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三部作完結上巻
2016/09/19 17:46
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投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
しろばんばでは田舎ののんびりとした優等生だった洪作。
今作では・・・。
夏草冬濤でやや不良がかり成績が低下する兆しがあったが、
本作では受験失敗浪人生。しかも、まともに勉強せず
ふらふらと学校の柔道部に出入りし、見るに見かねた先生に
色々と諭される・・・。
打ち込むものがなく、トンボのようにふらふらしていた洪作。
そこに金沢からやってきた小柄な柔道少年。
ストーリーを高速で追っかけたくなる面白さ。
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しろばんばで小学生だった洪作が,ここでは高校生になっている.小学生のころは優秀だった洪作がいつのまにか落第間際になっているコントラストがびっくり.でも基本的に自由に人生を歩いていくというその方針は一徹しているように見え,それが作家井上靖を生んだのかと思うと興味深い.
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昔の柔道のお話です。しかし古いのは柔道だけでなく、人間やその周りを取り巻く環境、すべてが現代から見てのんびりしていると思います。読んでいてなんとなくほっとさせられる作品でした。
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10代で挫折した小説に手をつけられてうれしい。学生同士の会話が、なんだか古くないかんじ、今ここで聞いているような。言葉遣いや思想はもちろん当時のスタイルなんだけれど、とてもいきいきと感じられるのです。
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自伝的三部作の三作目。
四高柔道部との出会い。
三作目の中で一番最初に読み、一番好きになったのが、この『北の海』です。
洪作の人柄に、ほっとします。
苦労を重ねた老人の、「親の脛をかじれるうちは、かじったらいい」という考え方が、いいなぁと思いました。
かじれる脛を持つのも人の運である、と。そしてそこから運を育てていけばいい、と。
いつまでも親に助けてもらっている私は、この言葉と出会い、少しこころが軽くなりました。
自分に回ってきている運を、大切に、活用していこうと思います。
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偉大なる青春讃歌に感動した。
当初は高専柔道、七帝柔道の事がメインと思って読み始めたのだが。
人生とは、青春とは、友人とはそして柔道とは。
少し青臭くなるけれどもう一度考えるきっかけになるかもしれない。
もっと若いうちに読んでおけば人生の、特に青春時代の過ごし方ももっと深い物になっていたのではないかと悔やまれる。
同じような思いをしたのが「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか」を読んだ時。この本ももっと早く読む機会があったら自分の柔道も変わっていたことだろうととても悔やまれたから。
上記二冊、これから青春を迎える全ての若い人、青春まっただ中の人、振り返らなければ青春が見えなくなった人、そして特に柔道が好きな人にはぜひ読んでみてもらいたいと思います。
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キャア順番間違えた。まあええか。
とにかく下巻へ急ぐ。
早々に「しろばんば」「夏草冬濤」読まねば。
そして「あすなろ物語」も。
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文豪、井上靖が書いた自伝的小説三部作の最終章にあたる長編小説。実際に読んだのは単行本版。詳しいレビューは下巻のほうで。
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七帝柔道記が面白かったので高専柔道の古典も読んでみる。戦前の茫洋とした姿が面白い。上巻は四高に入るまでの前段階。
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『しろばんば』、『夏草冬濤』(なつぐさふゆなみ)、そして本書で自伝三部作となる。井上靖は明治40年(1907年)生まれだから、旧制四高(しこう/現金沢大学)に入ったのは昭和2年(1927年)である。私と同じ旭川出身だとは知らなかった。旧制中学に主席で入学したというのだから元々秀才だったのだろう。主人公の洪作は複雑な家庭環境で育ち、非常に冷めた性格の持ち主となる。ところが受験を控えた時期に蓮見と出会い、春秋の色合いが深まる。
https://sessendo.blogspot.com/2018/07/blog-post_18.html
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上下巻を半日足らずで一気に初読了。「しろばんば」「夏草冬濤」(上下巻)を含めた著者自伝的3部作全5冊を3日ほどで一気に読んでしまった。
それら3部作の中では最も成長した後の物語なので、前2部作に比べると感情移入もし易く、主人公の心情に共感できる部分も少なくなく、最も没入して読書を楽しめた。読み終えてみれば、これら3部作それぞれが、主人公・洪作の年齢相応に実に上手に描き分けられており、洪作を取り囲む周囲の登場人物それぞれの際立った特徴や魅力と併せ、とても読み応えのある一代記になっていることに感銘を覚える。
願わくば、もっと多感だった十代の頃に読んでおきたかった。
妻や息子にも薦め、こればかりはブックオフに売っ払わずに蔵書に加えたい。