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漢方小説 みんなのレビュー

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みんなのレビュー100件

みんなの評価3.7

評価内訳

100 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

漢方診療所で

2006/06/06 12:11

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

「水が下がっちゃって、火が勝っている状態です」
五人目の医者はみのりに、こう言った。
31歳で独身のみのり、元カレが結婚すると聞いたその日から
調子が悪くなる。
だましだまし暮らしていたものの、どうにもこうにもならなくなり、
ついには救急車のお世話になってしまった。
なにしろ身体がロデオマシーン状態となってしまうのだ。
しかし、いろんな病院へ行っても異常の原因は見つからず、
最後に漢方診療所へ行き着いた。
五人目の医者、ソース顔の漢方医、坂口先生。
みのりは先生に見惚れてしまった。
東洋医学的に診ると、みのりの場合、全身のバランスが崩れていて、
『火』が勝って上半身に熱が上がってしまい、
ドキドキや胃の不調を引き起こしているのだそうだ。
「やっぱり悪いところがあったんですね」
漢方診療所に通いながら、
みのりはゆるゆるとではあるけれど、身体の調子に変化が現われる。
なにしろ、坂口先生の笑顔を楽しみに診療所に通ううちに
食欲が出てきたのだ。
マリービスケットを紅茶に浸して食べていたのが、
固いまま食べられるようになり、
そしてムーンライト、チョイスまでいけるようになる。
ついにはミスターイトウのバターサブレが食べられる日も近いという勢いだ。
みのりを取り巻く居酒屋で集う仲間たちにも
ずいぶんあれこれ励まされた。
「いいですね。とってもいい脈です」
最後になるとは知らなかった診療日に、坂口先生はそう言った。
『本治』というものを実感できるくらい、みのりは自分の身体に自信がついてきていた。
「ありがとうございます」と自然に言葉が口から出るみのり。
なんともさわやかなラスト。
二人の姿が目に浮かびます。
読後、漢方にちょっとだけ詳しくなった感じがしました。
そして、六本木ヒルズ、ユザワヤ、コージーコーナー、タリーズなど、小説の随所で東京の気配を感じました。

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紙の本

漢方のように心と身体に効く一冊。30代の女性に特にオススメです。

2005/06/21 14:39

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公のみのりは一言で言えば「負け犬」の31歳。
元彼の結婚話を聞いたその日から体調は不良、原因のわからないドキドキに悩まされてしまいます。動悸や食欲不振、一体私はどうしちゃったの?と病院通いの日々が始まり、辿りついたのが「漢方診療所」。
少しずつ回復していったみのりですがまたまたショックな出来事に振り出しに戻り落ち込む事に、しかも飲み仲間の男性からはちょっと違う方向へ向き過ぎとまで指摘されてしまうし同じ状況の友達は睡眠薬を飲みすぎて入院してしまう・・・。
結構切実な内容ですし20代の頃にはあまりありませんでしたが30代に入ってから体調不良は精神不良に結びついていることも多くなってきたような気がします。
何と言いますか若い頃と比べるとグラグラと不安定になる時期も増えてしまうのです。ですから主人公達の気持ちは痛いほど伝わってくるのですよね。
それなのにこの本の素晴らしいところは笑える箇所かあちこちに散りばめられているところなのです。
切実でありながら、また身近に彼女達を感じながらも悲壮感がありません。プププと笑いながらもウンウンと頷く、そして漢方のように優しく読者の心を癒してくれる。そんな心と身体に良い一冊です。

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紙の本

プチ負け犬入門小説

2005/06/11 16:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はなこちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

芥川賞を惜しくも取れなかった作品。
主人公は31歳のシナリオライター、恋人なし、お金もなし。いま定義上の「負け犬」が「30歳以上、未婚、子なし」だから、彼女は負け犬にということになるんだろうが、お金の入る仕事をきっちり持って、人生を(一見)謳歌している「負け犬」たちと比べて、主人公はまだまだその入口に立っているといっていい段階である。
そんな彼女が、昔の恋人の結婚を知り、体調を崩して、数々の病院をたらい回しにされた末に、漢方と出会うところから小説は始まる。
この小説の弱点は、あまりにも等身大過ぎることだ。私はまだ23歳で負け犬になるには早すぎる歳だが、医大卒業を来年に控え、負け犬の世界の一歩手前にいる。そんな状況の私が、この小説にはびんびんに共感してしまうのだ。「あさっての方向を向いている精神状態」で決して女には甘くない世界を、それでも精一杯突っ張って生きていく。精神と身体のバランスを、細い一本の綱の上で必死に取りながら生きていかねばならない、そんな中で出会った綱渡りの棒である漢方(それは人によって、例えば簡単手芸キットにも抗うつ薬にもなりうる)にのめりこんで行く。普段は意識することを避けてきた、私たちの立っている地面の不安定さを、この小説はまざまざと描いてしまった。
しかしこの作品は、私たちにそんな現実を直視させながら、それでもなんとか生きていけるんだよ、とささやいてくれてもいる。みんなそうなんだから、それなりにやっていくしかないのだから、と。

