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誇大自己症候群 みんなのレビュー

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みんなのレビュー9件

みんなの評価3.6

評価内訳

9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本

事件を起こす、起こさないの違いは?

2006/08/25 11:18

8人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人を傷つけるような事件が起こった後、「普段はごく普通の人(子)だった」と書かれることが多くなった気がする。著者は犯罪を起こした少年たちを扱う医療少年院勤務の精神科医師なのだが、特に少年犯罪について、このように書いている。「障害と認められるような異常が無いケースがある。もし精神医学的には異常でないが、行動が異常であるなら精神医学は、その存在意義を問われる。」そしてこれらの犯罪を起こす原因を考えるために、「誇大自己症候群」という定義を提案するのである。
「他人を見下す若者たち 「自分以外はバカ」の時代!」も読んだ(その書評も書いた)のだが、その数ヶ月前に出版された本書も題材としては類似の状況を対象としている。本書は精神医学の立場で、「他人を・・」の方は心理学の立場で解明しようとした、と考えればよいだろう。
 「成長段階での過保護などの原因からつくられた自己中心的で傷つきやすい性格が、普段は穏やかでも、突然極端な行動を起こしたりするようになる。」というのが大まかな著者の考えであろう。主に幼児期の環境の検討などの事例研究から導き出された考え方であるが、脳のレベルで見た検討、という部分も興味深かった。感情や行動のメカニズムを知ることでなにか対応できるかもしれないという期待も少しある。
 前の評者の方も書いておられるのだが、本書の中では、あまりさまざまな事例を「誇大自己症候群」の言葉で説明してしまいすぎたのではないか、ということは気にかかった。歴史的な人物まで例に登場しているが、そこまですると「誰もが誇大自己症候群」であり、本書の「なぜ犯罪にまで結びつくのか」から離れてしまう感じがする。いや、「誇大自己症候群」の根底にあるのは、あるときは歴史に残るような行動にもつながる精神活動であることを示したかったのかもしれない。どのようなことでも極端になれば危険な結果に繋がることもあり、「正」の面がでる場合にもかならず「負」の面がついている、ということが言いたかったのかもしれない。
 おそらくどんな人間でも「誇大自己症候群」のような性質をもっているのだろう。自分の評価を周囲の評価よりは大きくすることで自分を認めることは、生きて行く力にもなり得る。本書でもそのポジティブな価値も認めている。それが「症候群」のような形で危ぶまれるものにならない状態に制御していくことこそ大事だと思う。しかしそうなると、本書の発端と思われる「犯罪にまでいたってしまった人たちは何が違うのか」の答えはなんなのだろう。それについての明快な答えはないようである。簡単に答えが見つかるようなものではなく、「ただ、きっかけだけ」なのだろうか。
 さらに残念だったのは、「普通の人、読者も誇大自己症候群かもしれない」という視点があまり感じられなかったことである。著者が治療者である、という立場で書かれているためなのか、どのように付き合えばよいか、防ぐにはどうしたらよいか、という、読み手自身は「誇大自己症候群」ではなく、その被害をこうむる側である様な書き方がされている。「自分以外はみな誇大自己症候群」であって、「犯罪に繋がるきっかけをつくらない」ため、というならこれも有効かもしれない。しかし、「普通の人たち」「予備軍の恐れのある人たち」への「自分がそこまで踏み切ってしまわない心構え」のアドバイスも書いて欲しかったと思うのである。

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紙の本

誇大自己?自己愛?むしろ日本人は過小自己症候群であろう

2005/12/26 18:46

10人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ISH - この投稿者のレビュー一覧を見る

何百万という人類の滅亡よりも自分の小指のけちな痛みのほうが心配なものだ。(ウィリアム・ハズリット)
それが人間である。けちな痛みどころか瀕死の重傷さえ無視せよと言うのか。
反社会的だから悪とは限るまい。スラムに生まれたというだけでいかに努力しようとも「朝起きたら無一文から始まる」人々はむしろ社会という悪に虐げられているだろう。
フランスでは頻繁にストライキが起こってメトロが止まる。良いことかどうかはともかくそれは「現代の病理」ではなく人間だからだ。
日本はまともな国なので反旗を翻す必要はない?そうだろうか。
破滅的な悪に向かう人間は大抵どこかで虐げられている。原因であれ結果であれ誇大どころか過小自己が問題だ。
未だに「日本の若者は何故こんなに人を殺さずにいられるのか」と研究している国もある。代わりに口を封じられ自分の命を落としているだけであろう。
この本のいい所は犯罪者のありのまましか描かないこと。悲惨な生い立ちは的確に描く。しかし「自分がどうだから赤の他人も巻き込んでいい」という発想は無論許さない。だが犯罪者を過度に擁護する人間を感情的に責めているわけでもない。すべてありのまま。
ただあくまで「この人の中のありのまま」なので全部真に受けないこと。精神科医兼作家なので心理学や精神医学を神の教えのように思っている一般人を惹きつけることはたやすいだろう。
現在少年院勤務。それだけで信用できるだろうか。少年院帰りの真面目な青年が語っていたが。「あそこでは正しいことも教わったが理不尽な洗脳が確かに存在する」と。
親からも社会からも壮絶な虐待を受け続け反旗を翻し暴走族に入ったがそれでも逃れられず一生精神病院暮らしの女性に出会ったことがある。
良いかどうかは別としてそれでも「暴走族に入ったのは誇大的で病んでいたから」と言いますか。
反社会的行動を推奨しているのではない。私は10円の菓子一つ盗むことを恥じる。赤の他人の家に火をつける・通りすがりの幼児を傷つける。とんでもない行為だ。害をなした人間にまともなやり方で立ち向かえ。裁判。人権保護団体。あらゆる方法で。
それでも「まともな訴え」が確実に通用するとは思えない。すべての人間が人間に相応しい扱いを受けられる社会というものがかつて存在したことがあっただろうか。
それでも自分に関わりのない人間を傷つけるな。そして「自分を不当に扱う存在であれば神であっても戦う」。それを「誇大自己」などと決して呼ばせるな。尊き誇りだ。
それからもう一つ。犯罪者の厳罰を望む理由として「被害者が無視されているから」というのがある。
日頃無視しているのは我々ではないか?過去を振り返ってみよ。誰かに一生癒えぬ傷を与えたことはないか?
罪を憎んで人を憎むのも大いに結構だ。だがエネルギーを持て余す暇があったら傷ついた人間をその十倍労われ。
※自サイトレビューより加筆修正

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2005/11/13 10:46

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2005/11/16 10:52

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2006/05/07 09:32

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2010/05/25 07:52

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2010/09/24 18:15

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2009/07/03 03:29

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2018/10/06 13:52

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