発生を防ぐために、国連が歴史の軌道修正に乗り出した対象が、1936年の二−二六事件だった。歴史を再度繰り返し、望ましい時の流れを確定していくという気の遠くなるような作業。機械『シンデレラの靴』が不一致と判断すれば、クリアするまで何度でも死を、殺害を経験しなければならない三人の男たち。
曖昧さの中で事象の一致だけが求められる、歴史の再現は可能なのか。モニター中に一瞬の不具合を報せる信号。画面に笑顔を現した謎のハッカー。本来なら不一致として排除されるべき歴史の改変が、なぜ起きるのか。安藤への襲撃の意味は、薬物を摂取しながらの歴史確定作業が続く。あるべき歴史の意味とは。
黒いカバーに身を包んだ大作が、実は2002年のほぼ同時期に出ている。そのどれもが傑作というのは、不思議な符合だが、洋服同様、この色ばかりは着こなしを間違うと、本当に恥ずかしいものになってしまう。その点、松田行正の手になる装丁のこの本は、見事にその期待に応えたもので、山口雅也『奇偶』、笠井潔『オイディプス症候群』と並び称される資格を持つ。
この三冊が書店に並んだ時、書店に何かが起きそうな予感すら覚えたが、その後、こういう黒い傑作が新刊棚で揃い踏みをしたところを見たことがない。もしかすると、あと10年くらい経ったら、2002年が伝説の年だったなんていわれたりなんかして。
そう、恩田陸の作品群の中で、この『ねじの回転』は『ドミノ』と同じくらい異色で、しかもある意味、そのジャンルの頂点を占めるものなのである。

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紙の本

より良い歴史を求めて

2004/05/06 19:05

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

恩田陸さんの作品を手に取ったのは、実は本書が初めてなのです。作者に対して何の先入観も予備知識もなく読み始めた本書。感想を一言で言うなら『面白かった』。付け足すとしたら、『恩田陸作品をもっと読みたい』と、小学生のような感想ですが、これが正直なところ。

舞台は過去の歴史に介入しすぎたために奇病が蔓延してしまった近未来。『シンデレラの靴』と呼ばれるコンピューターの監視の下、正しい歴史の修復が行われます。

ニ・ニ六事件を扱ったSF小説と聞いて思い出したのが、宮部みゆきさんの蒲生邸事件でした。当然のことながら同じ背景・同じSF仕立てであっても、物語はまる別物。本書の方がSF色が強いようです。

タイム・トラベルを扱った小説の場合、どんなに過去に介入しても歴史は正史を辿る、といった筋立てにするのか、過去に人的な介入が行われた場合、未来もそれに伴って変化するという設定を取るか、二つに分かれるところだと思います。
後者の方が圧倒的に多く、本書もまたその通りなのですが、こちらの場合は話がとても複雑になってしまうのです。
さらに本書の場合、それを二重に複雑にする設定がなされていて、読み応えたっぷりの仕上がりになっています。

——過去を是正することができたら?
人間にとって、たまらなく魅力的なこのテーマ。幾度となく繰り返されてきた問いですが、本当に『正しくより良い歴史』とは何なのか?

どれほど大きな歴史上の事件であっても、それは一人一人の人間が作り出したもの。各個人の思惑、行動の一つ一つで、歴史は大きく変化するのです。他の誰のためでもなく、自分自身に悔いのない人生を生きるため、歴史の中であがく登場人物たち。たとえそれがやり直しのためのプロジェクトの中の出来事であっても、より良い歴史を求めてあがくその様は、やはり生きるということ。マツモトが選択した人生を、彼は絶対に悔やんではいないのだと、私には思えるのです。

