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季節とか風景とかがとても風情があって好きです。いつも柱にもたれて源博雅と酒を酌み交わす晴明がすごくいいです。貴船神社に行きたくなりましたvv
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結構読むのがきつかった・・・。
話は面白いんだけど、前作までのつなぎ合わせが多くて、
新鮮味がないので読み疲れてしまいました。
陰陽師は短編で、1話に1回「ゆこう」「ゆこう」のクダリが出てほしい。
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本書は人の世の無常とだれの心に住むおどろおどろしい業が紡ぎだした哀しい物語。「生成り」とは辞書によると「能面の一。女の怨霊に用いる。角が生えかけた形で、般若(はんにや)になる以前のさまを表す」とある。源博雅が堀川橋のたもとで見初めた何処の人とも知れぬ姫。月日が経つにつれ姫の容色にも翳りが見え、そればかりか姫にふりかかった哀しき定めにより心に鬼を宿すまでになってしまう。読者はこの物語を読み終えてふり返ると、始めのほうで博雅が晴明に語った「そのお方が、老いてゆく御自分に対して、心に抱いている哀しみすらも、おれは愛しいのだよ」という一言にこの哀しい物語が暗示されていたのだと知ることになる。
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再読。シリーズ5巻目。初の長編。
いつもは持ち込まれた問題に二人が関わっていく形なんだけど、今回は当人である博雅の問題と繋がっていくという感じ。
長編だけあって、事件に至るまでの細かい道筋がいつもより描かれていて、しみじみと物語を読み込んでいくことができました。
人の想いはどうにもならないし、哀しいし、でもそれが愛しい。
徳子姫の思えば苦しい、想えば切ないっていうのも痛いほど伝わってくる。
この世界観や、人間の表現が陰陽師らしくて素晴らしい。
陰陽師入門にもいいかもしれない。
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短編であらましを知っていたので、展開そのものは新鮮さはさほど感じない。けれどやはり「生成り」の姫の心情は痛ましくて切ない。学生時代に神話や民俗学関連の授業で「鬼」についてのレポートをまとめた時、おそらくこの話の原型となっている古典を少し研究した。物語を楽しむわけでもなく、あくまで調査という形で触れたけれども抉られるような気持ちになった。また、今作は晴明の妖しい活躍よりも長雅の天然(?)さが堪能できました。
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人の本質とは何だろう。人を好み、愛しいと想いを寄せ、執心すれば、鬼になってしまう。直向きな愛情で鬼になってしまうなら、鬼は最も人間らしい人間と言えるのではないだろうか。一途な気持ちは、純粋である。純粋さが人を鬼にするというのは、何とも皮肉なことである。
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陰陽師の長編。
基本的に短編で書いている内容を再編集した感じ。元の短編がそれぞれ完成度が高すぎるので、長編はちょっとかすむかな?
後編のもの悲しい感じとか、決して悪くはないんだけど、短編版の鉄輪とかインパクトが強烈で、それに比べるとどうしても冗長で薄い感じは否めない。
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「鉄輪」の長編版。
短編もよかったけど、これはもっと切ない物語になってます。
どんなに思っても戻らない人の心。
わかっていてもどうしようもなく、鬼になってしまうとは。
悲しすぎる。そして博雅はほんとにいい男だなあ。
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夢枕獏の陰陽師第五弾。
初の長編ですが、
内容は今までの短編を肉付けして再度まとめた感じでした。
最初は短編を章毎に書いてある感じで
少し退屈な感じがしましたが、
最後の終わり方は短編ではないぐっとくるものがあって
こちらの方がお気に入りかも。
長編ならではのいい所が出てました。
あとがきにもありましたが、
もう一度陰陽師とはどういうものかと
改めて読むにはいいかと思います。
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なんて哀しいんだろう…。
徳子姫に感情移入してしまって、もう。。
泣いてしまう。
あとはもうやっぱり、清明と博雅のやりとり。とても好き。
世界に浸る。
でも、、陰陽師シリーズは短編の方が好きかなぁ。
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「鉄輪」を夢枕獏が書くとこうなるのか。
能だと想像せざるを得ない部分が明瞭になりますな。
だれしもが徳子のようになる要素を持っていると思う。
だから空恐ろしいのに目が離せなくなる。
怖いのに悲しくなる。
この能が現代にまで人気であるのも、いつの時代も変わらないものを内包しているからでしょうね。
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藤原済時の心変わり、悔しさのあまりに丑の刻参りをして鬼に変わりそうになるが
その姫は、堀川の橋のたもとで 笛を吹く博雅にあわせて琵琶ひいてくれた 博雅の想い人でした。
泣きながら 死にゆく生成りと化した徳子姫をだきしめて「そなたが愛しいのだよ」と告白する博雅が愛しい人でした。
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何冊か読んだ陰陽師シリーズ。
その中でも一番切なく、印象に残ったのがこの本。
夢枕 獏の文体を読むと、しばらく頭の中まで夢枕節に侵されてしまいます。ファンタジーだけど、舞台が日本の平安時代だし、ストーリーやキャラクターが魅力的なので、好き嫌いなくすっと読めます。
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陰陽師シリーズの長編。
出版社が違うとのことで、古典からの紹介が多く、つながりはあったが本編部分が少なかったように感じた。
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シリーズ初の長編。
シリーズで出ているけれど、どこから読んでも大丈夫なように書かれています。
特にこの長編は、今までの晴明&博雅のエピソードも織り込まれていています。はじめての方やおさらいにぴったりです。
私はシリーズ順に読んで来たので、くどいとしか感じなかったけど。
物語のもととなるのは、呪われた男を晴明が助ける、という謡曲。それを、夢枕獏が女の悲しい物語として描きなおした。
前に短編「鉄輪」としても収録されていた物語です。大筋は変わらないけど、長編になって、鬼へ成っていく女の悲しみがぐっと迫ってくる作品になりました。
それと、博雅の良い男ぶりが光る。素直で優しくて、優しすぎて、切ない。
晴明さんも言っています。
『博雅は、良い漢だ…』