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この本が、世界に存在することに みんなのレビュー

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みんなのレビュー153件

みんなの評価4.1

評価内訳

149 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

この本に、私が出会えたことに感謝する

2009/02/25 12:54

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:空蝉 - この投稿者のレビュー一覧を見る

本が好きな人のために、本を愛する人が書いた、本好きのためのエッセイ集、それ本書。
私は「本」という存在そのものがすきなのだ。
物語に出会えたことに感謝する。もちろんそれは文章で描かれた実体のない中身への感謝なのだけれど、見知らぬ他人によって紡がれたその物語は書店を経由し、一方的に読み、勝手にその世界に浸るしかない一読者にとって、「本」という実体とのものが何より先に必要になってくる。

勿論装丁や栞、色形にこそ愛着を感じる人もいれば、本そのものよりも中身こそ大事という人もいるだろう。本に対する思い入れは様々だ。だから本書に収録された物語郡のどれもが当てはまりはしないだろうけれど、どれか一つでも共感できればきっと懐かしくも嬉しい気持ちになるに違いない。

例えば第一話『旅する本』は本そのものに執着してしまう私には到底できない芸当だ。
昔手放した本と偶然再会したがまた売り払う、数年後奇跡的に又出会う。その本を又出会える事を期待して又手放す・・・そうして旅する本と、読者たちの出会いの物語。 素敵な物語だとは思うけれど、私にはできない。
逆に中身なんてまるっきり関係なくて、その「本」との出合いそのものだけが意味を帯びてくる(「さがしもの」参照)という物語もある。

共感できるものも出来ないものもあるけれど、読み終えて思うのは、どの物語も一読した、もしくは一度出会った読者が、何かの折にその本と再開し、読み返し、以前と全く違った展開を見るということだ。
本も物語も変わらないはずなのに『私』は成長し、物語を見る目も感じ方も全く違ってくる。
年月を経た本との再会は、昔幼い頃の自分との再会であり同時に物語りは新しい展開を繰り広げて迎えてくれる。とても素敵だ。それが素直な感想。どれも本が『存在』していることに意味を成す。

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紙の本

読んだ記憶

2010/03/03 17:00

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:北村 佳澄 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 最初にこの本を読んだのはいつだったろう。
 ずっと昔、作者が誰か、などと気にもとめずに濫読していた頃に、友人の誰かから借りて読んだ記憶があった。印象深かったはずなのに、作者も題名も忘れてしまっていた。きっと借りたものだったから、自分の中にきちんと根を生やすことなく、すべるように意識の上を通り過ぎていってしまったのだろう。
 そのくせ、その内容は、ふとしたときに意識の上に浮かび上がってきた。
 書店の前で、図書館で。
 あの話、もう一回読みたいんだけど、あの話、なんて題名だった?
 幻の本が中古として人々の手を渡って、旅をしていく。旅の末に、また巡り合う『旅する本』という短編。

 この本に収録されているその短編こそが、私にとっての「旅する本」そのものだった。

 『この本が、世界に存在することに』題名に惹かれて手にしたこの本で、この短編に再会し、ああ、もう絶対に手放すまい、と思った。
 本を愛するのにまだこの短編を未読の人には、運命の出会いを果たして欲しいし、旅に出さずに本棚に納めておいて欲しい。

 

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紙の本

ほんの小説

2005/06/12 22:51

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 若い頃に開高健という作家に出会えたことを今もある種の喜びを持って心に思うことがある。きっと誰にもそのような作家なり作品があるだろうが、十代後半で出会った作家の片言隻句が未だに微かな影となって頭の中をよぎることがあるのだから、若い頃の吸収力というのはいかにも怖ろしい。その開高健はよく「小説というのは小さなお話にすぎない」と、彼自身の小説は決して小さくもなかったが、自虐的に何度も書いていた。
 開高の「小さいお話」というのはたわいもないという意味なのだろうが、どのような長編小説であっても考えてみればたわいもない作り話だというのも頷けることだ。しかし、それがどんなにたわいもない話であったとしても、読んだ人の心に深く染み入る時、それらの小説は決して「小さな話」ではなく重石のように重く大きくその人の心の有り様に影響を与える。いわんや本という形をもった時、私たちはその時々で忘れない思い出を持つことになる。
 直木賞作家角田光代によるこの本は、本について書かれた九つの短編小説集である。そのどれもが本というものを媒体にして切なく懐かしい世界を描いている。本は世界に開く扉であり、いつの時代にも行ける時間飛行機である。そんな単純なことが書かれただけの「小さな話」なのにどうしてこんなに胸を打つのだろう。誰もが本にまつわるそんな小さな、けれど深い思い出を持っているからかもしれない。
 「ほんの二十歳で」とか「ほんのお礼で」とか使われる<ほんの>という言葉には、小さいとか少ないといった意味を強めるのに使われて、「ただそれだけの」という意味があるそうだが、その一方で「本当に」とか「まことの」という意味もあるそうだ。角田の九つの短編小説はそういうことでいえば「ほんの小さい話」でもあり、「本当の小説」でもある。そして、これは間違いないが、「本の小説」なのだ。

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紙の本

この本こそ、まさに「世界に存在することに」感謝し、出合えたことを幸せに感じた一冊でした。

2005/06/09 21:47

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エルフ - この投稿者のレビュー一覧を見る

読み終わって思ったことはまずこの本こそ「世界に存在することに」すごく感謝し、出合ったことを幸福に感じました。
おそらく誰の中でも一冊は劇的な出合いをした本があると思います。
出合った瞬間に世界がガラリと変わり、もう読む前の自分には戻れないほどの衝撃を受ける一冊、私にとっては15歳の時に読んだ平中悠一氏の「she’s rain」、19歳の時に読んだ村上春樹氏の「
ノルウェイの森」は今でもその出合った時の衝撃を忘れられない本です。その時のことを読みながらふと思い出し、本のすごさを改めて感じた一冊です。
9つの短編の中で私が好きなのは「ミツザワ書店」と「さがしもの」です。
「ミツザワ書店」では本屋のおばあさんの「だってあんた、開くだけでどこへでも連れてってくれるものなんか、本しかないだろう」という言葉にウンウンと頷きました。
子供の頃は特に本を開けば私は魔法使いになり、空を飛び、冒険をしていましたし、今では謎を解いたり、時には胸を打たれて泣いたりと本を開けばそこには新しい世界が待っています。
そして「さがしもの」では本の物語でありながらそれ以上に生きる姿勢に頷かされました。つらいとき、主人公の頭に思い浮かぶのは亡き祖母の「できごとよりも考えのほうがこわい。」という言葉。確かに人は悪い方へ悪い方へと物事を考えていき、それから前に進めなくなることの方が多いのですよね。そして過ぎ去ってしまえば全て記憶の沈殿でしかない・・。
本の前で「あぁ確かにそうだよなぁ」と深く思った言葉です。
本の物語でもあり、恋愛の物語でもあり、人生の物語でもある。
角田氏の開く扉はとてつもなく広く大きく、そして今回も私を色々な世界につれていってくれました。本好きの方には必読の一冊です。

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2005/05/24 00:33

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2005/08/27 10:22

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2005/07/13 00:21

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2005/08/03 20:03

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2005/08/14 20:03

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2005/10/03 15:56

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2006/05/17 19:33

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2006/06/05 16:32

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2006/09/10 01:28

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2007/03/21 23:16

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2006/09/09 20:14

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