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複雑系組織論 多様性・相互作用・淘汰のメカニズム みんなのレビュー
- ロバート・アクセルロッド (著), マイケル D.コーエン (著), 高木 晴夫 (監訳), 寺野 隆雄 (訳)
- 税込価格:2,640円(24pt)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発行年月:2003.6
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紙の本
複雑化する経済組織、社会システムの手綱を握るための智恵
2003/06/30 23:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
薄い書籍ながら大書と言い得る、読み応えある政治学の真骨頂。ゲーム理論で名を馳せた公共政治学の大家が、社会的ジレンマ問題に広く応用されてきたゲーム理論をはじめ、進化計算等のコンピュータ科学、ダーウィンに始まる進化生物学、組織論等社会システム科学の智恵を応用し、複雑化する経済組織や社会システムに対する効果的な手綱の捌き方を検討していく。
経済組織の形態は、今、大きな岐路にある。戦略・製品の寿命の短期化、情報通信技術の革新等によって、経済組織は環境に迅速に適応する組織形態の模索を余儀なくされつつある。環境への対応を図り、革新性と創造性を掌中にするために組織形態は中央集権的色彩を弱めざるを得なくなっている。マイクロソフトに大きな脅威を与えているリナックスのオープンコミュニティは、極端であるが好例だろう。しかし、分散化が進展すると組織は複雑になり管理が難しくなる。また、組織設計者は環境変化に適応するための分散型組織と管理型組織との狭間で思い悩む。こうした経済組織の新たな課題は、今後多くの組織設計者を悩ますだろう。
「多様性」「相互作用」「淘汰」の観点から分散型組織に対する効果的な手綱のとり方を考究する複雑適応系モデルの概念体系は、新たな課題に対して新しい示唆をもたらす。複雑系は、制御するのではなく活用するためにどうすべきかを考えるべきなのだ。
また、本書で展開される複雑適応系のアプローチは、文化歴史学等コンテクスト重視の「人文主義的アプローチ」、経済学等の合理性を重視する「ハード・アプローチ」の双方のブリッジとなる可能性を秘めている。前者には科学的曖昧さと非形式化(応用ができない)があり、後者は前提条件の過度の単純化が課題であった。複雑適応系には、双方のアプローチを取り持ち、社会科学をより発展させる可能性が見て取れる。
本書の主張は必ずしも平易ではなかったが、豊富な事例を用いて読者の関心を削がない努力が払われている。現代の組織や社会が抱える課題に関する新たなパラダイムを与える本書は、ビジネスパーソンに限らず、多くの社会人に一読の価値があると思われる。また、個人的には、昨今金融業界を賑わしているリレーションシップや地域金融の存在意義に関する理論的背景を再考する観点から、業界の企画・調査、行政に携わる方々に一読頂きたい。
紙の本
出版社コメント
2003/06/10 17:41
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投稿者:ダイヤモンド社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
組織のメカニズムは決して単純ではない。ある制度は期待する効果につながる保証はなく、組織を構成するメンバーの個々の振るまいが組織全体に影響を与える複雑系である。このような組織で複雑系を排除しようとしても無駄である。そのメカニズムを積極的に活かすマインドセットが必要だ。本書は組織における複雑系の特徴を解明し、その積極的な活用を提唱する。
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