紙の本
ひさびさにスティーブン・キングを堪能した
2006/05/17 08:02
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:SnakeHole - この投稿者のレビュー一覧を見る
中堅ミステリー作家マイクル・ヌーナンは,妻ジョーの突然死のあと全く小説が書けなくなってしまう。過去に書き貯めておいたストックも尽きた4年目の夏,悪夢に導かれた彼は,ジョーの死後一度も行ったことのなかった湖畔の別荘「セーラ・ラフス」を訪れる。
管理人ビルとの会話から,マイクルはジョーが自分に内緒で何度もこの界隈を訪れていたことを知る。どうやら別荘にその名を遺す20世紀初頭の黒人歌手,セーラ・ティドウェルとその仲間達についてあれこれ調べていたらしい。そんなある日,彼は食事に出かけたドライブウェイで一人の少女カイラとその母親で若き未亡人マッティーに出逢う。その夜,公開していない彼の番号に,当地出身の大富豪にしてマッティーの義理の父親であるマックス・デヴォアから恐喝めいた電話が……。
ひさびさにスティーブン・キングを堪能した,という読後感。いや,短編も悪くはないんだが,やっぱりこのヒトは長編のヒトだと思う。乱雑にばらまかれたように見えて,その実周到に計算され配置された人物,小道具,言葉のひとつひとつ。「ミザリー」,いや,もしかしたら「シャイニング」以来の面白さかも知れぬ。……ああ,願わくばこれがスットコな映画にされませんように。キングの小説の映画化って外れの方が多いんだよね。
紙の本
意味深なタイトル
2004/07/17 11:34
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投稿者:知乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
愛する妻を亡くした私は何のために生きるのか。
人間は所詮「骨の袋」に過ぎないのか。
スローなペースで始まるこの長編も後半は一気に読ませる。
キングのエンタテナー作家として力を改めて感じさせる力作。
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短編モノが好きな僕はキング作品としては初長編。でもグングン読めてやっぱキングはすげーって改めて感心。愛がテーマな感じなので通常のキングとは一味違います。
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2007年最初に読んだ本。
キングにしては珍しく前半のテンポが悪くて
読み進めるのがちょっとつらくも感じたけど、
中盤から面白くなってきます。
過去の因習にとらわれた町を舞台にした
正統派キングホラーです。
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上巻の8割ほど読んで、あとは後半も含めて流し読み。とりあえず、ストーリーは全部追いかけました。前半で力尽きました。
読むの遅いので、じっくり1冊の本に5時間6時間取り組む気がない限りはこの本読めない……さほど嫌いな内容ではないのですが、いかんせんシーン転換までの描写が長い長い長い。
冗長というのとはちょっと違うけど、「こんだけ読んでまだこのシーン終わらないの?」という感覚が強いのです。これは何だろう。特に怪奇現象めいてきてから。作家のスランプぶりはそれでも興味深く引き込まれた。りすが冬場に木の実を溜め込むという辺りはもうドキドキで。
だけど、女の子と町の有力者と館の怪奇現象が、なんかなじめなかったです。怪奇現象の描写が、怪奇現象めいて見えなかった割にいつまでもいつまでも続いてるように思えたからかなー。“怖い”シーンに差し掛かると、急にテンポが悪くなる感じ……。
――幽霊よりも、新作をせっつく編集者が怖い。
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妻を亡くした人気作家が、別荘で巻き込まれた幽霊譚。
やっぱりキングなので、緻密に張り巡らせた伏線がぴたっとはまっていくあたりは名人技って感じだ。妻を亡くした空白感とかも切実で、後半の盛り上がり方もすごかった。
が、なんかカタルシスがないんだけど。
いや、キングはもともとあんまりカタルシスがない作家だと思ってるけど、それにしてもね。技で上手く隠してるけど、結構荒い気がします。はい。
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作家についての描写がリアル(実際かどうかは知らないが)っぽくて楽しめた。相変わらず伏線張りまくり。下巻に期待。
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原作は読んでいないが、ピアース・ブロスナン主演でTV映画化されたのを観た。よい具合に老けたブロスナン、やっと、年齢相応の貫禄と渋さが備わったかんじ。殺される時に、こうやって呪いがかけられるなら、この世は呪いだらけでしょ。
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長い長~い序章といった感じ。 でも何かあると思って読ませてしまうのだから上手いんだろうな・・・少し疲れつつ「下巻」へ。
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最愛の妻が事故で死んだ。
彼女が最後に買ったもの。
それは自分の知らない彼女の世界の存在を匂わせるものだった。
彼女が最後に買ったものとは。
彼女の死後、パソコンに向かって文字を打つことができなくなった。
彼女の死後、悪夢に襲われるようになった。
何度も見る同じ夢。
いったいどんな意味を隠しているのか。
彼女の死から4年。
彼女が愛した湖畔の別荘へ行くと、そこには確かに見えない存在が巣くっている。
いったい何が?
なんの目的で?
600ページ読んでも、さっぱりわからないことだらけ。
でも、まえがきと本文の間のページに、ダフネ・デュ・モーリアの「レベッカ」の一文が書いてあるので、多分大丈夫。
怖くても、面白いはず。
怖いよりもわくわくが先に立って、600ページを一気読み。
下巻が楽しみ。
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まず最初はマイクル・ヌーナンの偏執狂的な腰砕け具合に腹が立つ。なんなのこのビビりオヤジわ(激怒=3)。
セーララフスに移住してから後は若くして未亡人となったマッティー・デヴォアとのエロい妄想で持ち直す。
淫夢の不条理な支離滅裂さの表現は秀逸。
ここまでのところ、妻に先立たれた小金持ちで下心満載のエロ妄想オヤジが死んだダンナのオヤジからムスコの忘れ形見となった娘の親権問題に猛追され、悩む若くて美人な未亡人に取り入ろうと金に糸目をつけずにアレコレ貢ぐ話との解釈。
どうしたんだよスティーブぅ。
下巻へつづく。