また、この小説では、漢方に対する正確な知識も得ることができる。正確で科学的に見える西洋医学に比し、漢方は一見いんちき臭いが、2000年の臨床治験に支えられた、きちんとしたエビデンスのある治療法なのである。また、先に書いた綱渡りの棒の話ではないが、漢方医療は身体のバランスを整えることによってからだをいい状態にしようという治療法でもある。

綱渡りの棒は、漢方でも手芸キットでもいいが、小説でもいい。こういった小説によって精神と身体のバランスを取るのも、なかなかのおすすめである。

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紙の本

読むクスリ

2005/01/09 16:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る

昔つきあっていた男が来月結婚すると聞いてから、原因不明の腹痛、動悸、発汗に悩まされる主人公、川波みのり(31歳独身女性)。
転々と病院をまわって、診察される度に聞かれるのが、「最近なにかストレスを感じるようなことがありませんでしたか?」
やはり心療内科に行くしかないのか、と思っていた彼女が何気なく足を向けた漢方診療所。
若くてカッコイイ先生につられて通院するうちに主人公が元気になっていくお話、と言ってしまえば身もフタもないのだが、本書はあらすじよりも、登場人物たちのキャラクターとユーモアに溢れたその語り口が抜群に魅力的だ。
作者は自分をネタにして笑いをとることができる女性なんだろうな、と容易に想像される。

東洋医学に関する説明も分かりやすく、これは漢方ブームを予感させる面白さだ。
たとえば医師の説明は、
「具体的に言うと、患者さんの基礎体力や、暑がり寒がりなどの体質、生まれながらに弱いところ、今弱ってるところ、病気の時間的な経過など、もっと個人情報にふみこんで総合的に随時診断するんです」
「自然治癒力に頼るところが大きかった古代の医学が基礎になってるので、個人レベルで根本から治していくことに重点がおかれてるわけです」
主人公みのりの言葉にすると、
「例えばNBAで言うと、西洋医学の薬は、怪物みたいにデカいMVPプレーヤーがいる勝率の高いチーム。漢方薬は、アシスト、リバウンド、スリーポイントなんかがうまい、そこそこの選手が五人そろってるけどファイナルまでいけないチーム」
「いろいろな成分が入ってるから色々な病気ともある程度は戦えるけど、必ずしも強力じゃないってことよ」
本書に書かれた、自分の中にある自然治癒力をひきだす漢方の効用を知っていくうちに、自分の中にある力をもっと信じてもいいのかも…と思わせられる。
自分のもつ力を信じよう!というテーマの小説はたくさんあるけれど、それを漢方にあてはめたところに説得力がある。
「思いは恐れに勝てる」—その根拠を、本書を読んで確かめていただきたい。

主人公はいわゆる典型的「負け犬」の女性であるが、独身女性に限らず、何かしら「おいてけぼり感」を日々感じている老若男女に、広く支持される1冊だろう。
読めばじわじわ元気になれる、まさに漢方薬のような小説だ。

最後に、締めくくりの一文のなんと、洒落ていることか。
まるでビリー・ワイルダーの映画の幕引きのようだ。
この人の書く小説はこれからもずっと読み続けていこうと思った。