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紙の本

ミステリーと歴史シミュレーション

2003/04/14 14:49

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:拾得 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「2.26事件」というのはタイムトラベルものと相性がよいようだ。歴史にifは無いけれど、恩田陸が「歴史のやり直し」をテーマに、緻密な道具立ての歴史シミュレーションを描くのにこの事件を選んだのは、戦前日本の最後の転換点だったからだろう。本書に先立つこと数年前、同じくこの事件を舞台に「タイムトラベラーの陰」を描いたのは、宮部みゆき『蒲生邸事件』である。両作に共通するのは、フィクションの世界においても、タイムトラベルとはもはや夢の技術などではないという点だ。歴史の流れに棹さそうという個人の営みは、文字通り悪あがきに過ぎない。ただ、登場人物たちの情緒的な思い入れを軸に展開された『蒲生邸事件』に対し、本書では歴史のifの試みを正面から取り上げた。タイムトラベラー自身は「歴史のやり直し」の裏方にし、数人の歴史上の人物に「歴史のやり直し」を自覚的に行わせるシミュレーション仕立てと凝っている。
 後世の歴史を知ってしまった事件の当事者が、どのように「やり直し」を迎え入れるのか? 流れに唯々諾々となるよりも、それが儚い望みであったとしても、「もう一度」「よりマシな未来を」と考えて歴史の流れに挑もうとするのもまた人情のはずだ。本書の緻密な構成は、この思いをかえって際立たせてくれる。『蒲生邸事件』と同じく本書が教えてくれるのは、「歴史に殉じる」ことが必ずしも受け身に生きることではないことである。高く投げ上げられた「懐中時計」がそれを示唆してくれるのだ。

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紙の本

今回は人間の描写ではなく、仕掛けの面白さを楽しむ

2003/01/04 20:35

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

「これは恩田陸ではない!」と憤るファンが出てくるかもしれない。しかし、作者名が恩田陸となっている限り、これもまた恩田陸なのである。

作品の風合いはともかく、よくもまあ、こんな入り組んだストーリーを考えるなあ、と思わせるところはいつもながらの恩田陸なのである。
歴史ものであり、読んでいる最中も読んだ後も頭がクラクラするあたりは、フィリップ・K・ディックの「高い城の男」を連想させる。「高い城の男」が第2次世界大戦を起点とする一種のパラレル・ワールドであるのに対して、こちらは2.26事件を起点として、時間が重層的に入り乱れている。この仕組みの面白さは恩田陸ならではのものと言える。

ただし、今回は歴史ものである。その分、構成は「人物寄り」ではなく「仕掛け寄り」になっている。歴史的人物には当然のことながら歴史的な制約があって書き込みにくく、かといってオリジナルの登場人物がそれほど入念に設定されるほどの余地もなかったようだ。私のようなファンにはその点が少し食い足りない気はする。

だからと言って、「これは恩田陸ではない!」という主張には作品を批判する力はない。それは単に読者の頭の中で凝固してしまった恩田陸像から外れるということでしかないからだ。一方で「これこそ恩田陸の新境地だ!」と快哉を叫ぶ読者もいるのかもしれない。そして、恩田陸のイメージなどという代物とは無関係に、単にこの作品を読んで「ああ、面白かった」と満足する読者もいるだろう。

個人的には好きな作品ではない。しかし、何を書いても読者を唸らせるのが恩田陸なのである。

by yama-a 賢い言葉のWeb

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面白かったです

2022/04/21 18:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る

人類はとうとう時間をさかのぼって、歴史に介入する技術を手に入れた。歴史を自分の都合よく変えているうちにいろいろな不都合が生じ、それを修正するためにさらに歴史に介入する…といった泥沼なお話です。

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紙の本

美しい地獄

2017/12/30 17:49

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る

雪の夜、止まった時間の中で指示を待つ、静かで美しい地獄の話。
歴史修正により変わってしまった二・二六事件をシナリオ通りにやり直す時間SF。

それは、監督の演出意図を知らされないまま何度も同じシーンをやり直させられる映画のよう。役者は事件の首謀者たちなので、失敗すると分かっている計画を再現させられるのは、何かの刑罰か拷問のようだ。
そして計画は狂い、混沌へと迷い込む。 混乱を治めてシナリオの無い未来を手にするのがあの人物だというのはちょっと動機が弱い気がしたけど、しがらみが無いからこそかな。

「歴史は自己を修復する」という台詞が出てくるが、宇宙全体、いや地球や生物全体というスケールで見ても、人間の歴史なんて些細な事という気がしちゃうんだよね。大腸菌が人間の歴史を気にするかよ、って思っちゃう。 ただこの話で歴史をジャッジするのは「シンデレラの靴」と呼ばれる“機械”であり、その背後に居る人間達なので、歴史を好きに“修復”してしまうのも納得できるようになっている。結局人間の創ることの出来る歴史なんてほんの一部で、好きにできるのは記述することぐらいなのかもしれないが。

