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ベンガル地方の歴史、第三国での生活と故郷との差、作者の経験が折り重なって、人生や生活の深みが非常に奥深く表現されていました。少し想像力を働かさないとわかりにくい点もありました。そしてベンガル地方の人々の考え方や生活状況も背景にあった為、色々勉強になりました。ジュンパ・ラヒリさんの他の作品も読んでみたいです。
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それぞれに趣の異なった作品が収められていて、楽しめる。
見ず知らずの他人のために祈りたいという、少女の気持ちの芽生えを瑞々しく描いた「ピルザダさんが食事に来たころ」、多忙な母をもつ少年とアメリカでの生活になじめないでいるインド人の若妻との交流がせつない「セン夫人の家」、宗教ですら楽しみの種にしてしまえるような自由闊達な妻との生活を、まじめ一本やりの夫の目から描いた「神の恵みの家」(結局美人は何をしても許されてしまう?)、103歳の老女の存在がミソの「三度目で最後の大陸」が、心に残った。
心の距離を縮めるのも広げるのも、きっと、きっかけはごく些細な出来事のことが多いのだろうし、そのあたりの機微をうまく描き出している短篇集。
――Interpreter of Maladies by Jhumpa Lahiri
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海外文学の授業での課題。
基本的に救われない重い雰囲気の話ばっかりだったように思うのに、最後の「三度目で最後の大陸」だけやたら前向きだった。だから、その作品だけ印象に残る。インド系の人々を描いた作品というのも初めてで、何だか普段見知りしえない世界を垣間見た。
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読んでいると、
生活が見えるようで
丁寧に描かれている。
全体的に淡々としていて、
もの悲しいけど、何となく好き。
作者は綺麗な方だなぁ。
インドに興味が湧く。
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異国の香り。
短編で読みやすいし、人名とかもインドっぽかったりして、英語文学といえど
アメリカアメリカしていないとこが良い。
訳も、現在形で畳み掛けていくような文体が現代的でさっぱりしてて好き。
こないだこれを原書で買って、取り組んでるところ。
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初めてインド系の作家の小説を読んだ。
ジュンパ・ラヒリさんは、インドで暮したことはないそうだけど、ここに登場する人たちはインド系の人々ですごく新鮮だった。
この人の文には、ちょっとした仕草や言葉に秘めたドキッとするような心の動きが見えてとても好き。
見開きにあるジュンパさんの写真、びっくりするくらい美人でじっと見入ってしまう。
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どれも面白かったけど、表題作と「セン夫人の家」「神の恵みの家」「ビビ・ハルターの治療」「三度目で最後の大陸」が特に良かった。
アメリカに住むインド人が主人公となって、文化の違いやなんかが描かれる。
デビュー短編集なのにその完成度の高さには驚きます。文章が非常に端麗。出てくる料理がおいしそう。
「セン夫人の家」なんかは、日本でも、地方から都会に出てきた人には共感をもって読まれるかもしれない。
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短編の名手ジュンパ・ラヒリのデビュー作。静謐ながらもドラマチック、食べること、と密接に描かれる日常がリアル。
移民系作家の書く作品は、興味をそそられるような食事の描写が多い。なかでもこの作品は、インド系の彼女がその祖国の料理をふんだんに登場させている。
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お勧めの一冊!!
遠く離れた人々が
行き来し交わる時代
素晴らしい功績の影で
孤独と別れと
互いに相容れない思いと
前時代にはない寂しさを
私たちは抱えることとなる。
移民の暮らしはこの悲しみを凝縮している。
内容は違うが私たちも抱えている。
ほんのちょっとした事 で全てをダメにする。
”繋がっている”と思っていた関係は
全て思い過ごしだったということ。
一瞬で失う関係
その儚さその渦
どんなことがあっても
自分から愛する人を離してはいけない。
教えてもらいました。ありがとう。
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表題作は、停電の夜に秘密を語り合う夫婦の物語。
インド系の人々の心の葛藤や生き方を描いた短編集。
静かでやわらかな文体は、穏やかに心の中に入ってくる。
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最近、すれ違いが多くなった夫婦が、毎晩1時間だけ停電する時間(工事のため?)に、ろうそくのもとで話をするようになり、少しずつ気持ちを戻しはじめる話。
ハッピーエンドでなくても、納得してしまった。
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短編集ながらひとつひとつの話が奥深く、
夢中になって読んでしまいます。
表題作の「停電の夜に」は予想を見事に裏切られ、
思わず唸ってしまいました。
もっとこの方の書く本を読みたい!!
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それぞれの話としては、ふーんいい話しだねーという感じ
こういう仮定はおろかだけど、ほかの作家が描いたらもっともっと魅力的になるだろうと思う
着地が弱いし文体が嫌い(これは訳の問題もあるだろう)
文章からもうちょっと、脳みその匂いがして欲しい
2番目の話しが一番好き
あと最後の話しだけ、その他の話しの描き方と一文一文が違うというか、基本的にわたしは長編と短編は同じく”小説”と括るのもどうかと思うくらい違うものだと考えているけど、適切なリテラシーで書かれているような気がした。間がよいというか。
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短編集なので読みやすい。
切ないストーリーが多い。
エンディングがおもしろいところ、いうなれば中途半端で終わるのは、
余韻をのこすためなんだろうか。
情景と心情が細部にわたって描かれており、
描きやすくて、おもしろい。
個人的には最後のお話がすき。
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久々にタイトルと裏表紙のあらすじのみで購入した本。作者にも内容にも全く情報がなく読んだが、当たりをひいたなと満足。ピューリツァー賞を受賞した有名な作家だということは後で知った。
淡々とした、しかし情景豊かな文章で語られる物語。短編集だが、どれの作品も予想した方向に話が進まず、いい意味で裏切られた。でも「物語」ではない現実は、結局こんなものかもしれない。
何となくどこかで出会ったことのあるような雰囲気だなと思ったが、江國香織に似ているという書評を見かけて納得。読みながら、結婚って、人生って何なんだろうとぼんやりと考えた。
どれも気に入ったが、中でも好きだったのは「ピルサダさんが食事に来た頃」、「セン夫人の家」、「セクシー」、「三度目で最後の大陸」。