デビュー以来、次々に話題作を発表しておられる羽田圭介氏が17歳ときに書いた文藝賞受賞作です!
2020/07/05 09:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「不思議の国のペニス」、「走ル」、「ミート・ザ・ビート」、「ワタクシハ」、「盗まれた顔」、「メタモルフォシス」、「スクラップ・アンド・ビルド」などデビュー以来、次々と話題作を発表してこられた羽田圭介氏の作品です。同書の内容は、兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄が主人公の物語です。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのでしょうか?出口を失い暴走する兄弟の憎悪をスピード感溢れる文体で描き切った羽田圭介氏の傑作です。同作品は文藝賞に輝いた名作です!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:F.T - この投稿者のレビュー一覧を見る
スクラップアンドビルド を呼んだ後に読んだが、
わたしはこちらの方が面白かった。
これを17歳で執筆したとは驚きである。
血を血で洗う戦い
2019/12/15 17:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
思春期真っ只中の男兄弟が、お互いに抱く生理的な嫌悪感がリアルです。双方の視点から映し出されつつ、ラストのどんでん返しに持っていく仕掛けも見事でした。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kurokotare81 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近テレビでよく見かける羽田さんのデビュー作
ありふれた思春期特有の兄弟の確執、家族に対する反撥や精神的な悩みと成長、葛藤
そういったありふれた題材が、なんとも変質的に程よく不快(笑)な物語に仕立てられていて面白かったです。
文章は若干拙く、その分読み易いです。
自分は女で姉妹しかいないから共感はしがたいのですが、
是非男兄弟のある人の意見が聞いてみたいと思った作品です。
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆかの - この投稿者のレビュー一覧を見る
これを17歳で書いたのは純粋にすごいと思う、けれどあんまり刺さらなかった。
おもしろくなくはないです。
ひとつ、最初から最後まで本当に気になって仕方なかったのが正気という名前。この内容でこの名前だとどうしても違う読み方をしてしまう…
投稿元:
レビューを見る
兄弟の確執を描いた、最高にドロドロとした1冊です。兄と弟、それぞれの視点から交互に描かれた物語、2人の心情がとてもリアルです。どんでん返しに継ぐ大どんでん返しがあったりと、最後まで読み手を飽きさせません。若干、「ん?」と思う箇所があったものの、それを含めても星4つは付けられる作品だと思います。
最後の締め括り、兄の視点から描かれた文章が一番怖いです。著者が若干17歳だというのには驚きましたが、逆に17歳だからこそ描ける物語だとも言えると思います。ただ、救いようの無いほど暗く、ある意味イタイ物語なので気持ちに余裕のある時に読むことをオススメします。
投稿元:
レビューを見る
ミステリーではないが、これぞ2重トリックではないか!若い作家デビューも少しは信用できる作品。というか嫉妬してしまう。
投稿元:
レビューを見る
『兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか? 出口を失い暴走する増悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき17歳による第40回文藝賞受賞作!』
◆ハードカバーで見かけてから読みたくて、やっと文庫になってるのを発見したので喜んで一気に読んだ。この兄弟の陰険さと変態さはすごいものがある。こういう風にはなりたくないものだとつくづく思った。怖い怖い。
投稿元:
レビューを見る
兄の部屋を偏執的にアサる弟と、罠を仕掛けて執拗に報復する兄。兄弟の果てしない憎しみは、どこから生まれ、どこまでエスカレートしていくのか?出口を失い暴走する憎悪の「黒冷水」を、スピード感溢れる文体で描ききり、選考委員を驚愕させた、恐るべき一七歳による第四〇回文藝賞受賞作。※う〜ん・・凄まじい。最後はちょっと意外だったな〜と思ったら・・・。なかなか凝ってますね。
投稿元:
レビューを見る
兄の部屋漁りを執拗に続ける弟に、異常な仕返しをエスカレートさせていく兄。薬が登場する辺りからが作りすぎかなと思うけど、小説なんでね。けっこう怖かった。
投稿元:
レビューを見る
あらすじを一言で表すとこんな感じ。
「幼稚で、だが、時には戦争といえるほど激しい兄弟ゲンカ」
このお話は2003年の第40回文藝賞受賞作です。
文庫本の解説は斉藤美奈子氏がされております。
感想からいうと、素直に面白かった!