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紙の本

ウロボロスの断片。

2016/10/20 17:44

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投稿者:うりゃ。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ロミオとロミオは永遠に」を初出で読んでいたことを思い出した。
タイムパラドックスをものともしないタイムトラベルものを書かせたら、恩田氏は天下一品だと思う。

あちこちの断章にも揺曳する主人公の影。
ラストまで読み終わって、「してやられた」と思う一冊。

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必然と偶然

2003/01/27 03:56

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投稿者:徹志 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 時間遡行技術の発明により,国連が試みたのは歴史への介入だった。だが,人為的な史実の歪曲は,HIDS(歴史性免疫不全症候群)という正体不明の奇病を人々にもたらす。HIDSの蔓延により歴史介入が禁じ手である事を思い知った国連は,歴史上重要な転換点を選び,史実に基づいた再生作業に取り掛かる。そして,転換点のひとつに選ばれたのが二・二六事件だった。修復実行者として選ばれたのは,安藤大尉をはじめとする事件の首謀者たち。史実に基づいた歴史を再生しようとする国連スタッフ。「正しい歴史」の誤差の範囲を利用する事で,昭和維新達成の道に繋げたい二・二六事件の首謀者たち。両者の思惑が絡まり合って,再生作業は難航する……。

 「歴史は自己を修復する」,これは作中で何度も語られるキーワードだ。なぞられるべき「正しい歴史」というものが存在するという考え方である。その際,多少の細かな誤差は許容される。つまり,歴史の表面に現れない出来事は,正確な史実と異なっても大丈夫なのだ。

 だが,作中の登場人物・マツモトは葛藤の結果,“正確な史実通りに再生する”道を選ぶ。史実に沿った世界という,必然の現実を取り戻す為に。史実には記載されていない行動を起こしてさえも。それは,自分の母国を愛する心ゆえにだったのではないか。

 史実に背くマツモトの行動は,論理的に見れば新たな矛盾を起こしかねないものだ。だが,特定の人間にとっての「正しい歴史」に基づく世界ではなく,自分の知っている史実通りの世界を守ろうとする想い,そして強烈な使命感ゆえのものだろう。それがラストで語られる,ふたりの偶然の出会いに繋がっている。

 史実という必然は,人間同士の出会いという偶然によって成り立っている。そんな清々しい読後感を味わえる一冊だ。

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いつかどこかで…

2003/03/10 12:32

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投稿者:砂版魚 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ファンタジーノベル大賞佳作の「六番目の小夜子」、萩尾望都の「11月のギムナジウム」へのオマージュとしての「ネバーランド」、そして近作では映画大脱走にインスパイアされたという「ロミオとロミオは永遠に」、私の中の恩田陸は学園生活と分かち難く結びついている。
 その恩田の新作は昭和初期の軍事クーデター「2・26事件」を題材とした時間SFである。私的な話であるが、実は都合で手に入れるのが遅れ奇しくも読み始めたのが2/26であり、50年以上前と日付がシンクロして不思議な臨場感が生まれ面白かった。
 ストーリーは、時間遡行技術が開発され、国連によって管理されている未来世界が、その直面している問題を回避するために歴史改変を行うことから始まる。
 最初に行われた歴史改変「聖なる暗殺」とその因果で生じたHIDS(歴史性免疫不全症候群)、歴史改変管理コンピューター「シンデレラの靴」、見えない敵からのサイバーアタックと「王子の手」。数々のSF的設定、ガジェットがちりばめられている。
 しかしながら作中「聖なる暗殺」がどの時点で誰を何のため暗殺したかが明確に語られていないため、その後「2・26事件」がなぜ選ばれたか今一つ説得力に欠けるように思える。
 一般的にこの系統の物語の常套手段は、多数の資料を収集しそこから抽出した事柄から事件を緻密に再構成し、その中の重要なポイント(暗殺、結婚等の可否)に物語を絡めてゆく手法、複数の事象を並列に物語り次々と分岐して行く時間線の姿をカットバックの様に映し出し、幻惑感と過去の少しの変更で生まれる現在の変化の意外性を演出する手法が挙げられる。本書でも両方の手法が用いられているが、実はどちらも中途半端な感があり、残念ながら多少食い足りなかった。
 ただ、どこか映画を思わせるエンディングの仕掛けが清涼感を生み出し、読後感は大変良かった(でも今度は学園物が読みたいな…)。
 最後に蛇足だが、物語の中心となる軍人会館は、東京九段下に「九段会館」と名を改めて現存しています。瓦屋根の載った帝冠様式の建物を見ると物語に違った現実感が増すやも…。

