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あの戦争は何だったのか 大人のための歴史教科書 みんなのレビュー

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みんなのレビュー115件

みんなの評価4.0

評価内訳

109 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

これが出発点である。

2012/06/13 15:46

14人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の考えがすべて正しいとは思わないが、こうして善悪二元論を脱しようとする戦争責任論が、出版されはじめたことは歓迎すべきだ。

 戦後長い間、あの戦争は全面的に日本が悪かったのだという雰囲気が支配していた。そして、ソ連崩壊後、段々と戦争肯定論が息を吹き返してきている。日本では振り子は大きく急激に振れる。ことを急ぎすぎる。このこと自体、保阪が第五章で述べている日本人の国民性なのかもしれない。彼が言うように、それがいい悪いというのではなく、もっと冷静にその長所と短所を分析し、常に自己(日本)のあり方や振る舞いを決定するときの試金石とすべきだろう。

 それができていないので、いまだに粉飾決算やリコール隠しなどの体質をもつ企業が、続出したりする。行財政改革もなかなか進まない。グローバル化の名のもとアメリカ追従しかできない。

 この本により、菊池寛賞を受賞した「保阪昭和史」の中核である太平洋戦争を、概観できる。今までに保阪の著作を読んできた人にとっては、その一作一作をつなぐ本となる。また、この本で保阪に出会った人は、他の著作によりもっと深く昭和史を知りたくなるでしょう。

 第1章の「旧日本軍のメカニズム」は、第2章以降を理解するための基礎知識編なので少し退屈かもしれない。しかし、ここが分かっていないと彼の主張が捉えにくいので、我慢して読んで下さい。

 この本に物足りなさを感じたならば、一つ一つの事象を深く扱った次の著作を読むといいでしょう。『昭和史 7つの謎』、太平洋戦争の失敗・10のポイント、『昭和史がわかる55のポイント、陸軍省軍務局と日米開戦、『陸軍良識派の研究』、『秘録 陸軍中野学校、『瀬島龍三』、『昭和史 忘れ得ぬ証言者たち』など、どの本にも知られざる事実が眠っています。

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紙の本

あの戦争は今後の国策の教科書になる

2006/06/09 09:51

13人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 太平洋戦争は絶対にすべきではなかった。それは当然だと思う。ではなぜそんな戦争に突入したのかといえば、軍部の暴走などという単純なものだけでは決してない。太平洋戦争は完全に日本虐めの結果であり、政府に戦争責任はないが、「政治」戦略に重過失があったのである。つまり、国民に対して政府は有罪である。
 本書は、300P未満という小著であるが、要領よく、あのわが国にとって忌まわしい戦争を論じている。一文一文流れるようであるが、それらは著者の永年の研究に拠る正確な事実認識であることは保障されて良い(著者の意見への信頼性は別)。
 著者は、責任について、国民性にまで言及している。しかし、責任は上述したように軍事ではなく政治戦略の誤りにある。最大の原因は、第一次大戦にある。その際、ドイツが当初圧倒的に優勢であった。英仏連合は追い詰められた。そして、あの「光栄の孤立」を守り抜いてきた大英帝国が助けを求めたのが、日英同盟の日本だった。
 にもかかわらず、日本はその要求を突っ撥ねた。そしてチャチな駆逐艦を派遣しただけ。英国が日露戦争で誠心誠意日本を援けた恩に日本は報いなかったのである。当然、イギリスは「内心」怒る。このときに、1922年の日英同盟終結は決まった。
 日英同盟がなくなり、英米は蜜月となった。そのため日本はもはや排日を決意したアメリカによる嫌がらせ・妨害をモロに受けることとなる。今までは英国がいるから手が出せなかったが、もはや遠慮なしだ。アメリカは中国利権からアメリカを締め出そう(と彼らにはみえた)とした日本に猛烈な怒りを持っていたのである。詳述するスペースは無いが、満州も日中戦争もすべて日英同盟がなくなった結果なことは間違いない。
 著者は、我々に欠けていたものを同戦争から演繹すべきとするが、欠けていたのは今も昔も「戦略性」である。要するに、国民はお人よし過ぎるし、加えて現在では、官僚政治家に愛国心がない。国政中枢の公務員たるもの、己の命を犠牲にしてでも国益を守るのが務めであろう。
 そして、日中友好などを唱えて、アメリカと離れるようなことになれば、100%第2次日中戦争となる。いま攻めてこないのは、まだアメリカが怖いし、イージス艦を持つ日本とやり合うのは骨が折れるからにすぎない。日中友好を唱えればそれだけ戦争の確率は高まる。事実として、中国は日本と戦争をしたいし、するつもりである。最近の増強された装備は間違いなく海洋国家としてのそれである。ならば、友好を唱えると、国内からやられる。中国に不利な報道はしないとシナ共産党と協定を結ぶ朝日新聞などがプロパガンダに走ることになる。9条据え置きは、北京から日本への至上命令である。絶対に軍備増強などさせたくないわけだ。
 たとえば、石原慎太郎こそ対中国の模範である。彼は「奢り高ぶったシナ人よ、台湾は国だ」と言っても、中国はなにもいえない。言っても石原に笑われるだけから、何も言えない。要するに、中国には凛として臨むより他無く、その裏づけとして9条改正と日米同盟の鉄壁化がいま取るべき戦略である。
 著者は、意外と未来志向で本書を結んでいる。つまり、この戦争を活かそうとしている。大賛成である。分かる事は、湾岸戦争のとき日本は船しか送らなかった事実が、第一次大戦の際の英国に対するそれと見事にリンクすることだ。あのとき、もし日本が陸兵を送らないのに中国が送っていたら、日米同盟は日英同盟と同じ運命になっていた。イラク派兵反対論が歴史を知らぬ無責任な亡国論だと言うことが歴史から一目瞭然だろう。鄧小平がその決断を出来なかったことは天の恵みであった。
 賢者は歴史に学ぶ。ならば賢者の必要条件として、最低限本書の知識は必須だと思う。太平洋戦争(大東亜戦争)を知らずしては外国・国策を論じる事も語ることも出来はしない。

