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紙の本
過去の苦い体験を無駄にしないために
2005/09/07 02:06
16人中、14人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:良泉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
例年8月15日に近くなると、各マスコミで“恒例行事”のように「戦争報道」を繰り広げます。特に今年は、第二次世界大戦敗戦後60年という節目の年でもあったせいか、その扱いも特別大きかったような気がします。
そんな中、紙面全面を戦争特集とした8月15日付け毎日新聞の特異な構成には驚かされました。しかし、その構成よりもさらにショッキングであったのが、そこで1面トップ記事として掲載された戦争に関するアンケート調査結果です。
毎日新聞の調査によると、
・日本が米国や中国などと戦った戦争を「間違った戦争だった」と答えた人は43%、「やむを得ない戦争だった」と答えた人は29%であった(全年代平均)。
・「間違った戦争」との回答は20代と70代以上が3割台で、他の年代より低かった。
・70代以上では、「やむを得ない(45%)」が「間違った戦争(37%)」を上回った。
・20〜30代では、「分からない」との回答が3分の1を占めた。
日本が朝鮮・中国・東南アジア諸国をはじめとする諸外国を侵略したあの15年戦争を「やむを得ない戦争だった」と感じる人が3割近くもいるのです。そして、なお驚かされることに、実際にあの戦争を体験した世代である70代以上で戦争を肯定的に捉える傾向が高いということです。日本人にとって、あの戦争はいったい何であったのか、あらためて深く考える必要がありそうです。
さらにもう一つ気にかかることがあります。20代〜30代の若い世代で、「分からない」という回答が3分の1を占めていることです。日本では、あの誤った体験が、どのように若い世代に継承されてきたのでしょうか。
本書は、副題を「大人のための歴史教科書」としているように、まさにこのような人達に多く読んでもらいたい書です。
あの戦争はなぜ起こされたのか。一般の国民はどう考えていたのか。一部の軍部が突出したとしても、それを押さえる国民世論は喚起されなかったのか。戦争開始後もいくどか訪れた早期停戦の可能性はなぜ破棄されたのか。文化人やマスコミはどう対応したのか。
われわれ現代の日本人は知らなさ過ぎるのです。これまで過去に盲目であり過ぎたのです。
著者が主張するように、単純な善悪二元論を排し、勧善懲悪的な決まりきった文句でけりをつけるのではなく、「あの戦争」の本質をじっくり学習するのに最適の本です。
紙の本
戦争の歴史を知りたくなったら、最初に読んでもいい本だと思う
2021/07/18 14:09
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:y0a - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の冒頭「はじめに」で語られていることが印象的だ。
「日本人全体が、歴史としての「戦争」に対して“あまりに無知”」となり、その反動として「今度は『新しい歴史教科書をつくる会』のような人たちが現れ」、「同じように感情論でしか歴史を見ていない。『平和と民主主義』で戦争を語る者たちとコインの裏表のように感じる」としている。
やはり基本的なことも知らずに、右だの左だの言っている時点で終わっている、そんな状況が広がり続ける不毛。とか書いている自分も近現代史の基本をよく知っているとは言えない。戦争の歴史を知りたくなったら、最初に読んでもいい本だと思う。