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長すぎ?

2003/01/24 19:38

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投稿者:hybird - この投稿者のレビュー一覧を見る

時間遡行の技術を手に入れた国連が、都合のいいように?史実を改竄していく。そのプロジェクトの最後、二二六事件の改竄にスポットを当てた物語。読後感は、ちょっと長すぎるのでは? 個人的には、二二六事件にこだわらず、時間の入れ子感を中心にして、もっと短くまとめた方がよかったような気がする。

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ターゲットポイントは「2・26」!

2003/03/02 03:34

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投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 近未来。時間遡行装置が発明され、国連が過去の大きな事件に介入し、そのことによって未来をも変えようとする、という設定で、ターゲットポイントとして2・26事件の4日間が選ばれる。
 歴史を間違いなく確定させるために「シンデレラの靴」と名づけられたコンピュータが史実に残る「過去」と、再生される「新たな歴史」との間に齟齬をきたさないように監視しているのですが…ハッカーの登場と、たった一匹の猫のために、歴史は大きくゆがんでしまい、やがて…という歴史SF。

 すみません。私、歴史にものすごーく弱くて、この物語の本当の面白さは、多分、理解できてないと思います。
 確かに夢中で読んだのだけど…でも、今、現実に生きているこの世の中で「2・26事件」が実際にどんなふうに起きて、どういう意味を持っていたのかってことを全く知らないのです。いや、お恥ずかしい(^^;)。
 だから、歴史が書き換えられようとしているシーンの緊迫感とかが、今ひとつピンと来てなかったような気がするんです。なにしろ、本当はどうだったかって知識が全然、これっぽっちもなかったから。

「2・26事件」を題材に、タイムスリップとパラレルワールドを足して2で割ったような物語なわけですが…これって、何か思い出しませんか?
 ほら、宮部みゆきの『蒲生邸事件』!
 
「2・26事件」にはそれだけ作家の心をくすぐる何かがあるんでしょうねえ…。
 歴史の勉強しなおしてから、いつか、再チャレンジして読み返してみたいと思います。
 歴史好きな方は、是非読んでみてくださいね。

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紙の本

内容紹介

2002/12/05 17:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る


「不一致。再生を中断せよ。」
近未来の国連によって、もう一度歴史をなぞることになった2.26事件の首謀者たち。
彼らは国連の意図に反して、かっての昭和維新を成功させようとするが。
恩田陸渾身の歴史SF大作!

近未来。時間遡行装置の発明により、国連は歴史に介入。第二次世界大戦の回避を試みるが、その結果さらに世界は悲惨なものとなってしまった。国連は再度時間遡行を行い、元の史実をなぞり歴史を修復しようとする。その介入点のひとつとして選ばれたのが1936年2月26日の日本、東京。2.26事件である。国連は修復作業の協力者として4人に「再生された時間」の中で自由に動ける力を与えた。陸軍将校安藤輝三大尉。栗原安秀中尉。そして石原莞爾。4人目が誰なのかは、国連のスタッフたちにも知らされていなかった。3人は「再生」された歴史をなぞり、歴史をもう一度「確定」していく作業を行っていくが、安藤と栗原はコンピュータ「シンデレラの靴」の目をかいくぐって、かつて失敗した昭和維新を今一度果たそうとする。だが石原の思惑は別のところにあった。そして、再生される歴史の中、思いもかけない方向に歴史は流れていくことになる……。

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2004/10/11 14:10

投稿元:ブクログ

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2004/10/15 11:06

投稿元:ブクログ

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2004/11/27 21:31

投稿元:ブクログ

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