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紙の本

教科書レベルにまとめてあるが、教科書にしては熱すぎる。

2005/12/27 20:10

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 学校での日本史の授業は太平洋戦争まで習ったかどうかだった、という世代も多い思う。きちんともう一度学んでおきたい、と思う人もあるのではないだろうか。そういう人にとっては大変目を惹くタイトルである。全体像をまず捉まえる入門書としてはよいかもしれない。が、教科書とまでいうのはどうだろうか、という読後感である。
 知っている人にとってはあたりまえの事実ばかりと感じられるのは、「教科書」というレベルでまとめられたからだろう。しかし、記載されている事項の出典、文献が全くかかれていないのは信頼性に若干の疑問を抱かせる。 昭和18年に東條英機が言ったという「戦争が終わるということは、戦いが終わった時のこと」などは「自衛隊のいるところが非戦闘地域です」という最近の首相の言葉を想起させて大変興味深かったのだが、「そう言ったのは事実なのか」、でひっかかるのである。この本は教科書、入門書であるから出典は書かなかったというのであれば、せめて「さらに知りたい向きは著者の○○を」ぐらいの手がかりは載せておいて欲しかったところである。
 書き進むうち、「誰の責任か」など、著者がだんだん熱くなって書いてしまった部分がある。恐らくそういう著者の見解に偏ってしまった部分があるため、「教科書としてはどうか」「根拠は正しいのか」などの疑問が残ってしまうのだろう。
 開戦を歓迎した国民、「一億玉砕」と言われても結集していた国民。負ければそれまでの敵国を好意的に受け入れた国民、経済大国と言われるまでに働き続けた国民。「太平洋戦争を正邪で見るのではなく、この戦争のプロセスにひそんでいるこの国の体質を問い、私たちの社会観、人生観の不透明な部分に切り込んでみようというのが本書を著した理由である。あの戦争のなかに、私たちの国に欠けているものの何かがそのまま凝縮されている。」著者があとがきに書いているこの本の着眼点は、今後の日本社会のありようを考える上で大事だと思う。
 この本ではそれが何か、というところまでは言及がもう一歩かもしれない。それも「教科書」だからだろうか。今後の歴史研究、さらには人間、動物の研究の中から、どのようなものがこのような戦争に繋がるのか、が明らかになっていって欲しいものである。

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紙の本

私たちの国に欠けているものの何かがそのまま凝縮されている

2005/11/27 00:45

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:花代 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「はじめに」を読み、深く共感し、反省した。
高校球児たちの八月十五日正午の黙祷に疑問を持たない私は、その意味を考えていない。
「なぜ、黙祷する意味があるのか」と。

「『あの戦争とは何であったのか、どうして始まって、どうして負けたのか』−−。圧倒的な力の差があるアメリカ相手に戦争するなんて無謀だと、小学生だってわかる歴史的検証さえも充分になされていない」(p.4)。

快進撃→泥沼→半狂乱へと移っていったあの時代。
「反面、この時代ほど、日本国民が“総力を結集した”ことはなかったのも事実」(p.159)。
国民の大多数が冷静さを欠き、「並外れた、視野狭窄ともいえる“集中力”を生み出していた」(p.159)

にも関わらず、日本人は敗戦後、すぐ価値観をリセットした。
「昨日まで全国民の約十人に一人が兵士となり、アメリカ相手に憎悪をかきたてた戦いをしていたのが、まるでウソのように掌を返して好意的になってしまう。こんな極端な国民の変身は、きっと歴史上でも類がないだろう」(p.223)

この不思議さを追求せずに前進する。
それはひとつの、日本人の典型的な姿だと思う。
「あの戦争のなかに、私たちの国に欠けているものの何かがそのまま凝縮されている」(p.240)

それが善いとか悪いとかいうことではなくて、私たちはそういう気質を持っていることを認識して、考えることが必要だと思う。
八月十五日正午に、球児たちが黙祷することの不思議さを。
マスコミでの悪役(例えば北朝鮮)を無条件に批判することの不思議さを。

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2006/11/22 08:02

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2005/11/09 10:47

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2005/11/24 01:37

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2005/11/27 21:49

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2005/12/19 15:02

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2006/01/09 22:13

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2006/05/15 21:05

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