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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.6

評価内訳

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5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

カタカナだけの著者名に騙されちゃあいけないよ、『フライ,ダディ,フライ』に匹敵するくらい面白い小説なんだから

2003/05/03 21:02

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近、勘が働くのか、不思議なくらい面白い本にぶつかる。ベスト本のラッシュは、次女がジュニア・オリンピック目指していた頃の自己ベスト更新を思い出してしまうくらい嬉しいこと。今、日本の小説世界に大きな波が押し寄せている、そんな気がする。その波の一つを、そっと教えよう。

「消し屋」とは、殺し屋のこと。関東で大きな仕事を終えた消し屋は省吾、英弘、良二、三郎と名前を変え、新しい戸籍を得て、今は杉本幸三と名乗っている。彼を慕うオカマの蘭子と博多の町に流れてきた二人の前に現れた刑事たちが行う職務質問。彼らは運転免許書をあっさり提示した幸三と、本当は男だと言う蘭子に驚き、悔しそうにその場を去っていく。二人のことを警察に告げ口した店主は、二人に謝罪するのだが。

暴力団が起業舎弟と形を変え経済戦争をする時代、派手な武闘もめっきり減って、博多の筋者たちの世界も安定期。消し屋の仕事依頼もなく、幸三は昔馴染みの相田興業に「不死身のナベカツ」を訪ねる。福岡ドームの利権を握る相田興業の社長で58歳の渡辺克己には人に言えない秘密が。そして一見平穏な博多の町にも、関西の暴力団の陰がちらつき始める。

利権を狙う西の暴力団、それを阻もうとする相田興業の専務、今岡。幸三が駆使する凶器耳這刀。それに、純という小学校5年生の美少年、オカマ・バー「コンディーション・グリーン」のママ緑、そこで働く蘭子、同僚のガチャコ、今岡の高校時代の野球部仲間 真壁、その妻佑子などが絡みながら話が進む。

野球選手を描く小説は沢山あるけれど、選手のシーズンを通じての体の変化と奥さんの食事管理、マウンドに向かう投手の不安などをここまで描いたものは少ないだろう。中でも、純と幸三が交わした契約や、蘭子、ガチャコ、緑が繰り広げる乱闘は、噴飯もので、泣いて笑って拍手をしたくなる。

ともかく面白い。何といっても、人間たちがいい。どんなに端役で出てくる人でも、記憶に残る。それにしても、なんと格好いい男たちだろう。特に、幸三、石岡、真壁。本当に、殺し屋って、企業舎弟の経済担当って、野球のキャッチャーってこんなに立派な人間なの?って思う。それから、オカマたちがいい。切なくて、哀しくて、暖かくて。

前作の『鳶がクルリと』を手にしたのは、偶然だった。いくら新潮社のファンだって、お金を払うのを考えたくなるような軽装本だった。洒落ていたのは、半纏を思わせる藍色のブックカバーくらい。それと、埋もれた宝に出会いたいという私の思いが生んだ出会い。中学生の長女にも読ませた。彼女はこの本で初めて、「鳶」という職業を知ったという。あの作品でも男たちが美しかった。もし欠点があるとすれば、主人公の女性が男たちに比べて余りにレベルが低かったこと。

でも、今回はそういったアンバランスはない。だって、幸三の周囲にいるのは男ばかりなのだから。タマを取ってしまっても、豊胸しても、周囲の男が勘違いしても、オカマは男。ヒキタの筆は、男を描く時には本当に冴える。男だけが出てくる小説は、こんなにも美しく楽しいものなのか。思わず、私は我が家の居間にデンと構える自称大黒柱を見てしまった。少なくとも、こんな男はこの小説には出てこない。

気になったことが二つ。幸三の年齢設定が、少し上過ぎ。30代では、この包容力が出たら、やっぱりリアリティに欠ける。身のこなし、切れからは40代前半が限界。30代後半でも、おかしいところは全くない気がするのだけれど、どうだろう。ヒキタが主人公達に自分を投影するのは分るけれど、年齢まで自分と同じにする必要はない。幸三、石岡、真壁は同い年でいい。それから本の値段。内容がいいことは、納得だけれど、軽装本でこの値段はないだろう。やはり1500円を切るくらいの判断はあってもいい。せっかく、売れること間違い無しの作品なのに、と思う。これは作者にも出版社にも悲劇だ。

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2007/02/25 10:16

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2008/08/12 22:42

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2012/03/31 13:24

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2014/09/07 01:33

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