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みんなのレビュー38件

みんなの評価3.8

評価内訳

38 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

夢のあとに訪れた悲しみ

2005/05/20 15:07

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:紫月 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ドラマも見ていないのですが、この小説、現在放映中のテレビドラマの原作なのですね。
帯には『柳 美里 初の怪談!』の文字が踊っていました。
でも、柳美里を未読の私には他の作品と比べようもありませんでした。
それで、怪談だと思って何の予備知識もなく本書に突入。
ほんとうに何とも比較しようがないのですが、ただ『怪談』を期待していた私には、最初、かなり期待はずれでした。
少女の独白が大部分を占める文体は読みやすいものです。
どんどんと先へ読めるけれど、作中に出てくる昔話のように、かなり早い段階で話の先が見えていました。
この先に何が起こるのか、といった期待感、恐怖感はともに限りなく低いのです。それなのに、後半部分は作中にどっぷり引き込まれてしまっていました。
限りある日々の中で綴られる父と子の愛。
少女の救いようのない孤独がとても悲しい。
父と子の愛情深ければが深いほど、少女の孤独も深まっていく。そんな悲しさが透明感溢れる筆致で描かれていました。
少女が持つ父親のイメージはフォーレの『夢のあとに』。
『さみしい』と心を開いて打ち明けられる人間を、ただの一人も持たない少女の孤独と悲哀が胸を打ちます。
この作品、『怪談』という言葉を帯に使って欲しくなかったですね。
ラストの三行が、少女の位置を的確に表現していて秀逸でした。
——ここに在るものと、ここの無いものの只中に、
知ることと、知らないことの只中に、
少女はたったひとりで立っていた。——

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紙の本

この本を読んだ長女は、何だか身持ち悪い、っていうんですね。これって、確かに人間の幻覚を軸にしたホラーといってもいいものだし、なにより救いがないのがね、辛いんです

2005/11/30 21:24

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

柳の作品を手にするのは久しぶりです。基本的に彼女のエッセイを読むことはないので、間があいたせいで、とくに避けていたというわけではありません。手にして、内容が小説であること、本の小口に線が何本か見えて、そこから勝手に「これは、扉である、ということは、これは短篇集である」、と思い込み、柳の短篇集なんて初めてかな、読むの、なんて調子で読み始めたわけです。
主人公は、冒頭 男 と表記される、台湾の森でニコンの一眼レフF5を構え、コウトウキシタアゲハを撮影しようとしているカメラマン桜井朝晴です。彼には日本に残してきた娘がいます。彼女の名前は「雨」、小学校の六年生で、友だちは多くはありませんが、います。大好きな男の子もいます。
雨は、父親が撮影で家をあける間、一人でマンションの205号室で留守をしています。勿論、学校だって休むことはありません。そう、彼女には母親がいません。雨が二歳の時に家をでていったきりで、父親はそのことについて語ろうとはしません。でも、少女はそれをあまり悲しむことはしません。
なんといっても、彼女は朝晴が大好きなのです。髯をはやしてはいるものの、誰よりも若く見えて、優しい父親。時に黙って家をあけることはあっても、優しくて料理が上手で、なにより雨のことを一人の人間として扱ってくれるのです。だから、雨は今も台湾から父親の帰ってくるのを首を長くして待っているのです。
巻頭の「故・La Valseに捧げる」という言葉については、巻末の Dear You という柳が初めて書いたという あとがき を読んでもらいましょう。
そこに、東由多加、La Valse、村上朝晴という、この本を生み出すことになった三人の男性とのことや、装丁を担当した原 研也のことが詳細に書かれています。といって、それがストレートにこの話になっているかといえば、それは本分写真を撮影した村上朝晴が、小説では桜井朝晴となっているように、変貌を遂げていますので、先に読んで興を殺がれる、などということはありません。
で、この本はあまり内容を書かないほうがいい小説です。読みながら?がたくさん心に沸いてきます。それを確認するために、読み進む、そういう一面があります。といって、これはミステリでもホラーでもありません。むしろ、濃密なファンタジー、とでもいえるものでしょうか。いやいや、それも違います。一筋縄では行かない、ただただ心が締め付けられるようなお話です。
この話を読みながら、先日、家族で見た映画『誰も知らない』『害虫』のことを連想しました。『誰も知らない』は主役を演じた少年がカンヌで賞を貰ったことで話題となった作品ですが、あの後半の重さ、無論、救いはあるんですが、それはいわゆるハッピーエンドというものではなくて、仄かに見える灯りみたいなものです。それを感じます。
一方で『害虫』の、結局、少女のところに来る元教師とすれ違ってしまって、もう一本の人生路を歩み始めてしまう、そっちいっちゃうの?と思わず呟きやきたくなる救いのなさ、みたいな暗さもあるわけです。それが、やはりリアルとしかいえないんですね。で、話には幾つかの共通点も探せばあるんですが、それは書きません。ただ、雨 の造形はいいな、そう思います。
小学生の少女の独白が基調にあるんですが、それがとても自然です。無論、ませてはいるんですよ。父親が何日家をあけていても、しっかり自分で生きていく、そういった孤独に耐える強さもあるし、それでいて人恋しいというところも自然で、それが家庭科はダメだけれど、それ以外の成績はすべて5、というあたりとピッタリしていて、読んでいて嫌らしさが少しもありません。
本当に、可愛らしい。こんな女の子が・・・。読んでもらいましょう。

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2005/05/06 09:58

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2005/05/20 15:09

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