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重い。
重厚と言うのともちょっと違う、ただひたすらに重い。
一村三百数十人の皆伐という背景の事件の重さもあるのですが、文体や一人一人の登場人物をじっくり描き込んでいく手法も重く。それが飯島さんらしさなのですが。
歴史の片隅の事件ですし、さほど資料が多いわけがないのですが、乏しい資料から矛盾無く。確かにそうだったんだろうなと読者が納得できるようなストーリーにまとめて行く力量は大したものです。
ただ、ひたすら重苦しい雰囲気には少々辟易してしまいましたが。
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土地柄と、時代性と、若い愚かさが引き起こした悲劇だ。こういう悲劇が普通にいつの時代もあったのだろう。ひとつの集落の悲劇は歴史の中では派手な出来事ではないけれど、そういう弱い立場にある人たちに寄りそう姿勢がとても好きだった。とくに、戦いをさけるなら同じくらいの犠牲が必要になるのだという残酷な指摘に考えさせられた。時代は変わり、神は死ぬ。『ともかくも生きることだ』
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ページ数の割に中身が濃く、読み応え十分、というより前半は読み進めるのに一苦労。悲劇に突き進む後半は一気読み。重く、切なく、やり切れない読後感。藤九郎の最期のメッセージが心に残る。
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どうにもこうにも、あわないの一言に尽きる。
文章が読み辛くて、繰り返し読んだり、
前に戻って読んだりと苦労して読んだけど
結局頭に入ってこなくて、途中で挫折。
事件は何故起こったのかと、すんごく気にはなるが
なんとなく途中で分かっちゃったから、
読み終わったことにする。
相性ってあるのね。
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時は、慶長七年。
所は、常陸国小生瀬。
村人三百五十人余が忽然と姿を消した。
幕府による年貢増加と百姓による対立。
ここまで、根深いのかと愕然とした。
無いものは出せないでは済まされない。
それを、ただただ、受け入れるしかなかった時代に恐ろしさを感じた。