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紙の本

これはワタシの物語です

2006/10/18 01:26

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:らせん - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本の主人公は、“みのり”という31歳の独身女性。昔プロポーズされたことのある元カレが、結婚すると知ったその日から、原因不明の体調不良に陥り、医者を幾つかはしごして、行きついたのが東洋医学の漢方診療所。そこで出会った漢方医の坂口先生にトキメキを感じたみのりは、漢方を通じて自分の心身のバランスと向き合うことに……。
最初に言いきってしまいます。この物語の主人公はワタシです。いや、ワタシでもあると言うべきか。
30代、独身、仕事あり、(特定の)男なし、そして原因不明の体調不良。いわゆる“負け犬”のステレオタイプですが、これほど等身大で親近感を覚える主人公は珍しい。最初から最後まで<共感の塊>になって読み終えてしまいました。
この主人公と我が身を照らして思うことは、若い頃(そりゃ30代だからまだ若いですよ。でも10代や20代の頃とは違います)にはなかった<身体が心に裏切られることがある>という現象についてです。
多少の無理やストレスに負けなかった身体が、心より先に根をあげちゃうんです。
言わば<心と身体の乖離>ですが、これは実際ごく最近おかしな病気に悩まされたワタシも身を持って経験したことで、かなり辛いです。
主人公は落ちつきのないサンドバックのように、西洋医学の病院を彷徨って、辿りついたのが東洋医学の漢方医院。
漢方は病気の原因を特定して、ピンポイントな治療を行なう西洋医学と違って、バランスを逸して傾いた身体を、健やかな状態(本治)に立てなおすよう改善をうながすもので、主人公はこの漢方を通して、乖離した心と身体を再び結びつけ、自分で立ち直ろうと努力するのです。
漢方薬を飲み、仕事に励み、友達に甘えず、男にも逃げず、一人で頑張る姿はこれぞ“負け犬”で、異なる立場の人から見れば、その姿は悲壮感が漂うように見えるかもしれないけれど、これが“負け犬クォリティ”なんだから仕方ない。
そして作者の中島さんは、ごく当たり前に頑張ることを頑張る“負け犬”をリアルに、滑稽で、それでいて少し切なく、でもたくましく、実に上手く描かれています。
読後は肩の力が抜けて、元気をもらったような気がしました。
何より真っ直ぐな気持ちになれるのが嬉しいです。
心にも身体にも効く、正に漢方のような小説です。

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紙の本

『完璧』な小説、発見。

2006/07/25 23:41

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る

漢方薬なんて全く興味がなかったけど、この作品はそうでなくても十分に楽しめるところが良い。表現力が一風変わっていて狙い過ぎ感は否めないのに、なぜか心地よくしつこくない。
冒頭の、主人公が謎の痙攣で救急車に運ばれるところからラストまで、完璧に計算されて書かれた感じ!
登場人物は皆個性的でおもしろいし、主人公の行動もなんか笑えるのに筋が通ってる感じで。
読んでて痛快。久しぶりに完璧な一冊に出会いました。

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紙の本

軽やかで等身大。負け犬必読の癒し小説。

2005/02/24 23:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ざれこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

芥川賞候補作の中で私はこれが一番気になったんで、読んでみました。
表紙もなんだかかわいいし。

31歳みのりは、元カレが結婚するという話を聞いた後、胃が暴走して
救急車で運ばれる。そして医者をいくつもはしごしたが原因不明、
「ストレスはないか」と聞かれ、「呼吸をしているか?と聞かれてるのと同じ」と思うほど
ストレスと仲良くしていると自負しているみのり、最後の砦で東洋医学に頼る。
そこの若くてかっこいい(でも10円はげの)お医者さんが漢方薬を処方してくれ、
彼女は東洋医学を学んで、自分の心身のバランスについて考えていくが、
なじみの居酒屋でも周りが動き出し…

いやあ、見事な負け犬文学でしたわ。
リアルだし。いやあ、かなりリアルでしたよ、生活感出ててさ。
身につまされたー。そう、私達はストレスの塊で、結婚できないっていうストレスまで抱えていて、日々何かが降り積もっていく。
そしてバランスが崩れていく。そんな一人の女性を描いて、文体は軽やかでとても等身大。

多分この作家さんは普段から自分を客観的にみてられるんだろうなあ、って思う。
比喩とかいちいち笑えてからっとしてるんだけど、でもちょっとなんか切ない。

結局彼女は男に頼ることもせず、東洋医学を知って自分を知ることで、
自分で自分のバランスをとろうとする。そして、すっくと一人立ち、しようとする。
まあ、言ってしまえば「だからこそ負け犬」なんだけど、悲壮感や頑張ってる感はなくて、
一人で自然に立ってバランスとってやってけたら、それだけでいいよなあ、
かっこいいよなあ、って思える。私もそうあれればいい。
そういう風に、ちょっとささやかな元気をもらえる、私にとってはそういう小説でした。

慣れた筆致でさすがに脚本家、読ませ方は上手だし、ちょっと熟練した作家が軽く書いてみた短編、くらいの域に達していて、読みやすい。
いやあ、いいですよこの作家さん。なんか、まっすぐで気持ちがいい。お薦めです。

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紙の本

タイトルのネーミングの素晴らしさに脱帽した!