読ませられた感の強い作品!
「17歳なのにスゴイ!」といった感想をよく聞きましたが、17歳だったからこんなに真っ直ぐ、こんなに残酷に陰湿に書けたのではないかな、と思いました。
しかしながら、確かにこんなに若くてこの溢れる描写力には舌を巻いてしまいます。
そういう読み方は違うだろうな、と思えども、驚きは隠しきれませんでした。
兄弟(姉妹)をお持ちの方は一度は「机をあさられる(もしくはあさる)」ということを経験したことがあるのではなかろうか。
本書はまさにそれがテーマとなって繰り広げられていく。
幼稚な弟に異常な怒りを隠しきれない賢い兄。
だが、読み進めていくうちにこの兄にも幼稚で陰湿な面を見ることになる。
途中、(自分を客観的に物事を考えることの出来る出来た人間と思っている)兄寄りの視点で進んでいくときに現れる、「青野」という怪しい男の放った兄・正気に向けた言葉が印象に残っている。
その一言によって揺らぎ、また思わぬ方向に話が進んでいく過程など素直に面白かった。
でもそれは私自身がああいう「青野」みたいなキャラクターが好きだから、という気持ちが強いからだとも思います。
また最終的な話の展開として、確かに賛否両論あるものと思いますが、私は”訳の分からない兄弟”の前に再び読者を引きずり出したことは正直ワクワクしました。
<完>で締められたままでも良かったのでしょうが、何となく「甘い」という感覚を覚えたからです。
私にとってあまりにも前半部分(<完>まで)のリアリティーが濃かったために、そこで終わりを迎えてしまうことが酷くご都合主義的な、勢いだけに任せてしまったものに感じられたのです。
何ていうのだろう……キレイに纏まりすぎというか……
正気の葛藤のその先にあったものが「兄弟を思いやる」という改心という目覚めということが、私の中の最終章にはなかった。
本当の最後には少し若さのようなものが見られたが、ここまで引っ掻き回してくれなければ(<完>で終わりにしなかったことを指す)この奇妙な戸惑いと、この結果通りにはいかない恐怖を味わうことはなかったかなーと思います。
投稿元:
レビューを見る
面白そうと思って買っておきながら、どうせ駄作だろうと思ってました。ごめんなさい。個人的に大好きです。文章自体は粗いけど、こういう理系っぽいソリッドな文章は好きな部類。
「あ、こんな感じで終わるんだ★よかったよかった一安心」と思いきや……このラストには賛否両論でしょうが、私は賛成派です。こういう終わり方を持ってこられるところは若さゆえの勢いもあるだろうけど、非凡だと思う。
赤く熱した怒りではなく、黒く冷たい怒り。この表現も、とってもイイです。駄作のような顔をした秀作とでもいうべきか。サスペンスに分類。
投稿元:
レビューを見る
文章力構成力の拙さが最後にうまく生かされて、痛楽しめる一冊に仕上がってます。『りはめ』っぽい(逆かな)若い疾走感も悪くない。この作品が作者の奇跡の一冊にならないといいなあ。
投稿元:
レビューを見る
なんとも気色の悪い感触
それはかすかに感じる嫌なにおいのように
気持ちの悪いリアリティを持っている
まさに黒冷水に触れたかのようだ
憎悪
低レベルな憎悪
しかしこの低レベルという俗なレベルに
僕たちも嫌がおうにも浸かっていることを
思い知らされる
投稿元:
レビューを見る
兄弟喧嘩はもはや戦争。
どちらかの息の根が止まるまで戦争は終わらない。
"許す"という事がどれ程難しい事か分かりますね。
全ての女子中高生に告ぐ!
この本は、君達の輝かしい"恋心"を真っ黒に染め、犯し、うち捨ててゆくよ。
さあ、読む覚悟は有るか?