紙の本
愛を得るために…
2001/07/28 18:58
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投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
怪盗アルセーヌ・ルパンがセルジ・レニーヌ公爵と名を変えて、美しい婦人の愛を得るため八つの冒険に挑戦する、といった設定の連作短編集。
ルパンの物語は、盗賊ということもあってか波瀾万丈・荒唐無稽(悪口じゃないよ)なものが多いが、本書では冒険活劇の色が薄く、トリックをメインにしたミステリといった趣きです。
ルパンが盗賊としてではなく探偵として活躍、「塔のてっぺんで」で遠隔殺人、「テレーズとジェルメーヌ」で密室殺人、「雪の上の足跡」ではそのものズバリ、雪の上についた足跡の謎にと、いかにも探偵小説的な謎に挑む。
どうしても古臭さは感じますが、トリックのできもなかなか、楽しめる一冊です。
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登場時点では、「自信過剰な勘違い野郎?」と鼻につく伯爵(=ルパン)。でも読んでいくうちに・・・ふっふっふ。実は恋愛方面では意外とトホホな目ばかりにあっている彼がいい目をみられる貴重な作品。
ミステリとしては小粒なのでシリーズの中では知名度は低いかもしれないけれど、何度でも繰り返し楽しめる、ロマンス風ミステリ。
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『塔のてっぺんで』
ロッシニーと駆け落ちを計画するオルスタン・ダニエル。配偶者同士が駆け落ちしたオルスタンの叔父オーグルロッシュ夫妻。駆け落ちを阻止したレニーヌ伯爵。オルスタンを冒険へと誘う。塔の上から見えた案山子ののような遺体。白骨化した男女の遺体の謎。
『水瓶』
レストランで驚愕する男を見つけたレニーヌとオルスタン。逮捕されたジャック・オーブリュの死刑の決定。彼の無罪を信じるジュトルイユとジャックの家族の元へ。殺されたジュトルイユの従兄弟ギヨームと盗まれた6万フラン。6万フランの行方を探すレニーヌ。
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盗まないルパンの話。
その知恵とコネクションとをフルに使って問題を解決するルパンはかっこよい。
また警察ではないので、必ずしも犯人を捕まえるわけではないあたりもいい。
8つの問題と8時を掛け合わせた構成がおしゃれ。内容もトリックものあり、本格あり、で楽しめた。
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レニーヌ公爵と名のって、若く美しい婦人オルタンスの前に登場した怪盗ルパンは、彼女を8つの冒険へと誘う。怪紳士レニーヌは、生得の天才的なひらめきと、過去の強盗の体験から身につけた豊富な知識で、無実に泣く人達や、虐げられた人びとを救うために大活躍。最後に、オルタンスの愛も手に入れる。その後のミステリーで定番となったトリックを惜しげもなく繰り出した評判作。 (「BOOK」データベースより)
8つの冒険に誘われるなんて、うらやましすぎだわ、オルタンス。
こんな生活してみたい、と心から思いました(笑)。
8つの物語の中で、たくさんのトリックが使われていて、お得な詰め合わせ的な本でした。
本当に人を救うためなんでしょうかねえ。
真実を突き止めたいという探究心を満たすためのかもしれないなあとちょっと思います。
それが悪いことではありませんけどね。
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前評判の高い作品ではあったが、評価は上のように落ち着いた。
内容は、確かにヴァラエティに富んでいる。
物的・心理的トリックを駆使した本格物から、サイコ・スリラー物まで、アイデアもいい。
まあ、でも大人になった現在、かなり苦しいものがあるなと痛感した。
大人になって読んで実感できるものと云えば、この八つの物語、全てリュパンがオルタンスを口説くためだけの前工作に過ぎないという点だ。
いやはや、ここまで投資する恋があるとはねぇ…。
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さいとうちほ先生の「VSルパン」第7巻発行を祝して再読しました。
セルジ・レニーヌ公爵(アルセーヌ・ルパンの変名)が、不遇の貴婦人オルタンス・ダニエルを救い出し、8つの冒険に誘います。殺人(それも遠隔、密室、連続!)、盗難、誘拐、不幸なカップル救済と、ミステリの宝石箱のよう! 「有栖川有栖の密室大図鑑」所収の謎も。
今回は謎解きと冒険に大活躍ですが、証拠をロジカルに詰めるのではなく、結構ハッタリをかましているところ、最終的にオルタンスのハートをしっかり盗んでいるところは、ルパンの面目躍如と言えますね。
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小学生の頃ポプラ社版で読みました。
8つの謎を解いていく紳士の物語大好きでした。
その印象が強かったので今回のも楽しみに読み出したのですが、謎解きも色々荒いです。
ヒロインもこんな性格だったっけ。
思い出が美化されてたみたいです。