2005/04/03 20:53

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

すばる文学賞受賞作、芥川賞にもノミネートされたことでも有名である。

ズバリ、30歳前後(というか30歳超と言ったほうが適切かな)の女性の気持ちを等身大に表現した快作と言えそうだ。

冒頭からして面白い。
主人公のみのりはまず、胃が暴走して救急車で運ばれるのであるが、その原因は元カレが結婚すると聞いたから…(笑)

その後、病院をいくつかまわったあと、漢方処方の病院にたどりつくのであるが、そこでの若い先生(坂口)にKOされる展開である。

男性が読むか、女性が読むかによってかなりスタンスが違う作品だと言えそうだ。
女性が読めば“共感小説”、男性が読めば“同情小説”、この微妙な違いの把握が作品を楽しめるかどうかのキーポイントとなってくる。
男性読者には少し理解し辛い点があるかもしれないが、多少なりとも主人公のような女性に可愛らしさを見出せたので楽しかったな。

少なくとも作中で漢方薬によって癒されたみのりの如く、女性読者には見事に処方された漢方薬のような作品であるのには間違いないところだと思う。
みのりと同じ境遇の読者が読めば、本を閉じた後、みのりからバトンタッチされたような気分になる。
読後前向きになったあなたに“じわっ〜”と効いてくるはずだ。

作中にて気づいた点を少し挙げたい。
まず第一に、みのりのまわりをとりまく人たち(飲み仲間)が実に巧く描写されている点である。

東洋医学と西洋医学の違いなど、読者にわかりやすく的確に説明をしてくれていて良い勉強の機会にもなったことも付け加えておきたい。

--------------------------------------------------------------------------------

日頃、小説って読みやすいのが一番だと思っている。
本作は典型的ないわゆる“負け犬小説”なのかもしれない。
しかしながら、いわば“負け犬”に大いなるエールを贈っている点が見事である。
その結果として、性別を問わず心地よく受け入れられるであろう。
作者のセンスの良さを評価したいな。

あと、個人的には本年度“タイトルネーミング大賞”(こんな賞ないですが)の本命に推したいですね。
芥川賞は取れなかったけど、次作も是非読んでみたいと思わせる作家の出現に心からの拍手を贈りたく思う。

マイレコ

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紙の本

快方小説−若干の恋心は必要です−

2005/01/26 16:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポットマム - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間の体は些細なことで暴走する。他人から見ればなーんだそんなこと、
と思うようなことで。

 主人公 川波みのりも例外ではない。あることをきっかけに、体が、心が暴走
しはじめる。本人曰く「暴れ出すと止まらないセルフ・ロデオマシーンのような体」や、友人曰く「あさっての方角を向いている精神」を抱えつつ、何軒もの病院
をはしごするが、結果は見事に全部シロ。ありがちな「ストレス」の一言で片付け
られてしまう。そんな時に思い出すのが高校生の頃にかかっていた東洋医学、
漢方診療所だ。

 話は笑顔の素敵な漢方医(みのり若干の恋心アリ。ゆえにあくまで主観)や、
みのりよりも暗くて深い穴を心に抱える友人、陽気な飲み仲間とのエピソードなどを交えつつ、ゆるやかに快方に向かう日々をつづっている。

 私も含め、漢方薬なんて飲んだこともないし、全然知らない、分からないという
方も多いだろう。ところがどうだ。読後ともすれば胡散臭ささえつきまとう東洋医学や漢方薬になんとなく頼ってみようかという気になっているから不思議だ。

 体や心の不調をテーマにしているが、決して重くも暗くもならず、時にユーモア
を感じさせる本書は実に爽やかだ。

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紙の本

即効性はないけれど

2005/06/02 18:34

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オクヤマメグミ - この投稿者のレビュー一覧を見る

心に出来た小さな傷が、体に変調をきたす原因となることがある。
「心因性」と呼ばれるものの多くを人は素直に認められない。
直接ケガをした訳でも血を流した訳でもないのに具合が悪いなんて、自分でも情けないし、周囲に何て説明すれば良いのだ…。
この小説の主人公・みのりも同じだった。
昔の彼の結婚話でこんなに動揺するなんて思いたくないし、思われたくない。
病院を何軒もハシゴし、やがて漢方に辿り着く。
漢方診療所の描写を読んでいると、その独特の匂いが漂ってくるようだった。
何も食べられなかったみのりが、ビスケットをゆっくり口にするように回復してゆくさまも細かく描かれている。
初心者に分かりづらい漢方(中医学)について、みのりと一緒に学んでいる気分だった。

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2005/02/20 21:09

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2005/06/03 01:29

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2005/06/07 09:41

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2005/09/26 16:55

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2005/11/19 07:17

投稿元:ブクログ

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