紙の本
失ったものの大きさ
2004/09/10 05:10
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投稿者:ぺどら - この投稿者のレビュー一覧を見る
これを読んでいるとかつてのわが国がいかに豊かな食文化を誇っていたかということに驚かざるを得ない。そしてその豊かな文化がここ二、三十年のうちに、ほとんど跡形もなく消え去ってしまったことにも、また驚かざるを得ない。今私たちが見ることが出来るのは、工業製品としての料理であって、そこにはもはや文化などない。
もっともこれは私たちが戦後一貫して即物的な豊かさを選んだ結果である。残念ながらもう後戻りは出来ない。しかしその魂は作者の死後もこうして本を通じて知ることが出来る。そのことだけでも感謝しなければなるまい。
紙の本
食卓の情景 改版(新潮文庫)
2017/12/23 11:22
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投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波正太郎氏の幼少期から初老期までの食事情から、食にまつわる様々な地域と人々との交流、食材や献立の細密描写と味の感想がその時々で上手く表現されています。
池波氏はお酒と共にかなりボリュームのある食事をされていたと感心しますが、小説や脚本を書くことは重労働で大変であったと感じました。
著書の様な日本の食文化がこれからも継承されていくことを望みます。
そして良い食材、腕の良い料理人、味のわかる人間は切り離せないと感じました。
紙の本
池波さんの食事描写は格別
2016/06/12 08:45
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投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
池波さんの食事描写を読むと、その食べ物が無性に食べたくなる。
何しろ食べ物を食べる時の「美味い!」感の伝わり方の凄さが
半端ではない。とりわけ本書はその集大成。食べることも池波さんも
好きな人は是非読んで欲しい。
紙の本
お腹が空いているときに読んではいけない本
2001/10/01 18:33
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投稿者:節約マニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
<鬼平犯科帳>の池波先生しか知らないヒトに読んで貰いたい一冊(エッセー)です。料理の細やかな描写はまるで一緒に食事をしているような錯覚さえも憶えるでしょう。食いしん坊の私などはこのエッセイを読むと無性に同じモノが食べたくなって困ります。
…窓の外で冷やした京都の<好事福虚>はさぞかし…
紙の本
上質の味わい
2001/02/03 04:08
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投稿者:ミオメロディ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自らの食にまつわる思い出と、旅先での食事、歴史のエピソードの紹介、などなど、すべてが味わい深いのであります。
陽気なベティ小母さんの作るドイツ料理や南京町のラウメン、縁日の“フレード・ロールナツ”を食べてみたいと思うのは私だけではないでしょう。
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池波正太郎のエッセイを読むと、太る。
何冊か読み終わり、気が付くと8kg増であった。
忙しく、ストレスがたまる時期と重なってもいたが
とにかく、読んでいると生唾がわいてくるので
何かを食べながら読むと格段に本に集中できるのである。
その池波氏のこの本で、「芋ノコ汁」という章を
見つけた。
東北地方へ四泊五日の講演旅行に出かけた際、二日目に
大曲市外の田園地帯にあるヘルス・センターに宿泊し
様々なハプニングが起こる様子が楽しそうに綴られる。
そして夕飯は、芋ノコ汁。私達が日常的に食べている
芋ノコ汁を池波氏もたいそう気に入り、3杯もおかわり
をしている。それが、うれしかった。
最後に、氏が宿泊したヘルス・センターはいったい
どこだったのか、今でもあるのだろうか?と思いながらも、探したことは一度も無いのであった。
※後日、ここでは?と思う温泉施設に電話をしてみたが、
経営者が変わり「昔のこと」はわからないとのこと……。
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センセイの食に対するこだわり、とくと味あわせていただきました。
どんどん焼き、寿司、カツ、すき焼き。食を通して人生を語ってしまうセンセイ、さすがです。『池波正太郎ごっこ』がしたくなること間違いなしの1冊。
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古本屋で100円で買いました。掘り出しもん。
読んでると池波正太郎って優しいのか亭主関白なのか、グルメなのかどうなのか、判らなくなります(笑)。
でも、食べることに命をかけてる気がする。
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鬼平・剣客商売…江戸の人情を書かせたらピカイチなこの方による食べ物論です。
その生き方、食べ方、これまたヤボが一番嫌いな東京っ子の「粋」にうっとり。
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080914(n 081027)
081202(n 090105)
090404(a 090505)
090405(n 090718)
090809(n 090826)
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鳥の巣焼きが食べたい。
読めば読むほど唾が沸く、腹が鳴る。
なんて美味しそうな文章なのでしょう!
池波氏のご母堂、細君のとぼけた味のあるキャラクターがたまらなく素敵です。
家族で読みまわし、読後、ジャガイモを焼き、しめ鯖(レモン添え)を作り
漬物をばりんばりんと食べまくりました。
読み返すほどに食べたいものが増えそうです。
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人間誰しも毎日食べる。
とすれば食い物を単に栄養補給としか考えていない人間はつまらない。
男は美味しい料理と旨い酒を嗜むべし。
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エッセイをほとんど読んだことのなかった私に、「好きな作家のエッセイは小説と同じように楽しめるものだ」と気づかせてくれた1冊。この本のおかげで、池波氏の他のエッセイから、幸田文、向田邦子らのお気に入り本とも出会うことができました…
『食卓の情景』には、そのタイトル通り‘食’にまつわる池波氏の体験が詰まっています。個人的な食事から、取材旅行先の食事、幼い頃や戦前・戦後の特殊な事情下の食事…いろいろな時・場面での食事の風景が生き生きと語られていて、本当にその場に立ち会っているように感じられます。
‘情景’とあるように、そこにはいつも深い気遣いや感謝の心が存在する。単に腹を満たすだけでは物足りない、料理といっしょにその場の雰囲気も味わってこその食事でなければならない。池波流・食の哲学が、味わいのある文章で読み解けます。
登場するエピソードを読むにつけ、池波氏の‘食’へのこだわりがよくわかる。小説で描かれる食事の場面が、ああも魅力的な秘密は、ここにある!
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こんな旦那さんを持ったら苦労しそうだと思いつつ。
池波正太郎の食いしん坊っぷり、職人への尊敬のまなざしが、読んでいて楽しい。
おいしいご飯を食べてる時が1番幸せ。それでいいじゃないかと思えます。
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時代小説の名手で食通としても有名な作者の美味しそうなエッセイ。食べ物の話をしながらも、人としての生き方やマナー、時代背景まで楽しめる1冊。
表紙も作者自身のイラストで改めてすごい人だなあと思えます。