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火宅の人 改版 下巻 みんなのレビュー

文庫 第27回読売文学賞小説賞 受賞作品

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みんなのレビュー30件

みんなの評価4.2

評価内訳

30 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

下巻はもっと

2016/09/21 23:07

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ほんだくん - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画を見て、小説を読みたくなって、読んでみたら、映画に出てくるような、カラッとした風景が広がっていて、爽快な読後感。下巻は本人も死の影、衰えを感じてたのか、寂寥感も。
長く時間をかけて書かれた作品なので、ゆっくり読んでほしい名作。『リツ子 その愛』と『その死』も続けて読んでほしいです。
こういう小説が書ける作家さん、最近いないなぁ。。

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紙の本

重厚な作品に最近はあまりめぐりあわない

2020/04/08 09:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

遠い昔に映画化された作品を見た。その時の緒形拳と松坂慶子のラヴシーンがあまりにも強烈だったので、ずっと矢島恵子は松坂慶子が演じていた思い込んでいたのだが松坂慶子は葉子役で、恵子役は原田美枝子だったということをネットで調べていて思い出した。小説にしても、映画にしてもこういった重厚な作品に最近はあまりめぐりあわない

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紙の本

檀ふみのチチよ、あなたはすごすぎた!大きなロマンを描き切って日本の私小説が到達した場所は、世界文学の地平を超えたのではないか。

2001/10/29 12:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ(JPIC読書アドバイザー) - この投稿者のレビュー一覧を見る

 水上勉の解説によれば、檀一雄は「私は私小説信奉の徒輩でもないし、もともと好きじゃないのだけど、ことさらに逆用した。私小説に復讐してもろともに滅びるつもりで悪用し、それに復讐を受けるつもりでおります。(略)私小説というみみっちい小説形態を存分に駆使して、それこそロマンよりも大きなロマンにしてみたい、という気がしたんです」と語っていたらしい。

 明治維新で階級社会が崩れて以来、日本の小説は、ドストエフスキーやプルースト、ディケンズのように社会を描く世界文学のようにたり得ず、身辺のごたごたを書く私小説こそが文学の主流でしかあり得なかった。そのことに関して、多くの文芸評論家や文豪たちはずっとコンプレックスのようなものを持ち続けてきたと思う。たとえば丸谷才一の解釈によれば、漱石がロンドンで胃を患ったのも、帰国後の自分には書くべき対象としての社会がないと憂えたのが一因ではないかということ。檀一雄の上記の発言も、近代日本の文壇の弁慶の泣き所を一突きしている表現である。

 書くべきものが<私>や<私の回りの世界>しかないとしたら、それをいかに豊饒にするか、宇宙的なカオスにまで押し上げるか——檀一雄という人が、そこまで意図して生きた人なのだということが、最後のこの解説のセリフで解けた気が私にはした。情痴や彷徨、食欲といった体の奥から突き上げてくる衝動を、敢えて理性や悟性で押し留めることはせず、思いっきり爆発するがままに放置した。半ば情けない気持ちでそれを小説に綴る姿は、本文の何箇所にもさらされているが、それこそが物書きとしての自分の使命であると感じ、命を賭けて取り組むべき仕事と考えていた覚悟も、ちらほらと覗いている。

 父娘ほども年が離れた新進女優とのただれた生活と、それを断ち切るために出かけた米国漫遊での乱行という上巻に続き、下巻はさらなるヒートアップぶりである。行きずりのつもりであった米国で会った日本人女性を伴ってヨーロッパに渡り、出会った人々と深夜の乱痴気騒ぎを繰り返す。しかし、酒場で聞いたシャンソンを求めてパリをさ迷ったり、アントニオ・タピエスの案内でガウディの魂に触れたり、レンブラントの自画像の前に涙するという、この無頼者の感性は澄み切っている。

 帰国後、空港から酒場に直行。前借の原稿料を手にした作家は、家に帰りもせず、愛人宅やホテルを転々とし続ける。友人を伴っての講演旅行や、行きずりの女性を伴っての帰郷など。日本脳炎で障害児となった次男を施設へ送るとき、彼が危篤になったとき、まだ16歳の長男が女性を妊娠させてしまったときなど、チチが家庭に目を向けるのは、もう後がない、取り返しがつかなくなったギリギリのところばかり。

 20年かけて書き続けられ、死に至る病の床にあって完成させられたこの一人の男性の生涯の記録には、生や魂を地獄の業火の上であぶることを最期までやめなかった覚悟の迫力が貫かれていて、確かにそれを<偉大なるロマン>と呼ばずして何と呼ぼうかという気がした。

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2007/01/20 22:46

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2007/10/26 10:20

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2008/04/30 13:06

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2008/09/17 21:41

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2010/02/13 16:11

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2010/07/11 22:33

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2018/01/14 16:58

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2012/07/22 22:54

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2013/03/28 01:23

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2013/08/01 22:19

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2014/05/29 21:35

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2015/10/22 12:33

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