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太陽の塔 みんなのレビュー
- 森見 登美彦 (著)
- 税込価格:1,430円(13pt)
- 出版社:新潮社
- 発行年月:2003.12
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紙の本
森見ワールドの原点的作品
2008/05/30 14:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る
2003年の日本ファンタジーノベル大賞の大賞受賞作品。ついでに著者のデビュー作。
「夜は短し歩けよ乙女」「有頂天家族」などの最近の作品を読んだ後で、このデビュー作を読むと、著者の作品世界がいかに独特の奇妙な形に練り上げられて来たか、が想像できて興味深い。
舞台は、他の作品と同じく京都の街、それも東山一帯。そこは、腐れ大学生たちがたむろする学生の街。この腐れ大学生の1人、森本が本書の主人公。男ばかりで下宿に集まって鍋をつついて妄想をたくましくしながら、クリスマスと恋愛礼賛主義を呪うというような、生産性のカケラもないような生活を送っているようなヤツである。
ストーリーは、森本の同類(つまり、彼の下宿で鍋をつついているようなヤツら、どいつもこいつもサエない)のエピソードを挟みながら、彼の日常を綴っていく。
日常とは言っても、もちろん平凡とは言えない。彼は、一時期付き合っていた彼女、水尾さんがいて、別れた後も「水尾さん研究」と称して、その日常の行動を観察・記録している(本人はストーカーとは根本的に違うと言っている)。また、ゴキブリ入りのプレゼント包装した箱を、それとは気付かずに開けて、下宿を昆虫王国にしてしまったりする。
全体を通して面白かった。エピソードが笑えるし、ラストの事件は何やら爽快感さえ漂う。登場人物たちは個性的だし。(言い忘れたが、主人公がフラれた水尾さんだって普通じゃない。)
しかし、変さ加減で言えば、やっぱり最近の作品の方が変。冒頭で「作品世界がいかに独特の奇妙な形に練り上げられて来たか」と言ったのは、そういう意味だ。登場する何人かの人物や出来事の造形を、さらにデフォルメしていくと最近の作品世界に行き着く。つまり、本書はデビュー作らしく著者の作品の原点と言える。
ちなみに、本書が「日本ファンタジーノベル大賞」を受賞していることについては、説明が必要だろう。今までの話のような、男子大学生の醜態は、幻想的でもなければ、空想の翼が広がったりもしない。ただ、時折、電車が闇の中を煌々と明かりを付けて走り、フッと幻想の世界に入り込む。 ここの部分だけは他との対比もあって、くっきりと浮き上がって「ファンタジー」なのだ。
紙の本
『みんなが不幸になれば、僕は相対的に幸せになる』……至言だっ!
2007/06/25 22:00
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウがッ!
思い当たるフシがありすぎる!
非凡だが異端
有能だが無用
たのまれもせんのに我が道こそ王道とこころざし
己の頭という偏狭な世界を
ぐるぐるぐるぐる走り続ける
なにをどこでどう間違ったか
などということはこの際、気にしない
それが笑いと哀れをさそう
超・絶 自虐的小説
広いトコより狭いトコのが好きなアナタは御一読したまえ
……あのよォ後輩、そのネタ、まさかオレがモチーフなんじゃあるまいなぁ。ほら、エチレングリコールの友人の話……(っていうかそれが言いたかっただけだろうお前は)
紙の本
不思議な話
2020/08/18 17:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヘンテコな人たちによるとりとめのない話…としか感想の書きようのない不思議な話でした。ただ、目を白黒させながらも、いつまでも読んでいられます。