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登場人物も多く前半は混乱し、読むのが辛かったですが、下巻に向かって点が線となり、面白くなっていきました。
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長くて重くて濃厚というか。読み応えが合って面白かったけどものすごくいろんな意味で疲れる(苦笑) 義兄弟にときめいた。
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宮部みゆきの火車もそうだったけど、キーになる人がほとんど登場しないってのはインパクト強いよね。やっぱ何を考えてるかわかんないから想像がふくらむのかな。読み応えは十分でした。
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バラバラの被害者を結ぶ糸は?マークスが握る秘密とは?捜査妨害の圧力に抗しながら、冷血の殺人者を追いつめる警視庁捜査第一課七係合田刑事らの活躍を圧倒的にリアルに描き切る本格的警察小説。
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張り巡らされた伏線は読んでいくのが精一杯。この種のミステリー(警察小説?)を読みなれていない自分にはちょっと厳しい。
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硬派な警察小説。主人公の閉塞感が伝わってきて、こっちまで息苦しくなった。物語が収斂していくさまはお見事。
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読み終わるまで男性だと思ってた・・・!!この方の作品ってすごく武骨というかなんというかそれまであったわたしの女流作家さんのイメージをすっかり持っていってしまった感が否めない。
合田のキャラが非常にすきなんだけどさー。時代がなんかもどかしいってゆうかなー。。。
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堅めの警察小説だけど、あれやこれやという間にあっと言う間に読み終わる。
とにかく伏線がハンパない。
超お薦め。
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何気なく本屋で手に取った物が大当たりでした、という良い例。この人の文章は苦手…という人もいるが、私はドハマりした方でした。がっちがちに硬い文章がまた臨場感を煽る警察小説(?)ってジャンルでいいのか?ミステリーとも雰囲気違うんだよ、これが。
これで私は高村薫にはまりました。
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合田雄一郎は音一つなく立ち上がった。
33歳6ヵ月。
いったん仕事に入ると、警察官僚職務執行法が服を着て歩いているような規律と忍耐の塊になる。
長期研修で所轄署と本庁を行ったり来たりしながら捜査畑10年。
捜査1課230名の中でもっとも口数と雑音が少なく、もっとも硬い目線を持った日陰の石の一つだった。
この文章を読んで、つむじまで鳥肌が立ちました。
警察の捜査において、そのトップに君臨する捜査一課。
モンスターのような明晰な頭脳と冷徹さを兼ね備える人員を
実質的に率いるこの男の、虜になったと言ってもいいかもしれません。
昼も夜もなく、疲労も言い訳も口にする事の許されない捜査の無限地獄で、
彼らはただ姿の見えない犯人を追います。
しかし、僕らの生活のそばにありながら遠い世界である犯罪の暗闇だけが
この作品の魅力ではありません。
合田雄一郎がかつて持っていた家庭。
結婚後1ヶ月、一度も家に帰らず捜査に明け暮れた雄一郎が
玄関のドアを開けると、当時の雄一郎と同じく幼かった妻は、
汚れた白いスニーカーを黙って差し出し「洗って」とつぶやいたのです。
彼女は雄一郎の知らないところである「運動」に軽い気持ちで参加しましたが、
しかし、その行動は警察官の妻として、実は許されるものではありませんでした。
そして、雄一郎は上司から遠回しに妻の行動を知らされ
「出世はあきらめろ」と言われるのです。
一番大切なものを土足で踏みにじられた怒りと、
もはや自分にプライベートなどないのだと知った絶望。
やがて妻は去り、雄一郎は組織に強い憎しみを感じながら、
警察に残り、ただあの時妻が差し出した白いスニーカーを履いて犯罪を追い続けます。
たまに休みに一人風呂場でスニーカーを洗う懺悔を繰り返しながら。
合田雄一郎と共に捜査を行う
吾妻、又三郎、森などの捜査一課七係。
雄一郎の妻と同じ顔を持つ双子の兄であり、
友情以上の感情で雄一郎を支える地検特捜部・加納祐介。
そして、精神にダメージを持つ殺人鬼マークス。
豪雪が舞う「マークスの山」におこるクライマックスまで、
ページをめくる手がとまることはありません。
極上のミステリーであるとともに、
哀しい心の物語です。
拠り所としている誰か、
自分がいるべきだと考えている場所。
それが揺らめきだしたとき、
僕らはきっと「それでお前はどうしたいのだ?」と
雄一郎と同じように自問自答するのでしょう。
『レディジョーカー』『照柿』へと続く、
捜査一課七係シリーズの第一作であり直木賞受賞。
文句なしです。
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『13年経って過去を振り返る浅野の言葉のすみずみに、おぞましい郷愁はなかったと言えるか。
山とは何だろう――。』
久しぶりに読み返した高村薫。
高村作品の中で、初めて読んだこの「マークス」が、結局いちばん好きなように思う。
主人公水沢の特異なキャラクターが、複数の視点やエピソードを通じて多面的に語られ、その特異さを不自然には感じさせない。動機その他事件の整合性・必然性のなさは、すべて水沢のそのキャラクターに帰せられているが、彼の言動が何かしらの切実さを帯びている点、単なる猟奇殺人者ものとは一線を画している。
推理小説であると同時に、組織に生きるということ、社会に身を置くということの意味が、一貫したテーマとされている。事件の背景をなす「山の話」からしてそれと無関係ではないが、捜査の過程を描く挿話の数々で、またある種「山」と「下界」との対比を持って、作中のそこここで「組織と個人」という主題が顔を出す。はじめて読んだ高校時代には響かなかったろうくだりが、就職が決まり、学生時代最後の年となった今は、とても気にかかる。
『現場の刑事の比でない派閥抗争の中に身を置きながら、・・・どうやって個人の良心や社会正義を守るか、自分の職と人生を守るか、加納は加納なりに苦闘してきたのだ・・・それにしても、すでにそれぞれ学生時代とは違う顔をし、違う屋根の下にいながら、こうして今も幸福だった過去の記憶を通して一人の男を見ている自分は、《マークス》の五人とどこが違うのだろうとも思った。』
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この人の作品を初めて読んだのは十数年前の「照柿」。
いや〜読みにくかったのなんの。息が苦しくなる感じ。
そう思って警戒して手に取ったが、これは面白かった!話を楽しめた。
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おおおおお。相変わらずゴツイ御話をお書きになる・・・。
「げぇっ、分厚い!しかも上下巻かい!」って思ったのに、続きが気になってしゃーない。
それにしてもこの人「隠微」って単語を頻出させるな。「淫靡」なら知ってたけど。
08.05.12
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警察小説って、それほど読まないけれど、なんといってもあれだけ感動させてくれた「リヴィエラを撃て」と「李歐」の作者ですから、いつかは読まねば…と思って温存?しちゃってました。が、やっと読めた。
精神に「暗い山」を抱える殺人者マークス。南アルプスで播かれた犯罪の種子は16年後発芽し、東京で連続殺人事件として開花した。
『上』はまだまだパズルのピースをばら撒かれた感じ。でも、ハラハラ…。
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直木賞作品ですね。読み応えありの、再読したくなる本でもあります。
警察の組織と個、権力、そして、悲しき殺人鬼。
読むにつれて明らかになる事実に胸を躍らせながら、主人公の刑事・合田の葛藤に手に汗握りました。
私自身は、“お蘭”こと刑事の森が結構気に入っていたりします。若さ故の軽率さも含めて。
高村薫さんの小説は、他の小説に比べると、若干、完読に時間がかかります。
なぜだろう? と思っていたら、ページ1ページにおさまる文字数が、通常より多いんですよね。
これは、高村さん自身確信があることみたいで、この間立ち読みした雑誌で、そのようなことに触れていて、やはり、などと怪しくほくそ笑んだ私でした。